ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

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「自分探し」って!?

2011年10月23日 | 読書 ・鑑賞・観劇録
内田樹さんの本を読んでいたら、茂木健一郎さんの本にも有った「自分探し」という言葉が出てきた。

「自分探し」について、まず茂木健一郎さんは…、
『「自分探し」という言葉をよく聞きますが、この聞こえのいい言葉に惑わされるのが間違いのもと。自分なんか探したって見つかりません。それはつくっていくものだからです。

「こんな自分は本当の自分じゃない」「自分のしたいことがわからない」などと言っている人に限って、あれこれいう前にとりあえず「何かをやってみる」ことがありません。
最初はどんなことでも緊張します。無理をしたり、失敗をしたり、ダメな自分を思い知らされたり……すべて当たり前のことです。』

そして、内田樹さんは…、
『「自分探し」というのは、自己評価と外部評価のあいだにのりこえがたい「ずれ」がある人に固有の出来事だと言うことができます。
自己評価の方が外部評価よりも高い。人間はだいたいそうですから、そのこと自体は別に問題にするにはあたりません。その場合に、自分でも納得のゆくくらいの敬意や威信を獲得するように外部評価の好転に努める、というのがふつうの人間的成長の行程であるわけです。
…ですから、「自分探し」という行為がほんとうにありうるとしたら、それは「私自身を含むネットワークはどのような構造をもち、その中で私はどのような機能を担っているのか?」という問いのかたちをとるはずです。
しかし、僕たちが知っている「自分探し」主義者たちが口にする問いはそういうものではありません。彼らの視線は自分の外ではなく、ひたすら自分の内側に向かいます。まるで、彼ら彼女ら自身がなにものであり、この世界でなすべきことがなにであるかの回答のすべてが、自分の中に書いてあるかのように。』
と書いておられた。

お二人とも、「自分探し」や「自分探しの旅に出ること」については否定的。
自分なんて、自分の中に探したって、見つからない。
他者とか社会と関わっているうちに、見つかるものであり、分かるもの。
また、その中でつくっていくものだというお考えのようだ。

若いうちは、まだ自分の可能性や人生の選択肢も、色々と有るから、迷ったり悩んだりすることもある。
お二人とも、大学の教授でいらっしゃるので、そういう若い人を、たくさんご覧になっておられるのかもしれない。
それ故の言葉だと思う。

お二人のこの言葉。
厳しい言葉のようにも感じられるが、図星だと、私も思う。

「自分は一体、何者なのか?」「自分は一体、何をしたいのか?」を自分に問いかけ、答えを出せずにいる若い人たちを前にして、“言ってあげられる言葉”として、適切だと思う。
その答えは、自分の内側に有るのではなく、外側に有るのだよ…と。

こういう答えやヒントをあげられずに、若い人と一緒になって「何がしたいの~?」なんて尋ねることしかできない大人がいたとしたら、その人は、“甘過ぎる”。
考え方や認識が甘過ぎるか、その若い人に対して、下心とでも言える恋愛感情を持っているから“甘くならざるをえない”のどちらかだろう…と思えるくらい。

内田樹さんは、さらに…
『「自分はほんとうはなにものなのか?」「自分はほんとうはなにをしたいのか?」
ちょっと申し上げにくいですが、このような問いを軽々に口にする人間が人格的に成長する可能性はあまり高くありません。』
と、とても厳しい言葉をズバリと書いておられた…。

この言葉を読んで、すごく耳が痛いと感じる人もいるかもしれないが、これは、もっともなご意見。

こういう悩みは、自分の内側に答えなんて無いから、悩み出したら、悶々と悩み続けることになる。
不毛なことだとも気付かずに…。
だったら、その悩んでいる月日が勿体ない期間になるから、とりあえず、目を覚ましてもらわないといけない。
そのためには、これくらいの厳しい言葉も必要。
非常に“愛情”の有る言葉だと、私は思う。

悶々とした悩みをずっと抱えていても輝けない。
“自分の実像”が見えないから、“自分を磨く”こともできず、どう努力して良いかも分からないという状況に陥り、心のどこかで、ずっと不充足感を感じながら、年月を過ごしてしまうことになる。

そのことを分かった上で、今、これとよく似たことで悩んでいる人がいれば…、上記の茂木健一郎さんや内田樹さんが書いておられる内容や意味をよく理解し、「自分は一体、何者なのか?」「自分は一体、何がしたいのか?」のその答えは、自分の内側に有るのではなく、外側に見付けに行くものだと知って欲しい。
自分の内側には、答えは無いと…。

『「人間はその労働を通じて、自分を発見し、自分を実現する。労働以前において、人間は自分が誰であるかを知らないし、現に何ものでもない。人間は労働を始点にして存在し始める」』

これは、内田樹さんの書いておられた言葉だが…。

悩める若い人たちよ、頑張れ~!p(^^)q
って思った「自分探し」についてでした。
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