
異容量V結線変圧器50kVA(電灯負荷)+10kVA(動力負荷)の最大負担kVA表。

共用50kVA、専用10kVAを入力すると上の表数値と一致しているのでエクセル計算は間違い無い。

この一般的な変圧器構成、動力変圧器100kVA、電灯変圧器50kVAを異容量V結線変圧器に変更(減設)。

先の表数値確認のため50kVAと入力したが実際の変圧器容量は40kVAなので三相負荷は変化せず単相負荷だけ10kVA減となっている。

変圧器の過負荷耐量は柱上変圧器同様200%??(地上高あるので自然冷却の風が有る)、もっとも変圧器脇に風を送るファンは必須アイテム。

18年前に測定したトランスモニターでの数値だが、設備が要求しているkVAはMAXで44kVAとある。ムリムリの200%??過負荷対応仕様でも、まだまだ不足している。
多分、当時の減設業者も50kW未満の非自家用とデマンド契約回避を狙ったが電力会社も高圧受電の全てに最大使用電力値(デマンド値)契約となり計量器を交換したため減設で一儲けしたワケの判らない無謀な業者は消滅してしまった。
保安管理技術者にも内緒で社長に話してアッと言う間に変圧器交換、電話があった時には遅し...色々あった。

左40kVA変圧器と右10kVA変圧器の銘板。
その後、撤退し別の会社が入った時に40kVAを電灯変圧器とし新規に75kVA動力変圧器を入れる工事を行って異容量V結線変圧器の構成は無くなったが10年前に会社倒産、関係は無くなった。

トランスモニターでの現状数値を入力すると60+30kVAは必要な計算だが、もっとも素人電気工事ヤが東京で高額セミナーを受講し7つ道具(松下のトランスモニター他)買わされ全国に散らばった。
電気料金削減の話にのった社長もアホーだが工事屋もリスク怖く無かったものやら...。

R-S間に500μF.200V低圧進相コンデンサを入れる訳...今で言う古池みどりバァさんが得意の奇策結線方式か。
この減設した変圧器内部には油劣化防止の活性アルミナ袋を入れるのが定番仕様だ。

もっとも我々も変圧器稼働の現状把握するためトランスモニターを購入、可能な限りヒックリ返してやったが、最大使用電力値(デマンド値)契約が進み1~2事業所程度が影響受けたが程なく終息した。
このトランスモニターは変圧器稼働の現状把握には便利だがたまに、負荷増設計画には調査として使用している。とっくの昔に製造中止となったがヘタなデジタル多機能電力測定などよりは良い測定器だ。
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一般に三相負荷と単相負荷に電力を供給するには三相変圧器と単相変圧器を使用するが、その場合に比べて異容量V‐V 結線方式には次のようなメリットがある。
1.単相変圧器による異容量 V‐V 結線方式は特に三相(動力)負荷と単相(電灯)負荷との力率が相違する場合または不等率が大きい場合に変圧器の総定格容量を低くできる効果があり、重量・容積面でも有利になる。
2.従前、小規模自家用需要家は変圧器の総定格容量によって電力料金の基本料金が決まる制度になっていたので前述の効果からそのメリットを享受できた。
現在は実量値契約に変更され、この面では意味は薄らいだが少なくとも無負荷損の低減には寄与する。
3.柱上に設ける場合、電柱を中心にして単相変圧器を左右にバランスして配置でき、安定して設置できる。
4.将来増容量する際にもう1個単相変圧器を入れることによって三相用、単相用とも対応できる。
なお、この結線方式は三相交流電圧が不平衡になるおそれがあるので留意する必要がある。
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現在の負荷設備内容を考えると昔と異なり自家用キュービクルV接続など化石みたいなものとなった。
電力会社等の柱上変圧器にある程度、工事やも理解せず誤接続やり200Vを入れ家庭のコンセント機器をパーとした事例も多くあった。
一般家庭用に供給している柱上変圧器の過負荷容量は風等の冷却環境も良いので200%以上??でもOK、殆ど電灯負荷でも有りTakVA共用はTbkVA専用より大きな容量kVAとなる。

上は単相変圧器10kVA、下は単相変圧器40kVAの中身で同じく中に活性アルミナ袋が入っている。

結構な過負荷だったが油の劣化は無し新油同様で綺麗だ。
配線等は誤結線なければOK程度の雑な工事で素人感が出ているが後の祭り...時の業者は結構、儲かった様だ。