「現れる現在 脳と身体と世界の再統合」アンディー・クラーク著ビッグデータ、データ・ビジュアライゼーション、ARなど、リアルな刺激とデジタルデータの連動が可能になってきた時代に、
「心の哲学」の古典と云われているこの本、身体性認知科学の始まりを確かめてのメモを残す。
・センサーとコンピューターとメカトロニクスを統合する自律型ロボット研究、インターネット、AIと、世 . . . 本文を読む
「社会システムは、人間の求心化作用と遠心化作用が、個人から対人・対社会へとフラクタルに重なってゆく自己組織化による複雑系のシステム」。身体も、言語も、政治も、求心化と遠心化の重なりが、第三者の審級として反射してくる。
行為と意味と規範の重なりの複雑性の縮減/増大コミュニケーションの重なり、他者の効果としての秩序、第二次の自己準拠としての「国家」構造から機能、潜在的な機能、「真のはじまりは最後に生 . . . 本文を読む
社会活動には、個人、行政、企業(法人組織)それぞれの立場がある。
村社会が崩壊し、家族が分散しがちな現代は、従来のライフライン/産業基盤などよりも、社会保障という個人の生活支援が予算の多くを占めるようになった。それは、村や家族内での活動が外部のサービス(税/商品)に代替えされてきたからでもある。行政活動も措置からサービスへと受益者負担を増やしてきた。高度成長期の余剰を生活サービスに充てる時期が終 . . . 本文を読む
「動きすぎてはいけない - ジル・ドゥルーズの生成変化の哲学」 千葉雅也 2013年10月20日初版 の読後ノート
分野を超えた本を拾い読みしている私のノートとして
非意味的な接続=通貨市場社会が交通・通信ネットワークにより膨張しているなか、
その数値による非意味的万物斉同化に抗するには、
理念や体系での構造化でも、
その構造の再構築でもなく、
身体周辺での他者との断続的な不確かな共立 . . . 本文を読む
自己愛過剰時代とは、近代的個人像が崩壊後、社会という他者を失った自己自律ができない時代。 「自己愛」が求められすぎる時代とは、近代的個人像が崩壊し、自己がまとまり切れない時代。心の問題は、言葉の問題と同じように、当事者の場でしか語れない多様な時代。フロイトもコフートもウィーン出身、アメリカで亡くなっている。 . . . 本文を読む
現代の三原則: 関係・非対称・優先順位は、
主体の立場次第で、不確定ではないか?
そう、不確定。
自然の変化よりも、人間社会行動の変化は、更に不確定。
身近な相手との関係づくりから、虐めや瞬間ヒーローが生まれ、
母性と社会性(我が子への想いと世界の行く末)との両極が生まれ、
移動・通信・記録が増えるほどに、自身の情報と世界の情報は非対称を極大化し、
優先順位の合理性は、相対的となり、縮約される。 . . . 本文を読む
なんで’お参り’から、パワースポット巡りになったのか?
近代自我がゆきつく無縁社会から脱するための一言は、
通貨交換という取引・交換社会に’有り難い’= ’ありがとう’を、
身近に実感できる相手があること。(電子ポイントを貯めようという話ではありません。) . . . 本文を読む
「響き合う異次元 -音・図象・身体-」川田順造編
テキスト中心の知に対して、「音・図象・身体」という異次元の表象を互いに関連させて捉え、議論を通じて、新たな視野を見出そうとした記録でした。
参加者の提言の後、6っの手がかりから論議進みました。、
1.人格神以前:両親から生まれる人にたいして化身する身体
2.声とエクリチュール
3.声と場と図象の一体化
4.身体の用と意味
5.音の文化
6.摩滅、 . . . 本文を読む
『パリ モダニティの首都』 デヴィット・ハーヴェイ著
フランス革命後、1821年の第2帝政期から1871年のパリ・コミューンに至るパリでの社会変動を、歴史地理的に明らかにすることで、当時の人の行為と考え方が推測されている。理念やイデオロギーなどで割り切られたモダニティの実態や神話が、多様な分野で観察され・意図され・記録された行為の手がかりにより、解明されている。
章立ての視点をメモすると
Ⅰ . . . 本文を読む
「公共性の喪失」リチャード・セネット著 晶文社 1991年初版
フランス革命から現代にいたる心理をひもといて、既成概念が覆えされてゆく。自己中心の個人意識が、個人が関係する範囲に社会をせばめるとどうじに、自己の写像を優先し、自身からも離れてゆく。社会の利害関係の理解も、自由・平等・博愛という抽象概念の結果への失望が、社会に直感的な感情や人格の公正さを求めることになる。個人との共感・公正さは、外見 . . . 本文を読む
聾唖者の親子のふれあいに、身体感覚である聴覚・視覚・触覚のメディア・コンバートの現場をみる。そして、自らの母との関わりを思い出し、写真を撮りつづけ、記録しつづけている自分に気がつく。 . . . 本文を読む
『ナショナリズムの由来 』 大澤真幸 著
ナショナリズムは、国民が生成される古典的時代、国民国家同士が戦った第一次・第二次大戦時代、その後のアジア・アフリカ植民地の独立運動時代に分けられた。それは、政治と領土、社会を動かす要素と地理が一致していた時代の意識であるはずだった。
労働者が国を超え連帯しようとしたインターナショナリズムは、第一次大戦に入ろうとすると国ごとに分裂し、
第二次大戦後の自由主 . . . 本文を読む
『メディアは存在しない』 斉藤環 著
記述や対談にでてくる東浩紀氏は、
現実界-想像界 それを繋ぐのが 動物的orシニカルな態度で、
データベースからシミュラークルを組み立て続けるという。
東氏にとって、象徴界は解体された近代までの変化の少ない想像界という位置づけ。ここでは、象徴界という空虚感は想定していないで、人間の欲望にたいする問いかけはない。
私には、人間の欲望を梃子のように動かしてし . . . 本文を読む