なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

幻の一手Ⅱ

2009-05-17 14:26:59 | Weblog
 先日のネット碁の観戦で、実際には盤上には現れなかったのですが、勝負を左右する一手があった話をしましたが、今日はもっと細かな手に気が付きました。
 終盤の寄せ合いで、普通に黒から寄せれば1線のハネ継ぎで先手2目。
  そこを白から打つとすれば後手で2目のところなのですが、それはどちらにしてもハネ継ぐ形になる場合の計算で、ハサム形で寄せが成立すれば後手になるが5目の寄せになりそうなところ。
 
 もし挟んだ手に白が反発して下がりなどを打つと、白の地中に別の手が成立しそう・・・
 さて間違いなくそういう手があるかないか。
  あるいは先手2目と後手5目だとすると、ヨセのタイミングはどうしたら良いか・・・などなど観戦者=野次馬なんですが結構忙しい。
 盤上では両対局者が早碁で1手30秒の進行・・・両者とも後5,6分は考慮時間を残しているので本来ならこのあたりで、それなりに時間を使いそうなところなんですが、実際の進行はあっさり先手2目の形で打たれました。

 打った黒さんが最善の手としてそこを先手2目の形で打ったのか、あるいは”いつもの形”みたいに単に習慣みたいにそこを処理したのかは分かりません。
 そこはネット碁の観戦と言う限界だし、普通の対局みたいに両対局者に局後に質問することも出来ません。
 もどかしい感じはしますが、それでも対局の進行の中で観戦者も何か考えさせてもらえると言うことで観戦を楽しませてもらっていると言うことでしょう。

 これがもし実際のリアル対局の観戦でしたら、きっと局後に質問することでしょうが、こういうとき数え終わった段階で快く答えてくれるかどうかという問題もあります。
 人によっては「感想」とか「並べ直し」などを嫌がる人もいて、そういう素人にとっては「無駄なこと」などせずに次の対局を始めたがる人もいるので、そう言う人にとっては「質問者」は厄介なうるさい存在でしかない。
 ですから、質問するには人を選んで質問するしかないが、その前に質問に答えてくれそうな人の対局を観戦する方が無難と言うことになります。
 と言うことは何局も対局があっても、碁会所・囲碁クラブでの観戦は「自分で理解可能レベル」以外に、観戦を楽しませて頂くものはある程度は限られてきそうです。
 
 後は観戦の途中で疑問に感じたことを局後に質問できるように覚えておくことが肝心なことだと考えるのです。
 局後に初めから並べ直して見せてくれるのなら、その進行に合わせてある程度は記憶を呼び起こせるのですが、そうでなければ数え終わった形のところで石を崩す前に質問するようなことになります。
 その場合は、疑問に思ったことがいくつかあっても、全部では無理なのでいくつかに絞ることになるのですが、いずれにしても聞きたいことを覚えておかなければいけません。

 こういう”覚えておく”と言うことに関して・・・
  野次馬によっては、進行中の対局なのに質問する人がいます。
 それは局後まで覚えておくことが難しいのですぐに質問するのか、あるいは目の前で起きていることをすぐに訊かなければいられない人なのか・・・
 更に数手前に実現可能だった幻の手を披露するなどマナーどころか観戦のルール違反まで。
 こういう人は故意の確信犯では無くても常習犯のことが多い。
  疑問に思ったことはその場で聞くのが良い?
 囲碁では困ったことですね。
  自分が対局していて観戦者が何か言うとしたら・・・最近はネット碁ばかりなのでそういうことが起きませんからトラブルはありませんが、マナー違反では無くて「局後の指摘」を聞くことも無くなっています。
 これは少し寂しいし、貴重な機会を失っていることにもなりそう。