◯心が貧しくなったらこの詩を暗唱します。
A先生もY先生もこの詩を取り上げておられた遠い日のことが甦ります。
冬の陽ざしの 吉野弘 作詩
冬の陽ざしのおだやかな
明るい海の波打ち際
瀬戸やガラスが
くりかえし
しずかにもまれて居りました。
水際に
ほっそり丸い青い石
実はガラスでありました。
洗われて高雅にやせたかけらでした。
かけらにも
することがあったなんて。
そういえば
とんがった
若い気鋭のかけらたちも
美を専念の声あげて
波にもまれておりました。
かけらでおしまいになれないなんて。
それでおやすみできないなんて。
こわれるとすぐに
未来がふりあてられ
すぐに未来に引き渡されて
またすることがあるなんて。
へんに倫理的な浪や風から
慰撫され彫琢され
気遠い美をそそのかされ。
こわされても
こわされても そのたびに
かけらには
新しい未来がふりあてられ
おだやかな冬の陽ざしが また
こぼれ落ちてくるなんて。
◯『しんせかい』山下澄人著 芥川賞受賞 一日で読み終えた。
俳優志望 脚本家志望の人の養成所でのあれこれが書かれていた。富良野塾での過酷な生活から学ぶものは…いまも確かにある?と思う。有名な劇作家、倉本聰先生の塾生活。
ある意味で、この先生に賛同することがある。