友達の”合コン”話 その７

毎回、少ししか話が進まなくて…「結末がどうなるのかを早く知りたくなってきた」とのご意見も聞こえてきた中で、今日も行ってみましょう！『友達の”合コン”話　その７』！！

グリーン手前のガードバンカーで、ドシッ！ドスン！と、何回もたたいた結果、８番ホールのＳさんのスコアは、なんと１０！！
お陰で、それなりさんのスコアを追い抜くことができた。
スコアカードのＳさんの欄に、１０と書き込みながら、「バンカー、苦手なんですか？」と、マジで気の毒そうな顔をして尋ねてきた、それなりさん。
「あなたのスコア、分かっていたから追い抜いてあげたのよ」と、喉元まで出かかった言葉を、ブリブリぶりっ子の表情を浮かべて、グッと飲み込み、「そうなんですぅ、バンカーって苦手なんですよねぇ。練習できる機会もそんなに無いしぃ。」なんて、のたまったそうな…。
（えぇっ！！うそつけ！！Ｓさんが本当に使っているサンド、ソールの文字が磨り減って、消えているんじゃなかったのかっ！！）
さらに、「１０もたたいてしまったこと、残念ですぅ」と、偽りの悲しそうな表情を見せながら、「バンカーから脱出するのって、結構、パワーが要ります？」なんて、それなりさんに、質問まで浴びせかけたそうな。
そしたら、それなりさん、頬に少～し嬉しそうな笑みを浮かべながら、「僕は、そんなにパワーが要るとは思いません…。でも、女性の力だったら、しっかり使って打った方が良いのかもしれませんね。」なんて、Ｓさんが、か弱き女性であることを全く疑わずに、そう答えたらしい。
「女性の力でも、そんなにパワーの要るショットじゃないと思うけどな…」と、心の中では思いつつ、「そうなんですか～、やっぱりパワー不足かなぁ」なんて、それなりさんの答えたことを、否定もせずに、「ふ～ん」と、素直に聞いておいたらしい。

この８番での１０が有ったおかげで、前半のハーフ終わってのスコアは、Ｓさん５４。
それなりさんは、５２。
２打差がついて、Ｓさん自身も、「これで、それなりさんの男としてのプライドやゴルファーとしての面目を傷つけることなく済んだんじゃないかなぁ。今日は、私、ゴルフをはじめて３年の女の子だし…」と思ったらしい。

そして、ランチタイム。
いつもは、ハーフを上がったら「あぁ～、おなかすいた～！」と、そのままレストランに直行するＳさんなのに、この日ばかりは、ロッカーに戻って、お化粧直し。
厚く塗りたくっていたファンデーションは、はげてないか？
いつもはつけないマスカラが、睫毛の上で無事かどうか？
汗を拭き取り、爽やかな笑顔で、「お待たせしましたぁ」と、お二人の男性が待っている席へ…。

４人の中で一番良いスコアだったそれなりさんは、ニコニコ顔。
Ｓさんに負けてしまった、あっちこっちさんは、焦り顔。
当然、二人の女の子に、積極的に話しかけて来るのは、それなりさん。
「ゴルフをはじめて３年で、ボギーやダボをたくさんとれるのは、たいしたもんだ」と、Ｓさんのことを褒めてもくれた。
「いえ、それほどでも～」と、恥ずかしそうに照れるように言いながらも、「後半は、７とか８とかのスコアも織り交ぜるべきかなぁ？」なんて、思ったとか。

また、たたいてしまったあっちこっちさんには、「おまえ、Ｓさんの振り方を少し見習ったら。軽～くスムーズに振っているから、曲がらない。おまえ、ボール打つ時、力入れ過ぎ、りきみ過ぎなんや～」などとも言ったそう。
そう言われたあっちこっちさん。
「そうやなぁ、見習わないとなぁ」と言いつつ、Ｓさんの方に、チッラッ、チッラッと、視線を送って来たのだとか…！？