ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

ゴルフレッスンのこと、スイング理論(ゴルフスイング体操)のこと、日常でのこと、色々、時々、書いています

量より質

2005年12月30日 | ゴルフの空 その1
宝松苑AAMゴルフスクールの、もうひとつの特徴は、一時間半のレッスン時間中、ボールは打ち放題。
ボールを打ち放題にした理由は、モーションアナライザー(映像機)を使用する際、機器の設置されている打席は1つで、この打席でないと映像機が使えないために、どなたにどの打席を使って頂いても、不公平が無いようにするためである。

スクールを開講してみると…ボール打ち放題のため、「1球でも多く打たなきゃ損!」と、思われるのかどうか、ボールの打ち方が“雑”になっている傾向が有るように思った。
気持ちは分かるけれど、これは、ちょっと良くない傾向かなと思う。

上達して行くためには、練習の“量”と“質”が大事。
でも、練習出来る時間の限られているアマチュアの方の場合は、量と質なら、質を大事にした方が良い。
矢継ぎ早に、ボールをドンドン打つことは、スイングのフォームを乱しかねないし、例え、スイングを修正しようとしても、また、元通りの(修正前の)スイングを行ってしまっている可能性が強くなる。
1球でも多く打とうとする心構えは良いとしても「打たなきゃ損!」みたな気持ちでドンドン打つことは、あまり良い練習になるとは思えない。
ゴルフスイングは、スタンスのどの場所にボールを置くかだけでも、本来は、弾道が変わる。
「打たなきゃ損!」みたいにドンドン打っていて、果たして、そのボールの置く位置やターゲットに対するスタンスの向き、また、クラブの置き方などは、キチンと整うのだろうか?と思ってしまう。

宝松苑ゴルフセンターでは、ウィークデーの午後7時までに入場なさった場合、“1時間半打ち放題”の料金を設定している。
1時間半で、どれくらいの玉数を打たれるのかなぁ~と、見ている時が有るのだが、ある時、驚いたことに600球ほど打った方がいらっしゃった。
「600球?!ボールを捨てているのと同じやな。玉数は打ったかもしれないけれど、”練習”になっていないやろうな」と思ったことが有る。
1時間半で、これだけの玉数を打っても、後に残るのは、「打ったぞ!」と思う、勝ち誇ったような満足感と疲労だけではないかと思った。

私も、1日に800球程打っていたことが有るが、時間にすると、5時間半~6時間くらいかかっていた。
800球打とうと思えば、これくらいの時間はかかると思う。
この玉数を打っていたのは、自分なりのスイングが出来上がってきて、それを身に染み込ませようとする段階の時であった。
また、置いたボールに対して、自然に身体が反応するようにして行く段階の時だった。

私の練習の経験からすると、5~6時間で800球と言うことは、1時間で約130~160球。1時間半でなら、200~240球。
この数字は、自分なりのスイングが出来上がり、あまり休憩もしないで頑張って打った場合。
これ以上だと、やはり打ち方が“雑”になっている可能性も有ると思う。
アプローチのみを、1時間半コツンコツンと練習した場合は、もう少し玉数も増えるかもしれないが…。
スイングを覚える段階の方、また、修正しようとなさっている段階の方なら、1時間半で、200~240球以下の玉数でも悪くないと思う。

1球1球、丁寧に、思いを込めて打たないと上達しない。
足踏みしながら、6~7個並べたボールを次々と打って、スイングのリズムを良くして行くドリルは有っても、コースに出て、何個も次々に打つことは無いのだから、同じ時間練習するなら、やはり“量”より“質”なのではないだろうか?

レッスンの時のボールは、打ち放題。
「1球、1球を丁寧に!」との言葉がけは、打ち放題をケチっているのではない。
玉数を気にせず、思う存分打って頂きたいのだが…。
「打たなきゃ損!」みたいに思われてしまうのは、本意ではない。

来期は、“ボール打ち放題”を、スクール受講生の方々に、どう印象付けるかが、課題のひとつになりそうである。

…「練習場では良いボールを打てるのに、どうして、コースに出ると、練習場で打っているようなボールが打てないのだろう?」と思っておられる方は、練習場で打っている時の1球に対する”注意力”に意識を向けてみては、どうでしょうか?
練習場とコースの違いとして、そのひとつに、プレッシャーの有無が挙げられる。
どうして、コースで打つ時の方が、プレッシャーがかかるのか?
それは、受ける”罰”の違い。
練習場でミスショットを打っても、特に何の”罰”も受けない。
「あぁ、失敗したぁ」「もう一回っ!」それだけで済む。
だけど、コースに出てミスショットをすれば、OBとか池とか谷とか、スコアに関わる”罰”が待っている。
だから、「失敗したら、”罰”を受ける」そういうことが頭をかすめるため、思うように身体が動かず、身体が硬くなって、余計に”失敗”に繋がってしまう。
こういう”失敗”から回避して行くには、練習場でも1球に対するプレッシャーを自分で自分にかけてみること。
あの場所を狙って打ってみよう。
あの場所に打つには、このクラブをこう構えて、身体やスタンスの向きは、このようにして、スタンスに対するボールの位置はここで…など、1ショットを”成功”させる手順を踏みつつ練習しておき、どうすれば、”成功”するのかを実験しながら、覚えておくこと。
こういう練習が、量より質の練習で、コースに出たときに”生きる”練習だと思う。

これまでレッスンしてきた中で、「コースに出たら、練習場で打っているようなボールが打てない」とおっしゃる方の多くは、見ていると、練習場でのボールの打ち方が、無造作で雑。
「どうして、コースに出たら、練習場で打っているようなボールが打てないのだろう?」と言う悩みを抱えてしまうなら、練習場での練習の仕方を見直してみてはどうでしょうか?

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2 コメント

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こんにちは (ハニーミルク)
2005-12-30 10:54:37
K先生のおっしゃること、よーくわかります!

私の3年間の練習場でのボールの打数遍歴:『これでもか』と納得するまで夢中で打ち続けていた1年目から、その日の課題を持って練習に行き、ショットの状態を理解して、『今日のところはこんなものだわ』と思えるようになった今年までのことが思い出されます。

私のホーム練習場は、河川敷にあり屋根がないので広々としています。打つボールの設置も手作業ですし、アプローチ練習は、ボールを拾って何回も繰り返せるのがいいんです。今風ではないので、平日はお客さんも少なく(..)私の居心地のいい場所です。ただひとつの難点は、日焼けすること。地黒に加えて長年のテニス焼け、そこに河原焼けが加わって、一見ベテランゴルファー、ラウンドした同伴者『...?』(笑)の一年でした。

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練習遍歴 ()
2005-12-31 00:27:34
ハニーミルクさん

確かに、練習遍歴なんてものも有るかもしれないですね。

私も、クラブをはじめて握った最初の頃は…。

う~ん?よく空振りしました

「何で、当たらないのか?」と、ムキになって、クラブを振ったのを、思い出します。

ドシンとダフッて、ボールはそこに、、マットが飛びそうに、、そして、手がビリビリ…

不満と不服感の残る練習でした。アハッ



河川敷で屋根の無い練習場?

楽しそうですね。

また、来年もホーム練習場で、腕を磨いて下さいね!

来年も、また、コメント、よろしくお願い致します。
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