【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(95)
ロンドンの野良狐と東京の野良狸
ロンドン郊外ハムステッドの自宅の裏庭には、時々4~5匹のキツネの家族が遊びに来ていた。 休みの日など、3階(英国では2階と呼ぶ)の部屋のベランダから庭の奥の方に固まってあくびをしながら寝そべっている親キツネ、追いかけっこをして遊ぶ子ギツネたちを眺めるのはとても心癒やされる時間だった。 ただ、よく観察す . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(94)
中国の「野味」と欧州の「ジビエ」
2000年か2001年、台南だったか高雄だったかよく覚えていない。しかし、その時の強烈な食の体験そのものは今も記憶に鮮やかだ。 台湾のパートナー企業KМ社の謝さんと白さんが珍しい料理をごちそうするといって、人里離れた山の中の風変わりな食堂に案内してくれた。朧気な記憶を辿ると、 . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(93)
泣かせてくれる3人の音楽家
どうにも止まらない。山本リンダの曲のことではない。何故だか分からないのに、涙が溢れて止まらなくなってしまう音楽のことだ。私が泣かされるのはクラシック音楽であることが多いが、ポピュラー音楽であったり、歌謡曲であったり、沖縄音楽、はたまた世界各国の民謡であったりもする。悲しくて泣くのは . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(92)
「…ございます」が氾濫する日本の議会
▲官僚たちが使う言葉は正しいのか?
この連載の79回目「わが南山公園の素晴らしき四季」で、私が代表を務める環境保護ボランティア団体「グリーンレンジャー(GR)」のことを紹介した。同団体の仲間は皆さん、高齢者ながら好奇心・探究心が旺盛である。分からないこと、珍し . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(91)
近藤正臣の「ひとり暮らし」に勇気づけられた
▲郡上八幡の自宅で猫の奴(やっこ)と寛ぐ近藤正臣(NHKドキュメンタリー「妻亡きあとに〜近藤正臣 郡上八幡ひとり暮らし〜」より)
ベランダの窓を背にして現実逃避の読書に耽っていた。目が疲れ、ふと振り返るといつの間にか陽が傾きかけている。と、スマホの着信音。イヤな . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(90)
日台を俳句で結んだ藤原若菜⑥
1月18日から始めた若菜が遍歴した俳句世界についての連載も今日で最後です。恐らく辟易しつつも、辛抱強く私の個人的なセンチメンタルジャーニーにお付き合いいただいた読者諸兄姉に心より感謝申し上げます。
若菜の没後、彼女と親交の深かった春燈会員の岩永はるみさんと平沢恵子さんによる追悼文と合せ多くの俳友の方々 . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(89)
日台を俳句で結んだ藤原若菜⑤
▲家族で緑島に遊ぶ
俳人・藤原若菜の足跡を辿るこのエッセイは5回目を迎えた。俳句や台湾に興味のない方々にとっては退屈かも知れない、と自責とも不安とも思える感情に捕らわれ続けてきた。今回で一旦お仕舞にするつもりだったのだが、あと一回だけお付き合いいただきたい。それで、今 . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(88)
日台を俳句で結んだ藤原若菜④
3回に亘り、「台湾俳句事情」をお届けした。今回は、「台湾好日」と題した春燈の有志メンバーによる台湾吟行と台北俳句会との交流記を紹介しよう。 台湾への思いと、若菜が尊敬して止まなかった黄霊芝先生への思慕が溢れているのがひしひしと伝わる。 また俳句に関する事柄のみならず、台湾の有名観光地や日本 . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(87)
日台を俳句で結んだ藤原若菜③
▲太魯閣渓谷の若菜
私が言うのも気が引けるが、若菜の綴る文章は大抵明晰であった。しかし、このエッセイに限っては、文書を読み進めてもなかなか引用符で囲まれた“日本人”とは誰のことなのか釈然とせず、珍しくもどかしさを感じた。 ネタばらしのようになっ . . . 本文を読む
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(86)
日台を俳句で結んだ藤原若菜②
▲黄霊芝先生の『台湾俳句歳時記』
▲台北俳句会創立40周年記念の集合写真(2010年12月12日)
前回の「台湾俳句事情(その一)黄霊芝と日本語」では、台北俳句会の始祖である黄霊芝先生について紹介した。今回は、台北俳句会の創設した加藤山椒魚について述べた若菜のエッセイを紹介する . . . 本文を読む