コラム(188):談合の真相
談合は業界の常識
公共事業の受発注では100%談合が行われています。
建設会社には談合担当の副社長や専務が存在し、他社との受注調整や、役所の担当職員とのつながりを仕事としており、建築技術や現場部門よりも重視されています。
また、建設会社は都道府県庁の土木・建設部署OBの天下り先になるので、公共事業の予定価格の入手が容易になります。したがって、談合で受注会社(JVを含む)が決まると、落札予定者が一番安い金額を入札し、その他の業者はそれを上回る金額で入札し、予定通りの結果を演出するのです。
たまに談合が発覚するのは、談合に参加できなかった新興の会社や談合の結果に不満を持つ会社からの告発がある場合です。また、談合破りをした会社は工事現場などで嫌がらせを受けることもあります。建設業界は談合なしにやっていけない体質が出来上がっているのです。
東京都の事情
東京都では豊洲市場建設のため、知事部局の中央卸売市場の中に、新たに「新市場整備部」が組織され、その時に建設局の職員も横滑りしています。その中には今まで建設業者との窓口になっていた職員も含まれています。
彼らは特定の業者との密接な付き合いの中で、入札価格の調整を行います。
豊洲市場はそのような関係のもとに建設されたのです。
JVの実態と工事費用が増額する理由
大手建設会社はJVのコーディネーターとして利益の大半を得て、実質の作業は下請、孫受けに丸投げします。したがって、下請になるほど利益を得るために手抜き工事が行われます。また、現場の作業に当たる人は大手建設会社名のヘルメットをかぶっているだけで、本当は下請や孫請けの社員である場合が多く、JV各社を移動して作業をしています。
今回の豊洲市場のように、受注したあと工事費用が大きく跳ね上がる理由は、建設会社が後付けで、資材の高騰、設計の変更、人件費の高騰などを理由にして請求するからです。当然この中に関係者への利権分が含まれます。これが当初の価格を2~3倍に押し上げている理由です。
請求された都は、技術的な精査をすることはなく、しっかりと現場を監視しているわけではありません。結局、建設会社に言われるままになっています。
都の職員は仕事をしていないも同然なのです。
東京都の闇
大手建設会社による談合、政治家をはじめ関係者の利権への欲望、都職員による業界癒着と無責任な仕事によって豊洲市場が作られました。
欲望の連鎖を断ち切らない限り都政の闇は続きます。
都民は闇の改革を願って小池百合子氏を都知事に選んだのです。
当ブログでは、近日中に利権に関係した人々の名前を公表いたします。
※ブログ記事作成にあたり、東京都職員と建設会社役員の取材協力に感謝申し上げます。
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