下に空蝉上にはカマキリ(まさか蝉を食べたのでは?)
刈り取ったツツジの上にカマキリが載っていた。緑葉の上に緑色の姿なので一目には分からりづらい。私が近寄るとモソモソと動いて、すぐ停止した。じっとしている。正面の顔をとらえようとカメラをカマキリの前にそっと運んだ。期待通りシャッターを押す瞬間も押した後もしばらくカメラの方を見ていた。カメラをカマキリの前からそっ~と放してからも動かずにこちらを見ている。私も静かに後ずさりした。
逆三角形の顔の両端にぎょろ目がついている。子供のころからカマキリが、相手の動く方向に動きに合わせて、ぶれずに動かす姿が好きだった。獰猛な昆虫だが容姿は愛嬌がある。
相手の動きに合わせるということは同化するということか。相手が動き終わってから素早く首を動かすのでは、かえって動きが目立ってしまう。従って相手の動きに合わせて動かすと相対的には動いていないと同じ状態だ。そして、餌の対象となる相手であれば強力な鎌と口で刈り取る。
交尾中にメスがオスを食べてしまうということはよく知られている。カマキリは肉食でそれも生きたものしか食べないとのこと。ときには、トカゲやカエルなども捕獲して食べるそうだ。必ずしもすべてのオスが食べられるということではないらしい。食べられないように備えが十分でないオスが餌食となるようだ。
現代人はカマキリのような行為はない。しかし、文明が未発達で異種間での交流をしなかった人種は相手を攻撃し人食していたという。やがて、文明が発達し、人種の違いを乗り越えコミュニケートするようになり、お互いの存在を尊重できる社会を構築できるようになってきた。
現代社会ではカマキリのように相手を捕食しないかもしれないが、平和で安心できる文明といえるだろうか。未だに戦闘が行われている。悲しいかな人間にも動物としての残忍性が残っていて成長しきっていない。
しかし、過ちを繰り返しながらも、年月をかけて少しずつ平和な文明を築いてきたのも事実である。カマキリのようになってしまわないように、これからも平和な社会づくりに邁進していかなければならない。人類の平和を核やミサイルなどで無くすようなことがあってはならない。