2012年12月21日のブログ「次の戦争に備えるイスラエルと米国の援助」にもあるとおり、米国の軍事援助がある限りイスラエルの戦争能力が低下する事はない。しかし、国家財政は劣化している。今回の「プロテクティブ・エッジ作戦」(Operation Protective Edge)の費用を巡って、財務省が国防省を不適切に国費を費やしたと非難している。
イスラエル国防省は、「プロテクティブ・エッジ作戦」の費用を90億シェケルとしているが、財務省は40億から50億シェケルであると主張。財務省は今回の作戦中、国防省に予算局長と関係者を配置して作戦費用の詳細を把握する措置をとっており、財務省の費用概算は以前とは違い極めて正確だろう。国防省が主張する費用との乖離を財務省は認める事はない。しかし、作戦前に国防省が示している作戦費用は110億シェケルである。国防予算を削減している最中の両省の争いは長引きそうだ。
そんな中、ハイファ沖の天然ガスをいよいよ海外に輸出する事となった。これはイスラエルの貿易収支と国家財政を大きく改善するだろう。
「イスラエル=レバノン沖の天然ガス資源」
イスラエル政府は、天然ガス埋蔵量の4割を海外に販売すると決定していたが、最初の供給先はヨルダンに決まった。イスラエルは150億ドル分の天然ガスをヨルダンに販売する契約を締結。供給する期間は15年間。ヨルダンの次の供給先はとエジプトとされ、現在契約締結に向けて交渉が行われている。
イスラエルのエネルギー資源開発は、天然ガスだけではない。ゴラン高原など内陸部での石油探査を行っており、オイルシェール開発も積極的に行っている。
「満鉄におけるオイル・シェール事業 ~シェール革命の本命はオイル・シェール~」
2008年にIsrael Energy Initiatives社が2020年までにオイルシェールの実証プラントを稼動させる計画だ。イスラエルのオイルシェールの推定埋蔵量は120億トン。因みにヨルダンにも天然ガスとオイルシェールの埋蔵が確認されており、それぞれ650億トン、1950億トンである。中東地域でのエネルギー開発は、各国のパワーバランスを変える可能性があり、今後も注目していく必要がある。
「英GCHQ長官とMI6長官、豪ASIO長官、トップ交代」でも述べたように、英国連邦の諜報機関のトップが交代するが、オーストラリアの諜報部長官(Australian Secret Intelligence Service:ASIS)は留任が決まっている。2014年に任期が切れる長官職だったが、オーストラリアのジュリー・ビショップ(Julie Bishop)外相は、ASISの現長官であるニック・ワーナー(Nick Warner)を再任すると発表している。ワーナー長官は、2019年まで長官として職務に専念することとなる。
ワーナー長官は、1999年~2003年_テヘラン大使、2003年~2004年_ソロモン諸島地域支援ミッションの特別コーディネーター。2004年~2005年_外務貿易省・副大臣、2005年~2006年_首相のシニア・アドバイザー(国際担当)、2006年12月には国防大臣に就任している。2009年8月にASIS長官に任命された。ワーナー氏がASIS長官に任命された背景には、若かりし頃(1973年から1977年)に合同情報部、1979年から1988年までは国家評価室(ONA)に所属し、アフリカ(ソールズベリー、ローデシア)で勤務しており、元々情報畑の出身だ。
ニック·ワーナー長官は、Order of Australia(AO)、Public Service Medal(PSM)。
ワーナー長官は、1999年~2003年_テヘラン大使、2003年~2004年_ソロモン諸島地域支援ミッションの特別コーディネーター。2004年~2005年_外務貿易省・副大臣、2005年~2006年_首相のシニア・アドバイザー(国際担当)、2006年12月には国防大臣に就任している。2009年8月にASIS長官に任命された。ワーナー氏がASIS長官に任命された背景には、若かりし頃(1973年から1977年)に合同情報部、1979年から1988年までは国家評価室(ONA)に所属し、アフリカ(ソールズベリー、ローデシア)で勤務しており、元々情報畑の出身だ。
ニック·ワーナー長官は、Order of Australia(AO)、Public Service Medal(PSM)。