今年の3月は気温が上がらず、桜もなかなか咲きませんでしたが
やっと咲いてきた~!
・・・な、日曜日に風祭のご霊跡を訪問しました!
3ヶ月前には箱根駅伝で賑わった国道一号線
ここは6区から7区の中継地点です。
国道一号線、箱根登山線と、小田原厚木道路が交差するこの丘
何か・・・ありますね~
説明板がありました。
この説明板によると、日蓮聖人が身延に向かうために鎌倉をご出発されたのが文永11(1274)年5月12日。
その夜に酒匂の法船寺にご一泊され、翌5月13日に酒匂川を渡り、ここに立ち寄られたそうです。
「ふた親さん象の鼻」というご霊跡のようですね。
門があります。井桁に橘の宗紋が掲げられています。
注連縄に紙垂が付いています。今もどなたかが管理しているご霊跡なのでしょう。
「日蓮聖人思親の地」と刻まれています。
眼下を箱根登山線がゴトゴトと登ってゆきます。
上り坂・・・どこに続いているのかな?
ハアハア・・・
まだまだ登る~
ここで道が二手に分かれます。
右手は・・・見晴らしが良さそうだぞ!
木が茂っていますが、小田原の海が見えますね~!
その向こうには房総半島が見えます。
実はこの場所、巨大な岩の上なんだそうです。
形が象の鼻に似ていることから、「象ケ鼻」と呼ばれていた岩なんだそうです。
後日、箱根ターンパイクを通った時に撮った写真ですが、こんもりした部分が右側に向かって細く伸びていく、この部分のことなんでしょうか?
日蓮聖人はこの場所から、遠く房総の地で亡くなったご両親を偲ばれたそうです。
風神様もこの地を見守ってくれています。
さらに登ってゆきましょう。
振り返れば天下の険、箱根山!
登りきった場所に、お堂が建てられていました。
日蓮聖人はここ象ケ鼻で、衆生を苦しめる病を消滅させるべく祈願し、法塔を立て、お曼荼羅本尊を書かれ、石仏を刻されたそうです。
このお堂の中にも古い石仏が手厚く祀られていました。
(お寺の本堂と同じだと思いますので、画像はありません)
・・・日蓮聖人の逸話も素晴らしいのですが、それより僕は、このあまり知られていないご霊跡の、それこそ風雨に晒されてしまえば朽ち果ててしまいそうな古い石仏のために、資材を担ぎ上げてお堂を建てた篤信者の方々の熱意に、感服してしまいました。
それこそ岩場のご霊跡ですから、本当に大変な作業だったと思われます。
真ん中に見える斜めの物体、これ全部岩ですよ!
このご霊跡には、のちに朗慶上人により「象鼻山妙福寺」というお寺が開かれたそうです。
朗慶上人は日朗上人のお弟子さんで、酒匂の法船寺も開山されていますよね!
残念ながら、象鼻山妙福寺は大正時代に廃寺になってしまいました。
丘の中腹に、ここかな?と思われる、視界の開けた場所がありましたよ。
現在、この近くにある「御塔山生福寺」が、象鼻山妙福寺を引き継いでいるそうです。
一度訪問してみたいものです。
坂を下ってきて気付きました。
一対の狛犬が守ってくれてるんですね!!
僕は小田原出身ですが、ご霊跡の存在自体、ごくごく最近まで知りませんでした。書籍などでほとんど紹介されておらず、他のご霊跡の調べ物をしている時に偶然見つけることができました。
「人知れず・・・」という言葉がピッタリの場所ですが、考えてみれば近隣の庶民たちの信仰の地でもあるわけで、そのへんは十分リスペクトしていたいものです。
でも・・・来て良かった!!!