昨日の台湾工商協進会理事長の黄茂雄氏の講演は大変勉強になりました。
昨年も李登輝元総統と一緒に秋田を訪れており、今回で3度目の秋田来訪になります。
工商協進会というのは、日本で言えば経団連のような組織で、台湾経済界の第一人者です。
家電などを中心にした東元グループの総帥で、全世界で従業員1万人、年商3700億円の大企業を率いています。
黄氏は日本の高校、慶応義塾大学を卒業した経歴を持ち、若い頃7年間日本にいたことから、実にきれいな日本語を話されます。
「東アジア経済の現状と今後の動向」と題した講演では、
1、今後はインドの発展が顕著になること。(世界一安いナノカーは2000ドルで現地 では自転車より安いとのこと)
2、中国は世界の工場から世界の市場になったが、中国市場は一つと見るのではなく、小さな塊が集まっていると考えるべきで、それぞれの地区のつながりを持つことが重要。地方の指導者がキーマンであり、焦点を絞った特定の地区と連携すること。
3、中台関係は緩和しつつあり、中国市場に進出するには、台湾を活用することも有効。日本の常識は中国の非常識というほど基準が違う。
4、中国にはもう廉価な労働力を期待すべきではなく、安い労働力はバングラディシュなどにある。
5、中国は環境問題にも本気で取り組もうとしており、日本の省エネ、新エネ技術は大きな武器になる。
6、中国の弱点は国際化であり、日本は明治維新でいち早く西洋の異文化を取り入れてアジアで一番を手にいれた。日本は閉塞感に満ちていると考えず、一層の異文化、異人種の受け入れで第二の開国をすることで更なる発展は可能。
などなど、世界を駆け回っている経済人らしく、実に示唆に富んだ講演でした。
来月、私は県議会の有志と一緒に中国を初めて訪問します。
中国に秋田の住宅を建築している場所などを見てきます。
秋田県と友好提携している甘粛省などにも行ってきます。
中国のどこと連携するのが秋田にとって有効か、現地で確かめてきます。