♫ 積もり重ねた不幸のか~ず~を ♫

2017-03-10 21:20:06 | 独り言
食後の片付けをしながら口ずさんでいた「網走番外地」。気づいて思わず苦笑い。身に覚えがあるからだろう。♫ なんと詫びようかおふくろに ♫ 今更詫びてもどうしようもないが、罪ほろぼしのつもりで朝晩40分仏さんの前に座っている。たまにルルが膝の上に同席する。♫ 背なで泣いてる唐獅子牡丹 ♫ はないが、三階のワンちゃんが泣いている。気持ちだけでも天国に送っておくと一日がゴツゴツしない。二十一歳で家出して四十代のときに半年家に戻っただけで、あとはたまに帰るだけ、親不孝のしっぱなしだった。母が使っていた数珠とお経本を持って、母の姿を浮かべて母がしていた真似を、今している。
2013年「網走一丁目」という題名の詩集を作らせてもらった。著者は尾崎朋子さん。その詩集に「」という詩がある。その中の一部分です。

          お母さんの割ったお皿
          見えなくなりました
          かけらって何だったの
          お母さんのかけらって何だったの
          かけらがなくなっても
          おかあさんはいるの

ルルは自分用のホットカーペットでご覧のとおり!
  
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詩・セッション 今ここに居ることが嘘でない限り

2017-03-10 01:00:00 | 
*詩・セッション*
   今ここに居ることが嘘でないかぎり
                  高田数豊 & 久保田松幸

すすきの穂先に塔の水煙が見えたら魯を上げて少し休みましょう
急ぐこともないでしょう 
今ここに居ることが嘘でないかぎり
うぐいす色の水面に白鷺の羽もたゆとうています
向う岸は縁日でしょうか 幟(のぼり)がはためいています
船ごと揺れそうな真昼の花火です
音は落ちるのでしょうか散るのでしょうか拡がるのでしょうか
嫌な記憶しかありません 
今ここに居ることが嘘でないかぎり
わたしの耳は沈殿している音を汲み上げるのです
                                       (高)
    季節よ 何故そんなに急ぐのか
    昨日も今日も 大事な日ではなかったか
    明日も またしかり
    だが ふるさとの再生しない風景に
    明日が まだあるだろうか
                                       (久)
遠くまで来たような気がしますが 
この先目印となるものに心当たりがありません
かまやしません 時の流れを渡り切ろうなどと
大それたことは考えていませんから
時の流れるままに
玄関の花を換え 床屋にも行き うそ歌を口ずさんで 
折々には香を焚き 妻の出掛けを見送り 
小銭を握ってこっそり宝くじでも買ってみますか
たくさんの別れを経験してきましたがこの頃は恐ろしすぎて
わたし自身今ここに居ることが不思議でなりません
当たり前のような日々が・・・・
                                       (高)
    人を代理して機械が 宇宙を旅している
    機械には 無限に落ちているという
    実感はないのであろうか
    わが家の盂蘭盆は
    何処か宇宙の庭前になっている
                                       (久)
簾(すだれ)を立てた八百屋のおじさんは 
前掛けでひとつひとつ梨を拭いています
サーフボードを乗せた車が峠道をとばしています
重力は数々の錯覚と妄想を生み続けています
平日の予定もすべてキャンセルです 
浮世の風を風として船を流します
今ここに居ることが嘘でないかぎり 
こうしてたゆとう思いも嘘ではないでしょう
人恋しくなったらにぎやかな渡し場に船を寄せて
今ここに居ることも
「まんざらでもないわ」と
ひらきなおってみます
                                       (高)
    大柄な花弁の 酔芙蓉の花がゆれています
                                       (久)
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