三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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ウルトラQ:パニック/海・島系

2005-01-08 02:25:12 | ウルトラQ
 ■第3話 宇宙からの贈りもの■ ウルトラQ:SF系参照
 ■第20話 海底原人ラゴン■ 日本沈没の先駆ですね。学界に認められない異端の学者が実は正しかった、式モチーフで『バルンガ』『2020年の挑戦』と並ぶ3大科学批判ものの一角を担う。石井博士の学説が登場怪獣とは直接関係ないところ、飯抜きでラゴンの卵の正体鑑定に没頭するところ、卵浮上の原因を海底火山に帰するか地殻変動に帰するかという微妙な(ホント素人からすりゃどっちだってと言いたいような……子ども向け怪獣映画としては微妙すぎますでしょ……)考察を万城目らに語っているところなど、リアルタイムで研究活動が進行するのが他2作より本格的にサイエンスだ。文子がラゴンに卵返すコンタクトな場面は私嫌いだけど新生児ラゴンの映像で帳消し、逃げ遅れた万城目と由利子に船を残しておかない不自然さは間一髪一平ヘリを際立たせる装置であってみればそこも納得。だけどその後、もともと仲良かったらしい石井文子と由利子との関係がまずくなったのではないかと心配です。
 ■第21話 宇宙指令M774■ これは定評どおり、全28話中最底辺に近い。いや、前半のラインはハイレベルなんですよ、人形がしゃべって怪しい流れ星が落ちて万城目と一平が無人ロッジに誘われる(サックスのムード音楽良かったな)、あのへんまではウルトラQ基準でもハッキリ平均を上回ってるんです。最後のルパーツ星人地球に帰化のところも、メッセージは凡庸ながらビジュアルのインパクトでばっちし決めてくれた。致命的にダメなのは海上。巡視船の場面ですね。間延びして、救いようがない。いくら骨髄ウルトラQフリークの私といえどもフォローのしようがありません。海上保安庁の協力を仰いだのが裏目に出た、というよりかそれに自足して工夫を怠りましたね。これでボスタングが盛んに警告されたとおりの怖ろしい怪獣だったとか、怖ろしくなくてももっと造形の良い怪獣だとか(全28話中群を抜いて最低の怪獣。ただのエイというこのデザイン採用についてだけは私、円谷プロのセンスを疑います)、ルパーツ星人があの人じゃなくて水野久美であるとか、そういうことならこの作品、けっこう傑作になったかもしれないのになあ。
 ■第23話 南海の怒り■ これ、地味だけど傑作です。東宝怪獣映画に大ダコが何度か登場していることもあり(タコは円谷英二のお気に入りだとか)、あと『モスラ』を彷彿させるチラリズムもあり、正統怪獣映画のオーラが充ち満ちている。島民のスダール信仰の本音は結局ただの恐怖心だったことが雄三の復讐心によってあえなく暴露されるあたり、いい流れですわ。『大怪獣バラン』の土俗性と宗教性をぐっと濃くした感じ。ただ、国連の爆撃隊(苦)らしきものが爆弾を落とすだけ落として去っていくのはいかがなものか。あとは島で始末つけろってのはいくら何でも無責任ではないか。そこさえモチョっとクリアしてくれてればこれ、終盤の半闇の戦闘場面もけっこうな迫力(『キンゴジ』等からの流用場面を差し引いても)だったことだし、全28話中間違いなく上位十傑に食い込んだであろうに。

ウルトラQ:パニック/山地系

2005-01-06 22:42:59 | ウルトラQ
 ■第1話 ゴメスを倒せ!■ 「鳥類と爬虫類の中間生物」なのに〈サナギ〉だものなあ。たまげちゃうよ。卵ではなくサナギだったことでこのドラマの価値が三倍増。もちろん本筋、洞窟内でのゴメスの追撃なんか尋常ならざる迫力ですし(下から首出すパターン最高)。猛獣型咆哮とともにシュシューッというガラガラヘビっぽい擦過音が混ざるところにゴメスの凶暴さが表現されている。ああいう複雑な発声はウルトラQ以外まで含めてもこのゴメスだけではなかろうか。あと和風というか唐風というか鳳凰っぽくてかっこいいリトラ。子どもの頃の怪獣図鑑では、リトラは「シトロネラ酸を吐き尽くすと死ぬ」となっていたが、本編を観るとゴメスの尻尾やドラム缶を浴びてけっこうダメージ受けているので、普通の傷害致死だったんでしょうね。
 ■第2話 五郎とゴロー■ ウルトラQ:サイコ系参照
 ■第7話 SOS富士山■ 「あいつ」としか呼ばれない岩怪獣。怪獣図鑑などに載ってる公式設定では、10万トンの体重が唯一の武器となっていたのだが、口からしっかりと噴火煙らしき砂埃を吐きまくっている。あれが武器かどうかは別として、岩怪獣の特徴であることに変わりないので、いまの怪獣図鑑類ではどうなっているのだろう。DVDの普及した今日、あの砂煙発射を無視し続けるのは不可能と思うのだが。それはさておきドラマ的にはなかなかテンポ良い。ギャグもアクションも混じってかなり上質。なのだが巷の評価的にいまいちなのは(最低作との声もあり)ひとえに怪獣の造形のマズさゆえだな。タケルに背中を狙われてじたばたする動作に重厚さゼロなのと、腹部などに着ぐるみ丸出しのだぶつきが見えてしまっているのと。けれどそれを別とすればうまくできたドラマだと思うよ。タケルがすんなり一般社会に順応するという大団円も「無反省な同化主義」と批判する余地があるぶん、余韻深いじゃないですか。怪獣で手を抜いたためにせっかくの脚本が色褪せてしまったつくづく惜しい一作。
 ■第8話 甘い蜜の恐怖■ ウルトラQ:サイコ系参照
 ■第13話 ガラダマ■ 鳥がさえずる牧歌的な山間風景と、ダムをぶっ壊すモンスターとの対照がたまらない。舞台設定としては全28話中最高かもしれん。前半に活躍した小学生らが、巨大ガラダマ落下後はさっさと退場するのも潔くてナイス。唯一の難点はあれですね、遊覧船から女子大生(?)2人救い出す縄梯子の場面ですかね。登るの大変だったんでしょうが、労力かけたからってああ長々と映しちゃっちゃあ間延びします。一平の「早く、早ーく」が間をもてあましてましたっけ。ダムの底を覗きながら会話していたあの女2人が微妙に台詞下手でいい味出してただけに、簡潔なピークへ収束しなかったのは惜しまれるな。その他のとこはもう、モンスターがダム底の突起につまずいてみたり、ディテールも凝ってて文句なしの傑作。
 ■第18話 虹の卵■ ウルトラQ:メルヘン系参照
 ■第22話 変身■ ウルトラQ:ホラー系参照

ドキュメンタリー系2

2005-01-04 22:30:47 | モンスター映画
 ■コスミック・サファリ 驚異の地球外生命を追え■ 肝心の生物の造形はどれも奇抜で良しとしても、CGが荒っぽくてリアリティないのがどうもな。ほとんど漫画じゃないか。まあ科学番組としての構成自体は良くできちゃいたけど、『フューチャー・イズ・ワイルド』(ドキュメンタリー系1参照)観ちゃった後ではかなり痛いものがある。
 ■猛獣大決戦 Round(1)人喰いザメvsクロコダイル■ DISCOVERY CHANNELってこういうのもやるから面白いよなあ。爬虫類好きの私としては残念な結果だが、まあ直感的にもワニに咬まれるよりサメに咬まれる方が痛そうだしね。砕き系のワニだったら耐えて逃れるチャンスありそうだけど、切り裂き系のサメの顎に捕らえられたらちょっと助かる気しないね。てことで結末については文句ないんだが、ワニに海へ遠征させるのはちょっとフェアじゃないと思ったぞ。まあそうしないと両者出遭わないってんじゃ仕方ないけど。
 ■猛獣大決戦 Round(2)ジャガーvsアナコンダ■ 爬虫類好きの私には嬉しい結果だが、アナコンダがほとんど水中でしか戦えない体質ってのがこの決戦の価値を損ねているな。組んずほぐれつ汀から離れて陸上で決着がついたにせよ、もとはといえば水面下からの不意討ちで始まったわけだしね。アナコンダの口に大量の細菌が棲んでいるというデータが興味深い。それが武器になるとは言ってなかったが、敗血症をもたらす恐怖細菌の巣窟である口といえばコモドオオトカゲだ。Round8あたりで是非、コモドvsアナコンダを実現させてほしいな。いや、万全の陸上戦ということでコモドvsキングコブラ、コモドvsアフリカニシキヘビあたりを要望。――ちなみに以前テレビで見たのでは、コモドじゃないなんとかオオトカゲと毒吐きコブラが戦って、コブラが常套戦法である〈敵の目めがけて毒液発射〉をやるのだけどオオトカゲの目は鱗に覆われているとかで通用せず、オオトカゲはコブラをガプッとくわえてぐわおぐわおと地面に首振り斜め打ち付けの連打。コブラはオオトカゲの腰のあたりにぐーっと噛みつき続けてるんだけど毒牙も鱗を貫通できないらしく、振り回しに力尽きて餌食になってしまった。その一部始終を遠巻きに、マーモットかなんかの集団が畏敬のまなざしで眺めていたのが面白かったぜ。
 ■猛獣大決戦 Round(3)セイウチvsホッキョクグマ■ 肝心の、水中での両者の運動機能についてあまりシミュレーションされてなかったじゃないか。それと戦闘には身体能力だけじゃなくて心理的傾向もかなり影響してくると思うが。主に貝を漁って食ってるセイウチが、逃げるホッキョクグマを反転追撃してトドメを刺すような性格してるとは思えないぞ。いや私もそりゃ、セイウチが勝てば面白いとは思ってましたがね。――ちなみに以前テレビで見たのでは、2、3頭のクマが現われただけでセイウチの群れがパニックになり、我先に逃げるそばをクマは攻撃もせず悠々と歩いて、みんな海に逃れたあと、浜辺には混乱の中で仲間に押しつぶされたセイウチの死骸がごろごろと。そいつをクマたちは美味しそうに食ってました。それが毎度の作戦のようで、本作品に挿入されてた実写映像のようにクマがほんとにセイウチに飛びかかることはあまりないらしいですな。確かに、争わずして食い物が手に入ればそれに越したことはないわけでね。
 ■猛獣大決戦 Round(4)ブルーシャークvsカバ■ これは……、はじめから結果はわかりきっていたのでは? 議論する必要ありました? 力学ロボットも、本物とは全然違うことをみんな承知なのだから(ロボットカバの首が落ちちゃったりね)、わざわざ手間かけて作る意味なかったような。CGのシミュレーションだけで十分でしょう。しかしねえ。はじめから縄張り争いで怪我してるカバでスタートさせてもこの一方的展開だものなあ。ただサメのために付け加えると、背後から三度の奇襲を試みても全然歯が立たなかった巨体相手に、諦めず正面から突っ込んでいくほどサメは無謀じゃないと思うよ、いくらなんでも。

魔界・悪霊系3

2005-01-02 05:35:19 | モンスター映画
 ■デモンズ4■ な、なんだ何だ、この異様な薄気味悪さは? 次から次へ予期せぬことが起こるし――鼻にゴミムシが入るわ耳からウジムシ出るわ水道水に青い筋が混ざるわデスマスクは顔に張りつくわウサギは咬むわ――月蝕や発光大樹や花吹雪(ですか?)やの映像美がシュールでほんとこれ、映画としては数少ない〈芸術作品〉に属するのでは。オチも含めお話が全体いまいちわかんないところもいいしヒロインの清潔そうな教師ぶりと邪教集団のよこしまぶりの対照もいいし、やっぱアメリカ映画ばっか観てるとこういうヨーロッパ発の感覚が新鮮だなぁ。えーとところでこれ、モンスター映画か? んー、でっかい鳥が2度目なんかヒロインの首の腫瘍つっついてウジムシの群れついばむし、最後に赤ちゃんが炎の中でなにやらたぶん……、かまいませんよね、モンスター映画ってことで。
 ■ベオウルフ■ メカニックな城。ベオウルフが駆使する多彩な武器。気体だか液体だか幻光だか正体不明の怪物。――こういうの嬉しくてさ。しかしこのテの本格モンスター映画にはつくづく女は不要と痛感。なぜか常時乳出してるあの女がいつ流れに水差すかとハラハラしてたんだが、やっぱりね。オッパイもラブシーンも有難くねえんですって、貧乳派の私としては。ただしモンスターサイドの女は良かったかな、最後に巨大ヘボCGの骸骨コウモリ(?)に変身するおねーちゃん。何が良かったって、和の耳舐めお姐(神・呪術系3『女陰陽師 陰魔侵蝕』参照)に拮抗するこの洋の鼻舐めお姐、それよりなにより直立シーン見てごらんよ、モデル系ブロンド女にしてはけっこうO脚なので、ワタクシ大興奮してしまいまして。あとはそうそう全体、中世ヨーロッパ+ヘビメタ音楽という訳わかんない組合せもなかなか。たまにはこんな妙な映画もいいかナと。
 ■魔鬼雨■ この作品で名高いのは、たしか最後の魔物群体ドロドロ溶解場面ですよね。しかしちょっとな。顔の溶け具合はうまくできてるんだけど、手足はどうもただ粘液をくっつけただけってのが見え見えすぎて。そこがハイライトらしいんだからもっと本格的にやってほしかったよ。あとは見どころナシ。
 ■ファンタジークエスト 秘密のダンジョン■ アイヴァンホーってどんだけ強いか知んないけど姿声怖ろしげなモンスターに何度ブッたたかれてもかすり傷一つなしとはどーゆーことさ。本人はウワッとか一々やられたっぽくのけぞってるのに。なんせこちとらモンスター目当てなんでねぇ。ボード上とダンジョンとが連動しているところはさすがゲーム、平凡な発想ながら最低限の面白さ確保と言うべきか。ま、ファンタジークエストシリーズの他作品まで観賞したいとは感じませんでしたけど。