奈良の生駒市にある「生駒聖天(いこましょうてん)さん」
と呼ばれ地元に親しまれている宝山寺(ほうざんじ)にお参り
しました。
たくさん撮影しましので、動画を作りました。
BGMは、ビバルディの四季「冬」です。
(Vivaldi - Four Seasons "Winter": Largo)
宝山寺は平安時代初頭に弘法大師が開いた仏教の宗派で、中国から
取り入れた密教を下地にした真言宗のお寺ですが、入り口には石造り
の大きな鳥居があります。これは、神仏混合の寺ということを意味しています。
時代の流れとともに様々な思想や宗派を取り入れてきた神秘的な歴史を
感じさせます。
江戸時代に湛海律師(たんかいりっし)が再興し、歓喜天を祀りました。
この時が事実上の開山と伝えられています。
本堂の背後には、高くそびえる「般若窟」(はんにゃくつ)と呼ばれる
窪みをもったたいへん大きな岩山があります。
奈良時代に修験道の開祖の役小角(えんのおづの)や、空海(弘法大師)が
若いころに修業した場所と伝えられています。
般若窟の窪みには弥勒菩薩像が安置されています。
湛海律師は、生駒山の中腹にそびえ立つ巨大な岩山を仰ぎ見て、入滅する
までの四十年間、一度も山を降りることなく、ひたすら信仰に励まれたようです。
宝山寺には、この他にも修行地があり独特な景観が見られます。
江戸時代には、宝山寺は商売の神として大阪商人の信仰を集めた事から、
現在でも、商売繁盛のために商店主や会社の人などがお参りしておられます。
また、宝山寺へと続く参道は風情のある坂道の石畳が連なり見晴しがたいへん
いいです。春には桜、初夏には新緑、秋には紅葉が楽しめる美しい場所です。
お正月なので参拝者が多く、たいへんな賑わいでした。
東大寺や薬師寺、唐招提寺といった奈良のお寺とは、又違った趣があります。
奈良に来られたら生駒まで足を伸ばして、神秘的な信仰の世界を感じてみる
のもいいと思います。