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常識とは何?何気なく使う言葉の危うさ。噛みつき亀風味でもの申す。脱線ご容赦。あくまでもお馬鹿な私の私論です。最近ボケ気味

どくとるマンボウ 小話1

2014年02月19日 14時35分11秒 | 追想

 

北杜夫氏の逝去は人間である以上いつかは迎えることでもあるのだが、できればもう少し・・と思う限りだ。

北杜夫氏がどれだけ偉大で優しい心を持っていたかについては、以前に何度も書いているのだが、

今で例えるならさしずめ村上春樹のような存在といえば、数十年前の北杜夫氏の人気ぶりが当てはまるかも

しれない。遠藤周作、佐藤愛子、辻邦夫、三島由紀夫など流行作家仲間との交流も多く、それをウィツトとユーモ

を交えたエッセイ等に書いていたが、何よりも北杜夫の本名斉藤宗吉は、斉藤茂吉が父、斉藤茂太が兄という華麗

なる一族なのである。そして北自身は芥川賞作家であり純文学からエッセイ、短歌などその著述は多岐に渡った。

このような事は書かなくても良いのだが、そもそも私がブンガクにはまっていた頃は30数年前なので一応

書いておく。

流行作家である北氏にファンレターを書いたのはその頃であった。

ごく普通に考えれば、一日数百通のファンレターが舞い込むそうで、玄関にはダンボールを常備しておいた

(氏のエッセイより)ゆえに、もちろん返事を書いている暇もない事は重々承知の上だった。

その反面もしかしたら・・・と淡い期待を感じながら・・・。

2週間ほどして北杜夫と書かれた封書が届いた時の喜びは忘れられない。

それからというもの、非常に長い時間をかけながら北杜夫氏とのやり取りをする事ができたのである。

もしかしたら、ご家族の方も知らない事があると思うので恐縮だけれど、例えば鬱病の頃に頂いた短文

ー(前略)私の死生観というのは、天命のなせる限りですが、できるだけ長く生きようと想うのでどうかご心配を

なさらずに(後略)-

このような、本当にごく私的なことを書いてくださったのである。

まだまだ、おそらく公になっていないお手紙の数々があるのだが、そしてそれをこのようなところに

さらけ出してよいものかどうかとも想ったが、北氏の温もりや優しさが、ひとえにありがたくうれしく想った。

何よりも最初の頃、どうやって私の手紙を識別していただいていたのか?私も手紙を一生懸命書いていたので

いつだすかは、不明なのだが、だせば必ずお返事を頂戴していたものだった。

ゴマンといる熱烈な読者からの手紙が届いているはずで、それでも見分けて中を読んでくださっていることは

お返事の内容からよういに推察できた。

おそらく、北氏のような著名人は殆どいないに違いない。後にも先にも・・・。

 

 

 

 

 

 


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