阿部ブログ

日々思うこと

イラクのモスル・ダム崩壊と言う悪夢

2016年08月12日 | 雑感
ISの戦力が低下している。現在まで約45,000人の戦闘員を失っている。現状の戦闘員は、15,000人から30,000人の間と推測されているが、負け戦と資金源の枯渇などで最近はリクルートに大きな問題を生じている。
これからは、モスルとラッカの奪還を確実にする軍事作戦が行われる。

さてイラク北部のモスルには同国最大のモスル・ダムがある。
このダムは、チグリス川に設立された、崩壊寸前の巨大なダムで、まったくいつ崩壊するかわからないらしく、もし崩壊したら、一瞬にしてモスルからバグダッドに住む50万から150万人近くが死亡するとも言われている。つまり、イラク軍が必死にISISを追い出して、町を建て直そうとしているが、ダムの崩壊によって、一瞬にして、押し流されてしまう可能性があるということである。
ダムに最も近い村、ワナの住民は、「ISISも恐いが、ダムの崩壊はもっと恐ろしい。」と話している。
アメリカは、今年2月、この地域に住むアメリカ人に退去勧告を出している。このダムは、1980年、サダム・フセイン時代に作られたダムだが、地層が石膏であるため、水でダムの底が溶けることによって崩壊する可能性があるという。2006年にアメリカ軍工兵隊から「世界で最も危ないダム」と呼ばれるようになっていた。

崩壊を防ぐために、日々のメンテナンス(年間400万ドル)を必要としているのだが、2014年にISISがモスルを支配していた間、全く保守がなされていなかったことから、今はさらに危険な状態になっている。さて、どうなるか?

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