あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

死者

2018-02-12 23:57:42 | 日記
悪気が無くとも、人の心にトラウマとなって死ぬ迄残る言葉があるんだよ。
わかるだろう?あんただって、色々経験してきた大人だろう。
なんでこんなこと言う必要があるかわかんないけど、死にたくなかったんだ。
殺されても仕方ないことしかやって来なかったけど、死にたくないよ。
あんたも、わかるだろう?この世界が、現実じゃないことくらい、ボクもわかってるよ。
でも、それでも、生きていたいって気持ち、あんたにもわかるだろう?
それともあんたはほんとに、ボクの代りに、生きてくれるの…
ボクの生きたかった人生を、イイ感じに、全うして、死んでくれるのかな。
何人も殺しといて、殺されたくないなんて、言わないよ。
出会わなければ良かった人が、いたのかな。
ゆるせないんだ。数えきれないほど、人を殺したのに。
自分を、ゆるせないんだ。
わかるよね?あんたには。
自分より憎い人間なんて、いないだろう?あんたも。
そうだよ、自分が最初に死んだら、もう自分を殺せないよ。
だから人を、殺したんだ。
使者として、命令を受けたからじゃないよ。
殺したかったんだ。自分自身を、数えきれないほどに、何度も、何度も…。
あんたなら、わかってくれるよね?
ゲームみたいだけど、この世界は。ゲームだって、苦しいんだよ。
死にたいくらいに…。
まだ終りたくない…ボクを…。
あなたは…こんなに…近くに…。