オカンとワンコ

過去と他人は変えられない 自分と未来は変えられる

「夜明けのすべて」と「百瀬、こっちを向いて」

2021年11月13日 17時58分49秒 | 読書
以下は雑誌の投稿の抜粋から。
母親にお使いを頼まれた姉が「生理だから行かない」と返事。
弟に頼むと「生理は病気じゃないのに」とむくれる。
その返事を聞いた父は、
濡れたタオルを弟のパンツに挟んで歩かせた。
弟は気持ち悪いのを実感したという内容です。
随分昔に読んだ投稿だけど、あの時代にお父さん、グッジョブです!
近頃、NHKでも特集をしていますね。
それが頭の片隅に残っていて読んだのが、
一冊目の瀬尾まいこの「夜明けのすべて」

表表紙裏の引用
藤沢美紗 28歳 PMS(月経前症候群)
山添君が発作を起こす姿を見るまで、
彼がパニック障害だったことにまったく気づかなかった。
どうして私は簡単に、彼のことを
やる気のない人間だと決めてかかっていたのだろう。

裏表紙裏の引用
山添孝俊 25歳 パニック障害
PMSよりパニック障害のほうがつらいに決まっている。
いや、はたして、本当にそうだろうか。
俺はPMSどころか生理のことも知らない。
実際は想像以上にしんどいのかもしれない。

重い内容かと思いきや、所々で笑いを誘われました。
元は大手の企業に勤めていた二人は障碍のために退職し、
比較的のんびりした小さい会社に入りました。
二人以外の社員は社長含め年齢高め。

山添君はなぜか藤沢さんの症状が現れるのを予知出来て、
空き地に連れ出し雑草を引き抜くことで怒りの発作を逸します。

藤沢さんは山添君が障碍のため美容院の椅子に座れず、
伸び放題になっていた山添君の髪をカットします。
この下りが、もう可笑しくてね。
夜中に笑う不気味なオカンでした。

好きとかではなく、お互いをなんとなくほっとけない。
仕事だってやる気が無いわけではない。
そんな二人のさきには……
(ニッコリ)



二冊目は中田永一の「百瀬、こっちを向いて。」
覆面作家さんだそうですよ。
4部の短編から成ります。


表題作
幼なじみの先輩に頼まれて、
偽装カップルを装ううちに、
本当に惹かれてしまった先輩の浮気相手。

なみうちぎわ
高校一年のとき、海の事故で遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)になり、
5年後に目覚めた少女は21歳になっていた。
すっかり変わってしまった周りの状況に戸惑う主人公。

キャベツ畑に彼の声
文字起こし中に聞いたテープの声は知っている人にそっくり。
覆面作家と、それをさぐる少女のはなし。

小梅が通る
人目をひく容貌故に傷つき、
転校を機にブスメイクを施し、
ひたすら人目をひかないよう気をつけていたのに、
素顔を同級生に見られとっさに「妹です」と嘘を付く主人公。

四人とも高校生の話でね。
オカンの歳でも当時の感情が蘇るのでした。

オカンだって青春はあったですからね。