秋篠の小径
来る途中
畑にいたおばあさんからのいただきもの
苺をくるんだハンカチーフを手に提げて
東洋のミューズってええやんか と
寺に向う
あんたは
片方の手で拂っていた草の葉っぱを
指の間に残したまま
カメラに向って
技芸天は 秋篠の女優さまよね と
あのお方のキメのポーズをとる
苺をパクリ
踵をかえして
雲雀も小躍りして鳴く秋篠の小径を
私におかまいなしに
さっささっさと行きなさる
黒髪を盛りあげた紫紅のシュシュが
たまゆら 薔薇を装うのも
思い過ごしか と
私は後ろから
不揃いのひとつひとつを楽しみながら
あんたについて行く
来る途中
畑にいたおばあさんからのいただきもの
苺をくるんだハンカチーフを手に提げて
東洋のミューズってええやんか と
寺に向う
あんたは
片方の手で拂っていた草の葉っぱを
指の間に残したまま
カメラに向って
技芸天は 秋篠の女優さまよね と
あのお方のキメのポーズをとる
苺をパクリ
踵をかえして
雲雀も小躍りして鳴く秋篠の小径を
私におかまいなしに
さっささっさと行きなさる
黒髪を盛りあげた紫紅のシュシュが
たまゆら 薔薇を装うのも
思い過ごしか と
私は後ろから
不揃いのひとつひとつを楽しみながら
あんたについて行く