山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

ずんぶり浸る一日のをはり

2009-09-24 23:25:24 | 文化・芸術
080209153

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊-上弦月彷徨篇」

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月11日の稿に
11月11日、晴、時雨、-初霰、滞在、宿は同前

山峡は早く暮れて遅く明ける、9時から11時まで行乞、かなり大きな旅館があるが、ここは夏さかりの冬がれで、どこにもあまりお客さんはないらしい。

午後は休養、流れに入つて洗濯する、そしてそれを河原に干す、それまではよかつたが、日和癖でざつとしぐれてきた、私は読書してゐて何も知らなかつたが-谿声がさうさうと響くので-宿の娘さんが、そこまで走つて行つて持つて帰つて下さつたのは、じつさいありがたかつた。

ここの湯は胃腸病に効験いちじるしいさうだが、それを浴びるよりも飲むのださうだ、田舎からの入湯客は一日に5升も6升も飲むさうな、土着の人々も茶の代用としてがぶがぶ飲むらしい、私もよく飲んだが、もしこれが酒だつたら! と思ふのも上戸の卑しさからだらう。-略-

暮れてから、どしや降りとなつた、初霰が降つたさうな、もう雪が降るだらう、好雪片々別処に落ちず。-略-

※表題句の外、9句を記す


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