あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

2019-05-17 00:17:32 | 
ステージのカーテンが開いた。中から鴉のマスクを、着けた女が現れた。
女は咄嗟に言った。
おまえ、昨夜、笑っとったらしいね。
今日ね、聞いたよ。おまえの職場の同僚からね。
このステージは、おまえのレベル、0だ。
今此処から、おまえが生まれ、存在としての、責任を負ってもらう。
おまえを責める任務のため、おれが生まれてきた。
地獄の果まで、おまえを責め苛めてあげよう。
死肉を喰うて、楽園が待っていると想うなよ。
オーシャンが、きみを待っていても、ポーションが、きみを苦しめ、モーションが、きみをいざなう。
死靈の街へ。そこで虹色に光るホワイトラブラドライトを、握っている。
令和の悲しみが、きみを下敷きにする。
そして白紙の上で、天使たちは、不味いパスタを、見詰めている。
霧のなかを歩いてゆく白い牛。
なぜぼくは、きみを愛し、明日を見喪ったの?
ぼくを、戻してほしい。
きみが轡(たずな)を、手放す日。
ぼくはその日の朝日を、夢見ている。
黄金に燃えゆる絆の日。
全存在が、死を喪う日。










The Drums 09 Blip of Joy (2019)