あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

Butchers

2018-02-15 09:36:05 | 日記
また、終わったよ。先生。

何が終わったんですか?

イイ感じに、話が続いていた女性がいたんだけど…またボクの悪い癖が出ちゃって、終わってしまったんだ。

それは良かったですね。

……。もう少し、話がしたかったのに。もう彼女とは、きっと一生話せないんだ。

相手には話したいことがないのに、一体あなたは何を話したいんですか?

……。

彼女はあなたと話していたのではなく、あなたの幻想と話していたのです。
でもあなたの場合、自ら幻想を壊すことを繰り返し、すべては虚しき霧消と化すことを証明しようとしているのです。
あなたは何人、人を殺して来ましたか?

憶えてないよ……人を殺すときって、いつも朦朧としてるし、ボクじゃないみたいだ…。
殺すことの罪悪感より、殺されないことに必死なんだよ。
殺さないと、ボクが殺される。
でもみんなもっと酷いことやってるじゃないか。
殺されないのに、胎児を殺しまくってるし、
殺されないのに、殺して動物の肉を食べたりしてる。

そうです。すべての人間は、同罪です。
しかしあなたの遣ることは、あなたが決めることです。
あなたが行ったすべての行為は、あなたがいつか経験によって返していかねばなりません。
だからあなたは何度死のうが、リスタートしなければならないのです。

わかってるよ、そんなこと。だから苦しんでるんだ。心は死んでるんだ。死んだ感覚で、まるでゲームみたいに生きてるんだ。人や動物を殺し続けないと生きていけないなんて、死んでるじゃないか。生きてるなんて、言えないよ…。生きる喜びなんて、もうとっくにない。

わたしたちはいつになっても、死ねないのです。
それはわたしたちが、いつまでも罪人のままだからです。
存在そのものが、深い罪であるからです。
わたしたちが永遠につみびとである限り、わたしたちは永遠に死という眠りによって救われることはありません。
多くの存在は、その真理にまだ気づいていません。
だから本当に死ねると信じているのです。
存在は死によって、救われるなどと虫の良い話を。
何者も、苦しめずにいる存在などいないのに、その罪を延々と自ら贖ってゆこうという気持ちがないのです。
しかし誰一人、赦される存在はいません。
あなたにお聴きします。
①殺したくはないのに、殺してきた。
②殺したかったから、殺してきた。
③殺したい想いも、殺したくない想いもわからずに、殺してきた。
あなたはどれですか?
勿論、あなたの食べてきた動物も含めてです。