米国国立科学財団(National Science Foundation:NSF)は10月13日、マリネット造船所(Marinette Marine Corporation:MMC、ウィスコンシン州マリネット)及びアラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska, Fairbanks:UAF)と共同で、世界最大規模の次世代研究船「シクーリアック(Sikuliaq)」を進水させた。
「シクーリアック」の設計は、2004年に完成していたが、建造自体は2011年4月に始まっている。同船は2014年1月までには運用を開始する予定で就役する期間は30年とされている。1966年に建造された現用の「R/Vαヘリックス」北極調査船は、「シクーリアック同船の就役ながら、既に2007年8月に売却されている。
「シクーリアック」は全長80メートル、幅16メートルで排水量3724トン。5750馬力×4基のディーゼルエンジンで80センチ以上の氷を砕氷する。最大速度は14.2ノット。18,000海里(33,000キロメートル)を航行することができる。
「シクーリアック」船は、オバマ政権第一期の米国再生・再投資法(American Recovery and Reinvestment Act:ARRA)を利用して最高額の2億ドルをかけて建造されたもので、UAFの水産学部(School of Fisheries)及び海洋科学部(School of Ocean Sciences)が、米国学術研究船団(U.S. Academic Research Fleet)が操船する。
同船は、日本の大深度調査船「ちきゅう」と同様に国際研究船であり、年間約500人の研究者を乗せて北極圏で最長270日間の連続しての長期活動が可能であり、北極海域の調査研究活動において大きな役割を果たすだろう。
前述の通り2014年に就役するが、第1回の航海は、UAFのスワード海洋センター(Seward Marine Center、アラスカ州スワード)からする科学ミッションとなるようだ。