習近平中国 六つの難題 :230919情報
国際政治学者から習近平指導部の中枢が麻痺しているのではないのかという話がきました。早速、許可をもらって転載します。
習近平がG20も欠席。それから「恒大」と並ぶ超ビッグの不動産デベロッパーである「霹桂園」が完全に経営破綻をいたしました。
今、中国の複合経済政治危機ということについて述べると、六つの話があって1番目に軍の大粛清をやっています。ロケット軍(ミサイル軍)のトップ3が飛ばされました。国防大臣も汚職問題で事実上、取り調べ中ということです。
2番目に外務省も大粛清の嵐です。これは秦剛外務大臣が理由もはっきりさせられない状態で更迭させられており、おそらく二重スパイ事件が関わっているのではないか、愛人絡みについてもお話をしました。今や外務省の中が疑心暗鬼という感じです。
3番目は先ほどの不動産問題です。これは不動産が単に不動産バブルが破綻したという話ではなく、それが金融崩壊に連鎖してきました。一つのところで金融会社や投資信託などが破綻しますと、そこにお金を貸していたところが、またお金が戻ってこないということで破綻するのです。
そのような金融危機がどんどん連鎖していって、最終的には庶民に被害者が出てしまいます。
碧桂園のマンションを先に買いました、あるいは恒大のマンションを買ってお金を振り込んだけど、建物が完成していません。それを譲り渡してくれない、全くお金を詐欺で取られたのと同様です。庶民の間に大変な不満や経済危機が起きていて、お金を失ったまま経済破綻を個人的にしてしまいます。そのような状況になっているのです。
4番目として庶民からすると失業問題にも発展していくという話になります。中国は欧米と一緒で9月が新学期で5月、6月くらいが大学・高校の卒業ですから、通常は7月くらいに失業率が跳ね上がるのですけど、6月に若年失業率が21%以上となってしまい、当局は若年失業率の発表をやめました。
あまりにも数字が高くなって社会不安を煽ると良くないということです。推定50%くらい若年失業率があるのではないかと言われています。今年、社会に出てくる若年層の高卒・大卒・大学院修了者を合わせると1500万人以上と言われているのですが、それで世の中は大不況であるということです。
それからこの間、水害がありました。それから様々な天災が起きているほか、新しい流行病、疫病も発生しています。しかも、放射能汚染問題もあるということで庶民からすると、踏んだり蹴ったりということです。
5番目として共産主義青年団(団派)と言われる官僚というのは数から言えば一番多いわけですけれども、ここがサボタージュをしていると言われています。自分たちのトップの胡錦濤が大衆の面前で恥をかかされるような形で共産党大会から退場させられたわけです。
そして、団派系の政治家はみんな失脚してしまいました。そこで団派官僚(共青団出身)の官僚たちというのは、親が高二代とか共産党幹部とかではなく、たたき上げの実力派の官僚たちが「習近平ではやっていけない」ということになり、内部でサボタージュしているようです。このようにやれば経済危機も救われるといった様々な手法について彼らは知っているはずですけど、それをあえてやっていません。
これは習近平のやるようにやらせて、習近平が高転びに転べばいいということを狙ってサボタージュしているということが実態のようです。これは「不作為の罪」と言いますか、今こういうふうにやれば問題解決しますと言って習近平に睨まれるのもよくないので、何もしないというサボタージュを行なっているのも危機を深めている隠れた理由の一つだと思います。
それから、最後の6番目に共産党の長老たちが諫言をしたというのです。これに習近平が激怒したと言われております。これの真相はわかりませんが、いわゆる北戴河会議が行われたけど、そこで長老たちの代表が習近平に建白書(意見書)を奉ったということです。
多分その一番の中心人物が亡くなった江沢民の側近であった曽慶紅ではないかと言われています。しかし習近平としては「何を言っているんだ」ということで、前の鄧小平、江沢民、胡錦濤たちが山積みにしていった問題を俺が全部解決してやっていると、俺の時代になってそういう問題が全部表面化してきていると、これを解決するために俺は奮闘していると、問題を作った張本人たちが偉そうなことを言うなというのが習近平の立場です。
これはある程度、もっともな意見でもあります。高度成長を中国経済は実現したけれども、その間に外国資本が入っていき、中国経済が表面的には資本主義になってきて貧富の差も広がっているのです。そして、共産党という名前の党が権力を握っているけれども、資本主義的な害悪がどんどん広がってくるし、そこで活躍していた人たちはヨーロッパとかアメリカの経済人とツーカーでやっている国際派の人たちであると言えます。このようなことをやっていると、中国の共産党の支配体制はいつか音を立てて崩れるという話をしたのでしょう。
要するに金融を中心とするグローバリスト勢力に中国が完全に換骨奪胎されつつあるので、これはいけないというのが習近平の危機感です。だから、経済繁栄を犠牲にしても、共産党の支配体制を強化していくためにも再強化していき、グローバルな資本主義に背を向けて社会主義体制を復活させて、鎖国体制をとって、反米の限られた国とだけ仲良くやっていくというのが習近平路線と言って良いでしょう。
つまり、今までの成長モデルを完全に否定したわけです。今までの成長モデルを追求していけば、共産党支配体制が崩れるということは目に見えているから、その意味で習近平の言っていることももっともな話です。そういう話が出てきています。
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