以前から本ブログでも
「エリアルール」について触れています。
このエリアルールというのは何なのか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB
Wikipediaの記述はやや専門的ですので
イメージをお話しします。
ものが高速で移動すると必ずそこにある空気を押しのけて、
進むことになります。
高速であればその切り裂き方は
スピードの遅いときと比べてその切り裂き具合が変わってくるだろうと言うことは、
おわかりになるかと思われます。
機体を機首の部分から順に輪切りにしていくことを考えます。
すると徐々にその面積は広がっていき、
主翼が広がるあたりで急速にその面積は広がります。
これは直感的に分かるかと思いますが、
その輪切りの面積の変わり方が緩やかな方が、
抵抗を受けにくくなります。
ものは緩やかな変化の方が、割とすんなりというイメージです。
これが簡単なイメージです。
これを747を用いて具体的に説明します。
747 SPという機体があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747-SP
SPは重量を減らし、航続距離を増やすために、
長さを切り詰めています。
すると2階席(アッパーデッキ)が旧型のジャンボの中では、
比較的主翼に近くなります。
するとちょうど2階席がなくなるあたりで、
主翼がひろがるため、
輪切りにすると面積の変わり方が緩やかになります。
空気力学的には、けがの功名で良かったわけです。
そこでそれを利用してアッパーデッキを延長できると考えたのが
747-300です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747-300
重量は増えますが、
空気力学的にはかえって有利です。
この考え方が747-400にも747-8ICにも
引き継がれています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747-400
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747-8
計画段階の767はこれを逆に考え、
主翼の取り付け部分の胴体部くびれさせることまで検討していたようです。
このようにかなり有益な研究成果です。