ケネス・ホール君
彼はイギリス生まれでアスペルガー症候群の男の子
同じアスペルガー症候群の子達へ、また、そんなアスペルガー症候群の子達と関わる周りの人達へ向けて書かれた一冊です
ぼくのアスペルガー症候群
~もっと知ってよぼくらのこと~
ぼくのアスペルガー症候群―もっと知ってよぼくらのことを | |
Kenneth Hall,野坂 悦子 | |
東京書籍 |
アスペルガーの持つ特性を本人がまず理解する
そして親や周りの協力でその子の特性をしっかりと活かしつつ、一般社会でしっかりと馴染めるように訓練すること
それはその特性を持って生まれてきたその子が、より良い人生を歩む為に必須な事だと思います
ケネス君は8歳の時にアスペルガーと診断されました
診断された事で彼の生活は劇的に良くなりました
それはケネス君が一生懸命努力した事
また親や周りの理解や協力を得られている事がとても大きいと思います
ケネス君はアスペルガー症候群である自分を誇りに思い、自分に与えられた才能に神様に心から感謝している事が、この本を読みながらもとても感じられました
当時10歳のケネス君が当事者の目線で自分が人とどう違うのか、どうして欲しいのかを、わかりやすく、楽しく書いてあって本当に読みやすい一冊です
ケネス君の世界観や社会、自然に関する考え方は大人顔負けです
もちろん、自分の出来ない事や意識して気をつけなければならない事
それらに対する対処法についても、ケネス君のおすすめのやり方を応用行動分析と絡めて書いてあります
アスペルガーと医師に診断される程の特性が全面に出ている子はもちろんですが、グレーゾーンに属する比較的症状が軽く少ない子、または自分でもグレーゾーンアスペルガーだと気付いていないで、でもなんだかこの世界に上手く溶け込めないと感じている人が読んでも、ケネス君が感じる事や困っている事に共感する部分が多々ある一冊だと思います