世界中でコロナ対策として未曽有の財政支出が行なわれている。巨額の支出はやむをえないが、それにしても日本政府の対策は当を失しているように思える。コロナを名目に関連の薄い事業がはいっていたり、そもそもコロナ前に安倍政権は好景気を宣伝しながら「輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」異次元緩和頼みのアベノミクス(過去ブログ)をやめようとしなかったのも問題なのだが、今日のところは措いて . . . 本文を読む
旧日本軍の従軍慰安婦が日本政府に慰謝料を求めた韓国での裁判で、ソウル中央地裁が訴えを認める判決を出した。日本側は、国家には外国の裁判権は及ばないという国際法上の原則「主権免除」を理由に訴状を受け取らないなど裁判を拒んでいた。「韓国は非常識だ。国際常識や国際法が全く通用しないと自ら世界に発信しているようなものだ」(外務省幹部)との声に心情的には全く同感だ。だが今回の判決を批判する前提として、裁判でも . . . 本文を読む
トランプ大統領がようやく政権移行への協力を表明した。だが大統領が煽った群衆による議会占拠に対する非難の声に追い込まれてやむなくというものだ。
その後もトランプ氏は「不正選挙」とする根拠のない主張を繰り返してツイッターやフェイスブックのアカウントの一時停止処分を受け、一時停止解除後にも「私に投票してくれた偉大な米国の愛国者たちは、将来にわたって巨大な声をもつ」「大統領就任式には出席しない」などとツイ . . . 本文を読む
私はリベラルを標榜しているが、「反原発」ではない。放っておいても熱を出し続ける(むしろ、冷却が途絶えると福島原発のような事故につながる)原子力は「夢のエネルギー」という感覚がまだちょっとあって、使わないのはもったいない気がする。だがそんな私でも「原発に賛成か反対か」と二択で聞かれれば反対と答えるだろう。政府の長年の原子力政策が無責任で、信用できないと思われるからだ。放射性廃棄物の扱いもはっきりしな . . . 本文を読む
このタイトルでの投稿は以前から考えていたが、与野党がばらまき政策を競う状況を憂えてのことだった。まさか本当に「お金あげます」を公約に掲げる候補者が続出して支持を集めるとは思ってもみなかった。
2020年5月の神奈川県小田原市長選で僅差で初当選した守屋輝彦市長は、選挙公報に「ひとり10万円」と書いたおかげで勝った可能性がある。当選後、国の特別定額給付金のことだったとしたが、国とは別に市独自の給付だと . . . 本文を読む
「桜を見る会」の前日に安倍前首相の後援会が高級ホテルでパーティーを催したが、費用はたったの5000円。安倍氏が不足分を支払った実質的な有権者買収だったのではないかという疑惑がある。森友、加計疑惑とともにこの桜疑惑も忘れられるかと思われたが、このたびホテルが安倍氏側に領収書を出していたことが発覚した。補填した差額は5年で916万円に上るという。検察は、買収疑惑での立件は難しいとみて収支報告書への不記 . . . 本文を読む
予想外の大接戦となった米大統領選は、バイデン氏が勝利宣言をしたが、トランプ大統領はまだ敗北宣言をせず、最高裁まで争う構えを見せている。開票序盤でのトランプ氏のリードが、開票が進むにつれて魔法のように消えたというトランプ氏の不満はわかるが、開票に時間がかかる郵便投票で民主党支持者の郵便投票が多いことははじめからわかっていた。
もちろん不正が行われた証拠があれば対処は必要だが、開票監視員が排除された旨 . . . 本文を読む
日本海の大和堆は日本の排他的経済水域(EEZ)内の好漁場だ。だがこのところ中国漁船の違法操業が急増している。ところが水産庁は、9月末から一部海域への日本漁船の入域を自粛するよう要請しているという(朝日新聞2020-10-21)。安全が確保できない、ということだが、違法な中国漁船を野放しにして日本漁船を締め出すというのはあまりにおかしくないか。(上記リンク先の写真にあるように水産庁の漁業取締船が中国 . . . 本文を読む
たまには笑える話を(朝日新聞2020-10-20)。
菅首相は安倍首相の下で官房長官として、記録の隠蔽や改竄を問いただす記者らの声に木で鼻をくくったような回答を続けていた。2017年のとある記者会見でのこと。加計学園問題に関する議事録公開に関し、記者がある本からの引用を読み上げた。
「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」 . . . 本文を読む
横浜市で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を住民投票にかけるべきだとする署名運動が法律上必要な6万2541筆を上回った。これをもとに住民投票条例制定が請求されれば、地方自治体法により、市長は自分の意見を付けた条例案を市議会に提出する義務がある。市議会では国政でカジノ推進を決めた自民党・公明党が多数を占めるが、いずれも支持者には慎重派も多く、議員は必ずしもIRへの賛否をはっきりさせていないと . . . 本文を読む
トランプ大統領は米軍駐留経費負担の大幅な増額を求めているが、実務担当者による事前協議が始まった(朝日新聞2020-10-16)。日本側は「正式な交渉という位置づけではない」としているが、ずるずるとアメリカ側のペースにのまれて行かないか、心配だ。安倍政権は自動車関連関税の撤廃の約束を勝ち取ったと国内向けに宣伝しているが、その実が疑われている(過去ブログ)。その安倍内閣の方針を踏襲するという菅内閣であ . . . 本文を読む
NHKの朝ドラ「エール」(10月2日放送)のせりふが菅首相へのあてこすりではないかと思えてドキッとした。
「みんなが同じ考えでなくてはならないのかな。そうじゃない人はいらないっていう世の中は、私はいや。」
舞台は第二次大戦中。主人公の妻が、戦争の役に立たない音楽などいらない、非国民だと言われたあとに漏らした言葉だ。念のために言っておくが、べつに脚本家が菅首相を批判するつもりで書いたせりふではない。 . . . 本文を読む
安倍政権が幕を閉じてアベノミクスに関する総括が当ブログも含めあちこちで行なわれているが、「多事奏論」(朝日新聞2020-9-16)が端的にまとめていた。
「輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」
「建設国債を大量に発行し、日銀に全部買ってもらう」
これがアベノミクスの本質だ。安倍氏自身が、自民党が政権に返り咲いた2012年の総選挙に向けた全国遊説で触れ回ったことだ。「アベノミ . . . 本文を読む
安倍首相が潰瘍性大腸炎を理由に辞任を表明した。第一次安倍政権で1年で政権を投げ出したときも、後日この持病が理由であったと公表された。病気はある意味不可抗力なのだから、「大事な時に体壊す癖」(石垣のりこ氏)という批判はやはりまずい。だが記者会見での首相の様子を見ても一刻一秒を争うようには見えなかったというから、「なぜ今なのか」という疑問は残る。
「桜を見る会」問題で次々に疑惑が持ち上がっていた時、検 . . . 本文を読む
中国が資金力にものを言わせて、アジアやアフリカ、ヨーロッパにまで影響力を広げているが、借金漬けで中国に支配される「債務のわな」に気づいて中国頼みを見直す国も多い(過去ブログ)。今回はチェコだ(朝日新聞2020-9-2)。
投資事業が予定通り進まないなどの理由でチェコでは中国への失望が広がり、プラハ市で北京市や上海市との友好関係を犠牲にしてまで台北市と友好関係を結ぶ動きまである。そんななか、前上院議 . . . 本文を読む