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常識とは何?何気なく使う言葉の危うさ。噛みつき亀風味でもの申す。脱線ご容赦。あくまでもお馬鹿な私の私論です。最近ボケ気味

実験的小説セッション #03 探偵 登場 Ver1.1

2016年12月15日 08時58分31秒 | NEW  実験的小説セッション 

セッション#03   探偵現る

その名刺をポケットに忍びこさせたのは実は探偵の工藤だった。
何故探偵さんがそんなことをしたのかを語るためには時を少し巻き戻す必要がある。紀尾井町にあるものの薄汚れた雑居ビルにある工藤探偵事務所に約半年前、ある有名な芸能プロダクションの敏腕女社長が訪ねてきたのだ。
「むさくるしいところですが、まぁコーヒーでも」
「いや結構でございます。わたくしアパ事務所の代表をしております」
「ええっ あの有名なタレント事務所の社長さんが私ごときに何のご用事が」
「用事がなければ訪ねてくることもないでしょう。あなたは、クライアントの守秘を守る、そして多少手荒いこともなさると聞いてまいりました。そして、あるお願いがあるので参りました。ただし、ここから先の 話をする以上は、工藤さんあなたは依頼を受けていただく必要があります。」
「しかし内容がわからないのに依頼を受けろというのは幾ら何でもですねー。」工藤の洞察力をもってしてもこの女社長の狙いがわからなかった。            
「まさか タレントが脅されている、しかも暴力団に」
「いいえ違います。そんな事なら慣れておりますので、こちらにお邪魔しなくても」
「あらっ、まぁ芸能界もやくざな業界ってことですね。これは失礼いたしました。お道化てみる工藤に対して、女社長は畳みかけるように
「実は失礼ながらあなたの仕事を調査させていただきました」
「なるほどね、道理でざわついていた訳か」工藤の目が真剣になった
「やはり気づいてていましたのね。さすがでございます。では、まず これを・・。」 
女社長は厚い封筒を机に置いて中から中身を取り出した
「着手金でございます。まずは1千万、ございます」
「あのなー俺いや私を調べたならご存知かと思うが、金を幾ら積まれても、引き受けるかどうかには関係ないのよ。そもそも要件も聞いてないし」           「ええ、これは私がこちらを訪ねたことを忘れていただく為のものだと理解してください。」
「ほぅ、じゃぁあなたが要件を話してくれるまで、そして聞いたが断る権利はあるということでいかがでしょうか」
女社長は 1枚の写真を取り出した。それは国民的アイドルといわれている一人の女性が写っていた。
「ほう、このアイドルがどうしたんですか」と工藤。
すると もう一枚の写真を取り出して机の上に置いた。
同じ人物を2枚並べてる意味を工藤はなんとなく察していた。
「ん、影武者か?いや違う。歳こそ違うが似ているが違う人か?」            

「さすが探偵さん、世間は騙せてもプロの目はごまかせい。」             「ある写真家さんが3年前に最初のショットを写してくれた。おかげで彼女はこの三年あまりで、トップアイドルになりました。今は写真家のスターですが、その方を探しましたが、連絡のつけようがなかった。ところが今、新たな名前で仕事を始めていて評価が高く、彼に写されると、人気が出ると業界では囁かれていて、撮影がありまして・・・その時に私も立ち会いましたが、気が付いたようでして」           

 「しかし、彼もプロゆえに素知らぬふりをしていたということか。しかしそれならそれで良いだけの事では、いやむしろ下手な小細工をしない方がよい」と工藤。       

 「実は、この子達は一卵性双生児なのです。この事は事務所預かりの秘密事項でしてやっと人気が出たのに・・姉は海外で行方が不明。そして妹に代役をお願いしております。あなたにお願いしたいことは、姉を探すことと写真家の事務所かお宅にあるであろうオフショットを取り上げること、なんです」

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