週末の選択
海底の藻にからまったまま
磯に打ち上げられた魚よ
千畳敷に叩きつけられた波は
怒号となって飛散している
聞く耳を持たぬ おまえ
断崖でハマギクはふるえている
花は瞬間 おまえを見たであろうか
まだ半年も経っていない
畳を入れ替えたばかりの部屋を出て
二度目の選択で
ついに死を完結した おまえ
おまえは ツチノコじゃなかったのかい
何もないことのほうがしあわせ
そっちばかり向いていたあんたには
どんな言葉も無力だった
光がつくった闇
闇から闇へ
つんのめっていった孤独は
深海のオブジェに跳んだ
みたび戻ってくることはなった
そのまま藻にくるまれて
海底のツチノコでよかった