○先日神戸新聞 詩のコーナーで心に響いた作品をアップしました。
「強制移住あるいはデラシネの民」 橘英俊 作詩
この間
人の後から改札を出ようとしたら
切符では通れなかった
この間
美術館に入ろうとしたら
現金は使えませんと言われた
そういえば
フロッピーデスクのデーターは
もう取り出せない
ため込んだボデオテープは
ほとんど見ぬまま捨ててしまった
レコードは棚で眠っている
引き落とされた支払いの
領収書は送ってこない
レジでもたついていると
献金を入れようと機械がわめく
そういえば……
なんてことだ
いつの間にか異国に住んでいた
少しずつ強制移住させられたいたのだ
そしてこの国は今も安住を許さず
やれ、電子マネーだ、マイナンバーだ
やれAIだ、アバターだと
追い立てるのである
大地に根を下ろさなければ
年経ても大樹にはなれない
今や老いは 深まりではなく衰え
老人の知恵など何の役にも立たない
これからもデラシネの民として
地に足着かぬ生を
生きるしかないのだろう
先生の評「強制移住あるいはデラシネの民」。ちょっと硬いタイトルだが、現 代の世相を鋭利な想像力で切り取った秀作。日々更新される技術革命の波は日常を劇的に変えている。「老いは深まりでなく衰え」。最終蓮で、その現実がもたらす悲劇的な展望を深く味わいたい。「デラシネ」とは「根無し草」のこと。
でした。 わたしも感動してしまいました。詩はすてきですね~~
ウサギさん柄小さすぎだけど…