3月に出たトランプ政権の2018年予算案をチェックしていると、予想通りエネルギー省予算案は大幅削減。以外だったのは国立衛星研究所(NIH)の予算が20%程削減されている点だ。驚いた。
エネルギー省(DOE)の国家核安全保障局(NNSA)の予算は約11%引き上げられる。片やDARPAを模倣したエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)は廃止される。また、同省の再生可能エネルギー、エネルギー効率、化石燃料、原子力、電力網関連の研究開発も累計で45%削減。オバマ政権当初のグリーンニューディールとやらでスマートグリッドなどが注目されたが、当初からバカバカしい政策だと思っていたが、削減されて当然だ。
国立衛生研究所(NIH)は、259億ドルに削減される。また、巨大組織で様々な研究所がぶら下がっているNIHは、大幅再編の危機に瀕している。この再編で、フォガーティ国際センターなど幾つかの組織はの廃止される予定で「疾病管理・予防センター」なども改革対象。
米航空宇宙局(NASA)は影響が少ない。1%程度の削減なので誤差の範囲内。オバマ政権の小惑星サンプル・リターン・ミッション(ARM)は中止で、RESTORE-L(燃料補給人工衛星)ミッションは大幅見直しの対象。NASAの航空機研究は2.5%の削減。NASANASA教育局は廃止。
海洋大気局(NOAA)は、2億5,000万ドルの削減で、Polar Follow Onイニシアティブは中止で、今後は民間におまかせ。気象研究・予測イノベーション法による地球観測シミュレーションとかや次世代気象専門のスパコンとモデリング・シュミレーションは機能強化される。また海洋・大気研究局に新規2,000万ドルの技術移転イニシアティブが創設される。最大の影響は、気候変動プログラムの大規模な見直しか中止で、気象衛星システムの運用コスト等の削減で数億ドル浮かせる予定。
何れにせよ、削減対象のプロジェクトに所属する研究者には気の毒なことだ。