A350-1000

A350-1000

日本でのテクニカルランディング

2013-03-02 | 航空機

テクニカルランディングに触れたため、
日本の国内線のテクニカルランディングについて。


まもなくなくなると思いますが、
石垣 -> 宮古 -> 羽田
が現在そうせざるを得ない路線です。


以前本ブログで触れたとおり、
石垣島の現在の空港(2013年3月 新空港開港予定)は、
大変滑走路が短く、着陸もスリリングです。


裏を返せば、離陸に利用できる滑走路長が短く、
羽田行きは十分な燃料を搭載すると重くなりすぎ、
離陸が十分にできません。


そこで宮古島に立ち寄り、
そこで給油の後改めて羽田に向かっています。


それも今月で見納めです。


まもなく終わる現石垣空港の懐かしい光景をおもいだしつつ。


てく

東京 - ニューヨーク直行便

2013-03-02 | 航空機

東京 - ニューヨーク直行便には変わった歴史があります。


航空を本業とされる方やコアなファンの方には
知られた話ですが、
つい30年ほど前までは特殊仕様の一部の機体のみが
直行便として飛べる状態でした。


その歴史をひもとくと


1. Boeing 747 SP


従来はアンカレッジなどで一旦着陸し給油
(これをテクニカルランディングといいます)
を経て再度目的地に向かっていました。


パンナムの要請により、
747の短胴型である、747-SPを作り、
機体重量を減らした分航続距離を長くすることとしました。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747-SP


こうした特別仕様の機体によりやっと実現できる時代がありました。


2. 747-200 + JT9D-7R4G2


747-200はいわゆる昔ながらの
アッパーデッキの短い国際線用の747です。


通常の747-200では、
無論東京-ニューヨーク間の無着陸飛行はできませんでした。


本ブログの「エリアルール」で触れた、
747-300というアッパーデッキの長い747の開発に伴って、
派生する形で生まれました。


747-300はアッパーデッキが長い分重量が重くなります。
空気力学的に有利でも重量は重くなりますので
従来の747-200より強力なエンジンが必要になります。


そこでJT9D-7シリーズの派生系として
JT9D-7R4G2エンジンが開発されました。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BCJT9D


この強化されたエンジンを
従来型のアッパーデッキの短い(重量の軽い)747-200に装着し、
燃料タンクを追加することにより、
東京-ニューヨーク直行便仕様の、
747-200が生まれたわけです。


作られたのは10機もなかったはずです。


日本ではパンナムに対抗するために
JALが3機のみ"Exective Express"として、
導入しました。


アメリカでは旧ノースウェストやユナイテッドに数機ずつがあるのみ。

747-400となってからは"Big Apple Express"として改称されました。


※Big Apple = ニューヨークの英語での愛称
                     Jazzでも"Big Apple Jam"などという曲があります。


当時のCMとして、
ボーカルグループ "サーカス"の「アメリカンフィーリング」を、
ご記憶の方もいらっしゃるかと思われます。


3. 747-400


グラスコックピット化された747は当然飛べる時代がやって参りました。


4. 777-300ER


本ブログの題名でもある、
長距離便の現在の代名詞たる777-300ERが現在の主役です。


今や双発機が飛ぶ時代です。


その歴史はかなりの変遷と
技術革新が見え隠れします。



2men crew

2013-03-02 | 航空機

なぜ操縦士は最低二人いるのか。


これは航空の基本中の基本です。


たとえ訓練されたパイロットといえども、
誤認や操縦ミスが起こります。


人間である以上は必ず発生します。


根性論で行くと「なんとかしろ」というところでしょうが、
所詮人間ですので限界があります。
生き物ですから当たり前です。


そこで、操縦士を二人おき、
相互にチェックを行います。


一方が声に出して操縦内容を言うと
もう一人が復唱。


そして現在ただいまどちらが操縦しているかを明確にするため、
You have.(あなたが操縦しています)
I have.(私が操縦しています)


必ずどちらが操縦桿を握っているかを明確にして、
誤認を防ぎます。


人間は過ちを犯すという基本的な前提に立っているからです。


ここまで書いて、
一人で仕事を、特に一人プロジェクトというものが
どれだけ危険かおわかりになるかと思います。


人間が必ず犯す「過ち」をただしてくれる存在がないことが
一人プロジェクトの問題点です。


世の中それすらままならない、
その危険性にすら気がつかないのが現状です。