どんな超リッチ、お金持ちでも、使わなきゃ意味がない。で、立派なお屋敷に高級車に、海外なら豪華なクルーザーにプライベートジェットで、そんな生活維持のために、様々な投資先で利益を上げるべく、世界を忙しく飛び回る。
それはいいとして、寝るときはベッド一つ、食事だって、100人分は食べられないだろうし、車だって1台以上に乗ることもない。ゴルフをしたって、一度に高級ドライバー3本を打つことはできない。腹痛で下痢するとき、トイレは一つしか使わないだろう。
というわけで、友人の(同級生)の医者は、2000坪の屋敷に、表門に裏門、そして別棟のお洒落な蔵屋家屋もあって(そこには、息子夫婦が快適に暮らしている)全体をお城のような塀垣に囲まれた中、意匠を凝らして作った、好きな庭も大きく広がっている中の、50年前の建築未使用の建物を移転し、新しくした欅御殿に住んでいる。
数億円ほど、かかっただろうか。本体建物はもちろん、バブル時には何百万円と言われた庭石一つも、原材料費はタダ同然。不思議な時代なのだ。田中角栄ばりに親父が作った屋敷の庭石を、子供や孫の時代の今、邪魔になるので持っていってくれたら、お礼するほど。本体建物さえ、同じ条件。タダ!
しかし、運んで再構築するとなると、半端な金じゃない。積み重なって計算すると、数億円。屋敷跡地購入から、10年以上、表門の移築から見ても、7、8年経過しただろう。で、建物を立て始めてから3年。
最近、ようやく出来上がって、家主の当事者は、台所上の屋根裏にある狭い急な階段を登った、小部屋に住んでいる。低い窓には、立派な木枠の格子が嵌っていて、腰を屈めて、庭先の一部を眺める。
今朝気づいたが、私も新しい家と古い家の間を増築して台所を作った。その上の屋根裏べやに住んでいる。ただ、窓は広く、目の前の12万坪の公園から日野川を超えて足羽山も見えれば、街中の西武デパートの屋上看板まで見渡せる違いは、あるのだが、ほほほほ。