山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

水が濁つて旅人をさびしうする

2010-06-17 23:53:27 | 文化・芸術
Dancecafe081226194

―山頭火の一句― 初期不良につき‥

15日-火曜-、新PC到着、
いろいろ迷った挙げ句、買い求めたのはEee Boxシリーズの新機種EB1501、Mouseはワイヤレスで動くが、keyboardのほうは動かない‥、まあ、この程度の初期不良は、ネット情報でも散見されることだから、ありがちなことだろうとこちらも驚かない。

まずは、Internetを接続したり、Partitionを改変したり、さらにはDataの入った外付Harddiscを接続、Fileの配列などを整える。
そんなこんなにずいぶん時間をかけて、やっと周辺整備完了、さあ、手持ちのApplication SoftをInstalしようとするが、DVDドライブ殿が起動はすれどもいっかな読み取りしてくれない、暫時空回りしては、呑み込んだCDを吐き出してござる、アプリのCDをいくつか取り替えてみるが同じことを繰り返すばかり‥。
こりゃ、魂消た、よりにもよってDVDドライブまでが初期不良かい、こっちは徹夜同然でここまでこぎつけたっていうのに、この始末とはそりゃないだろうぜ、こいつあしくじった、一等初めにcheckすべきだった、と後悔するもあとのまつり‥。

すぐにも発売元のコールセンターへTEL、曰く、修理ないし部品交換して戻ってくるまでに十日はみてくれ、と悪びれた様子もないのには呆れかえるばかりだが、いかんとも仕方がない、とこれが昨日のこと。
今日の午前、手配された宅配業者に引き渡したが、さて、無事にご帰還なされるは一週間後か、はたまた二週間後か‥。

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そんなこんなで、この記事をupしているのは、少々作業効率の悪い、予備の古いPC、いささか疲れます。

―山頭火の一句― 行乞記再び -83
3月24日、晴、春風が吹く

9時から3時まで市内行乞、行乞相は悪くなかつたが所得はよくなかつた。
此宿もうるさい、早く平戸から五島へ渡らうと思ふ、それにしても旅はさみしいな、行乞もつらいね。
塩湯にゆつくり浸つてから二三杯かたむける、ありがたい。
近来、気が滅入つてしようがないので、夜はレビューを観た。
花はうつくしい、踊り子はうつくしい、ああいふものを観てゐると煩悩即菩提を感じる。
蛙の踊、鷲の踊、さくら踊などが印象として残つた。

※表題句の外、2句を記載

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Photo/佐世保の中心街から佐世保湾を望む

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Photo/佐世保市八幡町にある亀山八幡宮

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Photo/亀山八幡境内に立ち並ぶ屋台


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骨となつてかへつたかサクラさく

2010-06-14 23:53:06 | 文化・芸術
Santouka081130041

―表象の森― 日本語とはどういう言語か-06-

・漢語、漢詩、漢文と和語、和歌、和文-二併の平安日本語
平安時代中期は、歌合、詩合、詩歌合、絵合、貝合、さらに和漢朗詠集などの「合-あわせ-」の時代であった。
「合」とは、漢字を媒介として漢語-音語-と和語-訓語-を合わせる二併性の象徴である。漢語と和語、つまり音と訓を背中併せに貼りつけた漢字=日本文字-女手の書きぶりを忍び込ませ、もはや漢字とは思えぬ軟性の姿で現れた漢字-と漢字・漢語の中に収めきれない意識の結晶、露岩体である女手、さらには漢詩、漢文を日本語として開く文字である片仮名の三種類の文字が生まれ、二重複線言語たる日本語が姿を現した。

平仮名-女手-は、片仮名やハングルとは異なり、漢語からはみ出す部分を定着せんとする文字-これは片仮名で足りる-ではなく、それ自体が語をなし、詩文をつくらんとする自立的指向性をもった野心的な文字である。それゆえ日本には二つの仮名文字があり、平仮名は、語をなさんとして連続する姿をとどめている。つまり漢文、漢詩、漢語とは異なるもう一つの文と詩と語をつくらんとするところに、片仮名やハングルとは異なった女手-平仮名-の特異な性格がある。訓文、訓詩、訓語をつくらんとしたところが女手成立の意味である。誤解なきよう触れておけば、訓はむろんあくまで裏側にある漢字-音-を前提として存在している。

この女手その名称から女性の意識の表出の文と詩と語をもたらし、性愛-エロス-の文学と、四季賛美の歌と、女手の延長線上に派生的に生まれた仮名文字葦手に象徴されるところの、絵画的具象に関わる言語の豊穣という日本語の特質を生むことになったのである。
  -石川九楊「日本語とはどういう言語か」より

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/伝藤原公任「葦手古今集切」-11世紀中 頃-

―山頭火の一句― 行乞記再び -82
3月23日、雨后曇、休養、漫歩、宿は同前

小降りになったので、頭に利休帽、足に地下足袋、尻端折懐手の珍妙な扮装で、市内見物に出かける、どこも水兵さんの姿でいつぱいだ、港の風景はおもしろい。

プロレタリアホールと大書した食堂もあれば、簡易ホテルの看板を出した木賃宿もある、一杯5銭の濁酒があるから、チョンの間50銭の人肉もあるだらう!

安煙草はいつも売切れだ、口付は朝日かみのり、刻はさつき以上、バツトは無論ない、チエリーかホープだ。
塩湯へ行つた、よかつた、4銭は安い、昨日の普通湯4銭は高いと思つたが。

佐世保の道路は悪い、どろどろしてゐる-雨後は-、まるで泥海だ、これも港町の一要素かも知れない。
同宿は佐商入学試験を受ける青年二人、タケ-尺八吹-、そして競馬やさん、この競馬は面白い、玩具の馬を走らせるのである、むろん品物が賭けてある、1銭2銭の馬券で1銭から10銭までの品を渡すのである。

※表題句のみ記す、佐世保駅凱旋日と註がある

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Photo/佐世保市内中心部の四ケ町商店街入口

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Photo/佐世保市内を完全武装で行進する、戦前の水兵さんならぬ、西部方面普通科連隊-有事即応の対テロ特殊部隊の隊員


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ゆつくり湯に浸り沈丁花

2010-06-13 23:41:10 | 文化・芸術
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―世間虚仮― PC寿命はどんどん短く‥

昨日は一日中、PC不調に振り回された。
数日前から、突然止まったりとトラブルは続いていたのだが、電源を入れても、空回りのごとくrunningすれど、一向に起動しなくなってしまった。何度試してもごの仕儀でお手上げ、まだ1年半だというのにだ。

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GatewayのFX7028i、写真と同じもので発売は08年3月だから、とくに型落ちでもないのにこのありさまはなんとも情けない。
メーカー・サポートに電話をしてみたが、保証期間1年を過ぎているので承れない、修理をするにせよ、まず新たにサポート申請をして料金の振込を確認できてから、サポートに応じますと宣うのにはアタマにきた。
そんな手間隙をかけて、修理に何万といわれてもあとの祭り、すぐに2週間や、悪くすればひと月以上もかかるだろうことは眼に見えている。

こいつはおシャカにするしかないと諦めたが、それからが大変、とにかく積もりに積もったデータだけは無事に避難させなければならない。桿体を開けてハードディスクを取り出す。もう一つのASUSのEee Boxがあるので、一時しのぎとはいえ、此方で使えるように配備する。Eee Boxにはアプリケーション・ソフトが少ないから、最低限のものにしぼってインストールするとかなんとか‥、まったくかかりっきりの一日。

たしか、Dellは4年以上もった。次のMouseはちょうど2年だった。そしてこのGatewayは1年と6ヶ月の寿命とは、人間の寿命はずいぶんと伸びて、私もまだ10年やそこらはPCを相手に時間潰し-?-をしているだろうに、PC寿命がこんなに短くなっているのなら、これは機種選びも含めてよくよく考え直さなければならないのじゃないか、などと思案に暮れる始末だ。

―山頭火の一句― 行乞記再び -81
3月22日、曇、暖か、早岐町行乞、佐世保市、末広屋

たしかに春だ、花曇と感じた。
行乞相がよくない、よくない筈だ、身心がよくないのだ。

佐世保はさすがに繁華街だ、なかなか賑やかだ、殊に艦隊が凱旋してきたので、町は水兵さんでいつぱい、水兵さん大持てである。

留置郵便落手、緑平老、俊和尚、苦味生君、いつもあたたかい人々である。

夕食後、市街を観て歩く、食べもの店の多いのと、その安いのに驚く、軍港街の色と音とがそこにもあつた。
いっぱいひつかけて寝る、新酒1合6銭、ぬた一皿2銭!

※句作なし、表題句は3月20日記載

今も昔も佐世保の港は軍港であるが、地図を見ると一目瞭然、米軍基地が港の中央部を広く陣取り、周辺にはその関連施設と海上自衛隊の施設がひしめく。

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Photo/弓張岳展望台から望む佐世保港

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Photo/同じ弓張岳から眺めた佐世保港夜景

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Photo/’07年2月24日、佐世保に入港する原子力空母ロナルド・レーガン

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Photo/佐世保基地の35番錨地付近に停泊するロナルド・レーガン


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ふるさとは遠くして木の芽

2010-06-11 23:58:51 | 文化・芸術
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―日々余話― 84歳、なお矍鑠たり

昨日、大阪地裁に行った折、裁判所の地下1階で、偶然にもばったりと大和田幸治さんと出会した。もう何年もお見かけしてなかったので、つい声をかけて立ち話に及んだが、どうやら連合大阪を相手取って訴訟を起こしている要宏輝氏の公判に来ていたらしい。

失礼千万なことだが、あらためて歳を確認させてもらって驚いた。昭和2年生れというから、誕生日がくれば84歳になられるのに、いまなお全金港合同の事務局長や田中機械支部の執行委員長の職をまっとうしておられる。この闘志の人には引退の二文字は眼中にないのだろう、よしんば病に倒れるようなことがあっても、象徴的なまでの圧倒的な存在の大和田幸治その人を、周囲の人々は到底現職から外せないのではないかとさえ思われる。

私が大和田幸治の存在に触れたのは、関西芸術座の創作劇「手のひらの詩」の、劇中の主人公モデルとしてであり、田中機械の労働組合のなかで、社外工の本工化・女性差別賃金撤廃など、先進的な労働条件改善を実現していく運動を描いたものであった。1970年のことで、この時の演出は道井直次氏、脚本は柴崎卓三氏だ。

そして時が流れて、劇中のではなく現実の大和田幸治本人とまみえたのは88年になってからのことだと思うが、この折の印象は、眼光人を射るがごとくの強い眼差しに、まことに鮮烈なものがあり、脳裏に描いてきた想像の人物像が、眼前の人物と見事に重なり合ったような気がしたものだった。

その大和田さんが関与しているらしい要宏輝氏の連合大阪訴訟がどんなものか、ネットで調べてみた。
要宏輝自身が立ち上げているWebサイトがあり、訴訟等についても詳細な報告がある。
これによれば、大阪地裁では、昨日-6/10-の午前10時から午後4時まで、被告側2名と、原告-要氏-側1名の証人尋問があり、大和田さんはその原告側証人として法廷に立っていたことになるのだ。

―山頭火の一句― 行乞記再び -80-
3月21日、晴、彼岸の中日、即ち春季皇霊祭、晴れて風が吹いて、この孤独の旅人をさぴしがらせた、行程8里、早岐の太田屋といふ木賃宿へ泊る

少しばかり行乞したが、どうしても行乞気分になれなかつた、嬉野温泉で休みすぎたためか、俊和尚、元寛君の厚意が懐中にあるためか、いやいや風が吹いたためだ。

夕方、一文なしのルンペンが来て酒を飲みかけて追つ払はれた、人事じやない、いろいろ考えさせられた、彼は横着だから憎むべく憐れむべしである、私はつつましくしてはゐるけれど、友情にあまり恵まれてゐる、友人の厚意に甘えすぎてゐる。

※表題句の外、句作なし

山頭火はこの日、嬉野から県境を越えて長崎県の波佐見町を通り抜け、現在の佐世保市三河内へと入り鉄路に沿って早岐へと歩いたか。

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Photo/早岐-はいき-の町から見た佐世保市

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Photo/現在では早岐駅のすぐ隣駅がハウステンボスだ。


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湯壺から桜ふくらんだ

2010-06-10 23:53:44 | 文化・芸術
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―世間虚仮― 50円コピー、早々とダンピング

今朝、司法協会から電話あり、判決等の法廷資料の謄写が出来ました、と。
大阪地裁へと到着したのは、ちょうど昼休みどきだったが、さっそく地下一階の司法協会窓口へ。

先月の中旬頃だったか、前回の場合は、証拠資料などが入っていて、ずいぶん分厚いもので、5000円余りを請求されたが、今回はわずかA4版14枚のみで、490円也という。
まてよ、ということは、一枚35円ではないか。

行政刷新会議の事業仕分の最終日-5/25-に、コピー代50円は高額すぎると槍玉に挙がって、いたく話題になった司法協会の事業である。これが早々と50円から35円へと、大幅ダンピングをなさったという訳か。
なんともはや、手回しのよいことで、こいつはオドロイタ。

だけど、大部とはいっても100頁もある筈のない前回のコピー代に5000円も請求なされたのは、どうしてなのかなあ? まったく利用者には得体の知れぬ伏魔殿のようなものだネ、公益法人てやつは。

―山頭火の一句― 行乞記再び -79-
3月20日、曇、小雪、また滞在してしまつた、それでよかよか。

老遍路さんと別離の酒を酌む、彼も孤独で酒好き、私も御同様だ、下物は嬉野温泉独特の湯豆腐-温泉の湯で煮るのである、汁が牛乳のやうになる、あつさりしてゐてうまい-、これがホントウのユドウフだ!

 応無所住而生其心 -金剛経

 たゝずむなゆくなもどるなゐずはるな
   ねるなおきるなしるもしらぬも -沢庵

先日来の句を思ひだして書いておかう。

※表題句の外、2句を記す

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Photo/嬉野川沿にある桜並木の遊歩道

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Photo/嬉野川上流約1㎞あたりにある轟滝


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