折り鶴

私が広島の原爆ドームを訪れたのは高校生の時だった。それは父が戦死した戦友の家族を訪れる旅だった。その途中で立ち寄った。ドームで祈りを捧げた後、広島の山間部の戦友の家に向かった。そこには戦友の妻と私より年上の息子さんがいて仕事を継いでいた。父の戦友の冥福を祈り、思い出話をして帰路についた。
8月6日は広島、9日は長崎が原爆の日だった。7日の月曜日、NHK BS アナザーストーリーズ運命の分岐点では、オバマ前大統領の広島訪問に至るまでの裏話を語っていた。
2016年5月27日、原爆が投下された広島にオバマ前大統領が訪問した。その訪問に至るまでは長期にわたり被爆者はじめ何人かの人たちの粘り強い働きかけがあったという。
被爆者がオバマ大統領へ手紙を送った。原爆を投下したアメリカに対して強い憎しみを長い間抱いていたが、それではならないと思いはじめ、アメリカ大統領に対して広島を訪れるように促すものだ。
原爆投下でアメリカ人の捕虜12名が亡くなった。別な被爆者はアメリカ兵の遺族を探し、敵国人であろうと丁寧に弔ったことなどを伝えたという。
12名のアメリカ兵が亡くなったということは、日米両国で長年極秘だった。40年後に公開されたが、ほとんど知られていなかった。手紙を携え日米間の橋渡しをしたのは広島の地元放送局員だった。アメリカを訪問し手紙を託したとのこと。
また、オバマ大統領の広島訪問は急遽決まった。核兵器を使った唯一の国として道義的責任に向き合おうとしたアメリカ。スピーチ原稿は、スピーチライターが大統領とともに推敲を重ね作成したことも報じていた。
原爆投下のことを謝罪しないということで、訪問が実現した。日米双方にとって心残りのエピソードだが、歴史の一つの通過点としてとらえれば、必ずしも一気に完結でなくともよい。プロセスとしては必要なことだと評価できる。
昨日のニュースで長崎原爆の日にあたり、被爆者による日本政府への要望を訴える姿が報じられていた。国連の核兵器禁止条約を批准しない首相に対して、被爆者の代表者は「あなたはどこの国の総理ですか?」と問うている。それに対して首相は返す言葉もなく、その後の発言でも、今までの方針を繰り返すばかりであったと。
日本政府は、残念ながら歩みを止めてなおかつ後退してしまった。少なくとも核に関することについては、他国の反応を様子見するのではなく、被爆国としてもっと前向きに対応できるのではないかと思う。

私が広島の原爆ドームを訪れたのは高校生の時だった。それは父が戦死した戦友の家族を訪れる旅だった。その途中で立ち寄った。ドームで祈りを捧げた後、広島の山間部の戦友の家に向かった。そこには戦友の妻と私より年上の息子さんがいて仕事を継いでいた。父の戦友の冥福を祈り、思い出話をして帰路についた。
8月6日は広島、9日は長崎が原爆の日だった。7日の月曜日、NHK BS アナザーストーリーズ運命の分岐点では、オバマ前大統領の広島訪問に至るまでの裏話を語っていた。
2016年5月27日、原爆が投下された広島にオバマ前大統領が訪問した。その訪問に至るまでは長期にわたり被爆者はじめ何人かの人たちの粘り強い働きかけがあったという。
被爆者がオバマ大統領へ手紙を送った。原爆を投下したアメリカに対して強い憎しみを長い間抱いていたが、それではならないと思いはじめ、アメリカ大統領に対して広島を訪れるように促すものだ。
原爆投下でアメリカ人の捕虜12名が亡くなった。別な被爆者はアメリカ兵の遺族を探し、敵国人であろうと丁寧に弔ったことなどを伝えたという。
12名のアメリカ兵が亡くなったということは、日米両国で長年極秘だった。40年後に公開されたが、ほとんど知られていなかった。手紙を携え日米間の橋渡しをしたのは広島の地元放送局員だった。アメリカを訪問し手紙を託したとのこと。
また、オバマ大統領の広島訪問は急遽決まった。核兵器を使った唯一の国として道義的責任に向き合おうとしたアメリカ。スピーチ原稿は、スピーチライターが大統領とともに推敲を重ね作成したことも報じていた。
原爆投下のことを謝罪しないということで、訪問が実現した。日米双方にとって心残りのエピソードだが、歴史の一つの通過点としてとらえれば、必ずしも一気に完結でなくともよい。プロセスとしては必要なことだと評価できる。
昨日のニュースで長崎原爆の日にあたり、被爆者による日本政府への要望を訴える姿が報じられていた。国連の核兵器禁止条約を批准しない首相に対して、被爆者の代表者は「あなたはどこの国の総理ですか?」と問うている。それに対して首相は返す言葉もなく、その後の発言でも、今までの方針を繰り返すばかりであったと。
日本政府は、残念ながら歩みを止めてなおかつ後退してしまった。少なくとも核に関することについては、他国の反応を様子見するのではなく、被爆国としてもっと前向きに対応できるのではないかと思う。