過去ブログ「ミャンマーのラカイン州問題 ~さまよえるロヒンギャ族~」でも書いたが、ミャンマーでは民族紛争が絶えない。
5月28日にもミャンマーの東部シャン州ラーショーで、仏教徒がイスラム教モスクや学校に放火するなど、宗教の違いから来る騒動が起こっており、ラーショーには夜間外出禁止令が出され、5月30日、外務省も注意喚起を出している状況。
そんな中、ラカイン州のマウンドー県当局が、イスラム教を信望するロヒンギャ族に対し、子供を2人に制限する施策を打ち出している。昨年のラカイン州での大規模な紛争を調査した調査委員会が、ロヒンギャ族の急激な人口増加が、仏教徒住民を不安に陥れた事が原因の一つだと指摘しており、マウンドー県は、この勧告に沿った対応だと説明している。しかし、ロヒンギャ族だけに産児制限を設けることは、新たな紛争の種を蒔くことになりはしないか??
ラカイン州では、民族・宗教紛争の根本的解決には程遠い状況に打つ手が無いが、ミャンマー政府は、カチン独立軍(KIA)と停戦合意に達し、5月30日、合意文書に調印している。ミャンマー政府は、カチン族との交渉から中国を排除する事に注力し、ミャンマー国民同士での解決を目指しており、中国排除政策は、今のところうまく行っているように見える。しかし予断は許さない。親中国のカチン族を動員して、ミャンマー政府とKIAが直接交渉するのを阻止し、影響力を保持しようとするだろう。今まではKIAとの交渉は全て中国領内で行われている。ミャンマー政府は、1万以上の兵力を有するミャンマー第2の武装勢力であるKIAとの最終的な和解に向けて、今月ミッチーナーで中国を排除して会議を開催する。2011年6月以降の政府軍とKIAと戦闘状態の解消を目指す。
EU加盟を目指すトルコがPKKと停戦に合意した事と同様に、ミャンマーが経済成長モードに移行するには、国内の武装勢力との停戦が欠かせない。テイン・セイン政権は、国内の少数民族武装勢力との間で停戦を成立させてきており、残る最大障害であるKIAとの停戦は極めて重要である。しかしカチン族が要求している自治権の拡大に関しては、中国国境に直接、接しているので、単純に自治権の拡大を認めるのは、将来的な離反・独立という紛争へエスカレートする可能性が高くなるので、慎重な対話と対応が必要。
さて、ロヒンギャ族のいるラカイン州から、カチン族のカチン州を経由して中国の雲南省瑞麗市に至るガスパイプラインの運用開始が大きく遅れそうだ。このパイプラインは、中国石油天然ガス集団がラカイン州チャオピューから中国まで建設を進めている天然ガスパイプラインで、建設が予定通りには進んでい。
それとパイプライン建設に並行して鉄道建設プロジェクトが計画されている。
この鉄道は、全長868km、79の駅、409の橋梁、101のトンネルが建設されるが、全て中国の出資による。これが何を意味するかはミャンマー政府は明確に理解している。しかし既にプロジェクト同意書(MOA)調印を控えている状況にあるが、沿線地域では不安・不信が高まっている。中国企業が一方的にパイプライン建設を行っている中、土地提供金の支払いが確定していなし、中国の杜撰なパイプライン建設に伴う環境破壊、中国人キャンプ地との軋轢など、問題課題が山積の状態で、更に鉄道も敷設すると言う~今、ミャンマー政府の統治能力が問われている。
この事態を放置すれば、今までの少数民族武装勢力との停戦に向けた努力が雲散霧消する可能性も否定出来ない。中国としては新援蒋ルートを確保したいのだろうが、米国、日本、インドが黙ってません。パイプライン建設については、ミャンマー北部でカチン族が妨害活動を展開しているとの情報もある。資金の出所は勿論だ。
過去ブログもご参照→「ミャンマーから中国への石油・ガスパイプライン敷設」
5月28日にもミャンマーの東部シャン州ラーショーで、仏教徒がイスラム教モスクや学校に放火するなど、宗教の違いから来る騒動が起こっており、ラーショーには夜間外出禁止令が出され、5月30日、外務省も注意喚起を出している状況。
そんな中、ラカイン州のマウンドー県当局が、イスラム教を信望するロヒンギャ族に対し、子供を2人に制限する施策を打ち出している。昨年のラカイン州での大規模な紛争を調査した調査委員会が、ロヒンギャ族の急激な人口増加が、仏教徒住民を不安に陥れた事が原因の一つだと指摘しており、マウンドー県は、この勧告に沿った対応だと説明している。しかし、ロヒンギャ族だけに産児制限を設けることは、新たな紛争の種を蒔くことになりはしないか??
ラカイン州では、民族・宗教紛争の根本的解決には程遠い状況に打つ手が無いが、ミャンマー政府は、カチン独立軍(KIA)と停戦合意に達し、5月30日、合意文書に調印している。ミャンマー政府は、カチン族との交渉から中国を排除する事に注力し、ミャンマー国民同士での解決を目指しており、中国排除政策は、今のところうまく行っているように見える。しかし予断は許さない。親中国のカチン族を動員して、ミャンマー政府とKIAが直接交渉するのを阻止し、影響力を保持しようとするだろう。今まではKIAとの交渉は全て中国領内で行われている。ミャンマー政府は、1万以上の兵力を有するミャンマー第2の武装勢力であるKIAとの最終的な和解に向けて、今月ミッチーナーで中国を排除して会議を開催する。2011年6月以降の政府軍とKIAと戦闘状態の解消を目指す。
EU加盟を目指すトルコがPKKと停戦に合意した事と同様に、ミャンマーが経済成長モードに移行するには、国内の武装勢力との停戦が欠かせない。テイン・セイン政権は、国内の少数民族武装勢力との間で停戦を成立させてきており、残る最大障害であるKIAとの停戦は極めて重要である。しかしカチン族が要求している自治権の拡大に関しては、中国国境に直接、接しているので、単純に自治権の拡大を認めるのは、将来的な離反・独立という紛争へエスカレートする可能性が高くなるので、慎重な対話と対応が必要。
さて、ロヒンギャ族のいるラカイン州から、カチン族のカチン州を経由して中国の雲南省瑞麗市に至るガスパイプラインの運用開始が大きく遅れそうだ。このパイプラインは、中国石油天然ガス集団がラカイン州チャオピューから中国まで建設を進めている天然ガスパイプラインで、建設が予定通りには進んでい。
それとパイプライン建設に並行して鉄道建設プロジェクトが計画されている。
この鉄道は、全長868km、79の駅、409の橋梁、101のトンネルが建設されるが、全て中国の出資による。これが何を意味するかはミャンマー政府は明確に理解している。しかし既にプロジェクト同意書(MOA)調印を控えている状況にあるが、沿線地域では不安・不信が高まっている。中国企業が一方的にパイプライン建設を行っている中、土地提供金の支払いが確定していなし、中国の杜撰なパイプライン建設に伴う環境破壊、中国人キャンプ地との軋轢など、問題課題が山積の状態で、更に鉄道も敷設すると言う~今、ミャンマー政府の統治能力が問われている。
この事態を放置すれば、今までの少数民族武装勢力との停戦に向けた努力が雲散霧消する可能性も否定出来ない。中国としては新援蒋ルートを確保したいのだろうが、米国、日本、インドが黙ってません。パイプライン建設については、ミャンマー北部でカチン族が妨害活動を展開しているとの情報もある。資金の出所は勿論だ。
過去ブログもご参照→「ミャンマーから中国への石油・ガスパイプライン敷設」