花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

高校生・晩秋

2022-05-17 | 
高校生・晩秋

差し込む陽ざしに包まれて
丘の上の校舎が茜色に染まっていた
下足に履き替えて 校舎を出ると
「さよなら」と甲高い叫び声がした

振り返ると
陽ざしの中に身を乗り出して
二階の窓から
二年生が手を振っている

車のキーを高く振りかざして
「さよなら」と叫び返した
夕陽を映した窓ガラスが
ひどく眩しかった

車に乗り込んで 校舎を見上げる
  「See you~,  Teacher!」
生徒が微笑んでいる
  「See you, また明日」

アクセルを踏み込むと
とたんに
小春日和が 木枯らしに変わった
まだ黄色いままの イチョウの葉が
競い合って 散り始めた

木枯らしに急かされて舞い落ちてくる
金色の葉を搔い潜って 車を走らせる

  『ひゅう~』
       木枯らしが鳴った
  『See you~』
        生徒が叫んだ

甲高い声が
木枯らしに同化して
いつまでも聞こえていた












 


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