山頭火は、さんとうか、と読む。全国を放浪しながら形式にこだわらない自由律俳句を呼んだ俳人である。しかし、生前は不遇だったようだ。確か大酒飲み?だったか??
散逸しかかっていた句を集めて出版したところで
世間の日の目を見るようになった。
私は高校の時にいくつかの句を読んで驚いた記憶がある。
○咳をしてもひとり
○分け入っても分けいっ も青い空
こんなに短い言葉で虚無感をはじめ、人間の . . . 本文を読む
孤高の写真家白川義員。
元はフジテレビを立ち上げた一員だったそうだ。
確か高校生位の時、仏教がどのようにして日本に伝わったかという原風景を写真で表現していて、メーター焼きの大きなプリント一枚一枚の迫力に圧倒された。 さてどんな人かと思えば、背が160cm位でどこにこんな力があるのか?と思ってしまうただのおじさんだった。ペンタックスの67版というカメラ(約1キロ半)はよいとしても、どでかい太陽を写す . . . 本文を読む
いずれも、実際にあった金閣寺の放火全焼事件をとりあげたものだ。作家の個性が比較できる意味ではおもしろい。三島は実に耽美的に捉えているのに対して、水上はいかにも人間的な泥臭さを全面にうちだしている。金閣寺は美の象徴ともいえるが、その美学の差が互いの文章に表れている。全く関係ないが、実は三島が割腹自殺をした後切り落とした首が、もう一人の楯の会のメンバーのそれと2つ並んで市ヶ谷駐屯地の最後に立てこもった . . . 本文を読む
同じ昭和ではあるが、敗戦後アメリカの管理下にあった日本で起きた怪事件を取り上げ膨大な資料から松本清張が読み解いた謎への答えが記されている。
アメリカのGHQは、戦後の日本の方向をアメリカ流民主主義を日本に押しつけつつあった。天皇の神格化を否定するために、マッカーサーとの2ショットを公開したりして、当然ある体格差を含めた上で日本の国民にいかにも貧弱な・・という意識を植え付けた。
挙国一致の国民性では . . . 本文を読む
おんぼろ病院だったが、先生は親切で、でも下された診断は、栄養失調と強度の脱水だった。
10日ほど入院していたがその間ものべつくべなく友人が出入りしさすがに病院だけに気が引けたが、入院患者は私一人だったので、怒られずにすんだ。
下宿先での入院、これは何かにつけて負担が多いため自宅に戻り総合病院に入院する手はずをとってくれた北氏の青春期にも銅の時代があるように、私にも破天荒な生活のつけがきたようだ。そ . . . 本文を読む
亡き北杜夫氏の青春時代を綴った破天荒なでも明るい気持ちになれる一冊。
実はこれの感想文や推薦文などで高校の頃あちこちに名前がでたし微々たる商品賞金をいただきました。
バンカラといっても、今の人には分からない死語かもしれないが、ともかく読んでみるとその時代背景と共に無茶苦茶ぶりが伝わってきて小一時間もあれば読める。そんな生活に憧れていたけれど、時代が違うから・・。と思っていた京都の下宿時代、硬派を自 . . . 本文を読む
この本で直木賞を取ったとは知らなかったが、実際の事件ー確か犯人は死刑ーをモデルにしたものである。この時代連続して人を殺すということが、今で言う想定外の事件であった。
原作本よりも緒方拳主演の同名映画が今でも印象に残っている。生と死、殺す側にはなにかしらの理由があることが多かった時代に、理由も理屈もなく人を殺していった西本?死刑囚の余りにもあっけらかんと人を殺すためらいのなさ、しかしそこに繰り広げら . . . 本文を読む
宮武外骨(みやたけがいこつ)と言う人がいた?
と言うタイトルだったか、忘れてしまったが、日本でまだ検閲があった時代に、反骨をユーモアでの精神で跳ね返していた人物である。検閲で国家にとって不適切な表現は■■■■■■■と墨で消されるのだが、
宮武は■不■適■切■な■表■現■、、等と書いてみたりするのだ。その他にもあの手この手でパロディを繰り広げていて面白い。
気が向いたら読んでみて下さい . . . 本文を読む
広告に依存しない雑誌で、どちらかと言えば左よりとか評されるが、そんなことはない。買ってはいけないという本が大ヒットしたのも、広告主に配慮する必要がないからかける部分があったからだろう。
ところで、最近は購読できないのだが、かつて郵便パックを郵便局が送り忘れていたにも関わらず、送り忘れるという規定がないため対処しないという旧郵政省のお役所主義で大損害を被った時に、法の穴を投書したことがある。そのと . . . 本文を読む