○杉山平一先生のお葬式の日。いただいた、先生の詩集「杉山平一詩集」第二期近代詩人篇・思潮社の本を読んでいました。好きな詩を載せました。
不在
お隣りは 遠くへ
引越して行ったのに
シーンとした空家にむかって
幼ない女の子が呼びかけている
きいくちゃーん
あーそおびましょおおー
ゆるやかに うたうように
信ずるものの澄みきった声で
生
ものをとりに部屋へ入って
何をとりにきたか忘れて
もどることがある
もどる途中でハタと
思い出すことがあるが
そのときはすばらしい
身体がさきにこの世へ出てきてしまったのである
その用事は何であったか
いつの日か思い当たるときのある人は
幸福である
思いださぬまま
僕はすごすごあの世へもどる
○先生思いだしましたか?聞いてみたいです忘れたものを。
私の近くに咲いているお花たちを奉げます。
思い出を宝物にしたいと思います。ありがとうございました。