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三つの棺 新訳版 その1

2014年08月05日 | JDカー
カーにとって「三つの棺」は自信作だった、と「奇蹟を解く男」にあります。
たしかに初期カーの集大成のような複雑にからんだプロットはアクロバットを見るよう。
ですが、カーの創作マナーにはアンフェアぎりぎりと思われる「カー・ルール」が存在しているようです。
議論を呼んだのが「殺人者と恐喝者」の冒頭第1章の「視点は誰か」という点でしたが、
「三つの棺」でも複雑なプロットを成立させるための
アンフェアなミスディレクションが多すぎるような気がします。
せめて横溝正史「本陣殺人事件」の冒頭部ぐらいの配慮があってもしかるべきでは。

以下ネタばれ
「証拠によると、最初の被害者を殺し、(中略)ふたりめの被害者を空っぽの通りの真ん中で」(1章P1)
とあるのはウソなんですが、カーは「証拠によると」を免罪符にしているつもり?
「侵入者がグリモーを撃つ」(5章P88)とフェル博士に言わせるのもヒドいのでは。
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