右派による教科書攻撃はいつか副読本や授業中の発言にも向けられると思っていたが、このたび駿台予備校の日本史テキスト『日本史近代1』における竹島や南京大虐殺に関する記述の一部が、SNSでの批判と自民議員の「問い合わせ」を受けて削除が決まったことがわかった(朝日新聞2021-9-14)。
問題にされたのは、竹島について「日露戦争中に日本は独島(トクト)を領土に編入して既成事実化して竹島と命名した」との記 . . . 本文を読む
横浜市教育委員会が明日4日、市立中学校の歴史教科書の採択をやり直す。採択はすでに2020年6月に行われており、今年度から4年間使う教科書が決まっているのだが、2019年度実施の検定で多数の欠陥が指摘されて不合格になった教科書が2020年度に再申請して合格したことを受けたものだ。文部科学省は「採択替えを行うことも可能」という通知を全国の都道府県教委に出したが、再採択をするかどうかは強制ではなく、任意 . . . 本文を読む
自民党の小此木氏が、横浜市長選に立候補し、そのために閣僚を辞任した。直前の国会では土地規制法に関して自分が「先頭に立って確実に進める」と断言していたのは欺瞞だったのかとの疑惑(過去ブログ)や、オリンピックの仕事を放り出したなどの問題はあるが、それは今回は取り上げない。
驚いたのは、横浜市が住民の声を無視して進めようとしているカジノ誘致を取りやめると断言していることだ。だが小此木氏は菅首相と個人的に . . . 本文を読む
東京五輪の開会式の前日になって、開閉会式のディレクターだった劇作家の小林賢太郎氏が解任された。お笑いコンビ時代の1998年(当時は25歳だった計算になる)に発売されたビデオに「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」というせりふがあったことにネット上で批判が高まり、外国でも強い反発を呼んだ。たしかにお笑いのネタにしていいものではないが、「核攻撃で殲滅だ!」といったせりふだったら許されたのだろうか、「カミカゼ」「ヒ . . . 本文を読む
Explosives sent to a venue of an exhibition unpalatable for the right wing made customers evacuate. At other venues, the exhibition could not be held because use permission of the venue was revoked be . . . 本文を読む
2年前の当ブログは、「不自由展」問題一色だった。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が右派の抗議で一時中止に追い込まれた問題だ。今夏、その出展作品を集めた展覧会にも攻撃の矛先が向けられている。(朝日新聞2021-7-6)
東京では開催告知段階で街宣車6台と数十人が周辺の住宅街で大音量で叫び、会場のオーナーが辞退に追い込まれた。急遽確保した別会場では、会場名を . . . 本文を読む
土地規制法が参院を通過した(朝日新聞2021-6-16夕刊)。外国人による重要施設周辺の土地保有を懸念しての法案だったが、自衛隊や米軍基地周辺での行動が規制されるから、沖縄の市民運動の取り締まりに悪用されるのではないかと懸念されている。それというのも、何が規制されるのかが曖昧で、いくらでも拡大解釈される余地があるからだ。特に基地などの「機能を阻害する行為」がどこまで対象としているのかがはっきりしな . . . 本文を読む
基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を25年度は黒字にするという目標がある。これまでも先送りされてきたが、菅政権がまとめた「骨太の方針」の原案では先送りに含みをもたせる内容になっているという(朝日新聞2021-6-10)。コロナで財政出動が増えてやむなくというのはありえなくもないが、自公政権は以前から本気で財政健全化に取り組もうとしてこなかった。今回の記事によれば、与党内には「諸悪の根源は . . . 本文を読む
今年中に必ずある総選挙に向け、野党の間で消費減税を公約にする動きがあるという(朝日新聞2021-6-4)。後手後手のコロナ対策や遅々として進まないワクチン接種のみならず、政権浮揚のために科学的知見に基づかずに「結論ありき」で有観客五輪に向け突っ走る姿勢など、菅政権は問題が多い。政府に私権を制限する大権を与える土地規制法案を衆院内閣委員会で強行採決するなど(過去ブログ)、強引な政治手法も安倍政権を踏 . . . 本文を読む
中国は中東欧などの16か国と経済協力の枠組み「16+1」を作り、それにギリシャが加わり「17+1」となっている。そのギリシャでは2016年にピレウス港の経営権を中国企業が取得した。中国はそこからセルビアを経由してハンガリーのブダペストまでを高速鉄道で結ぶことをねらっている。単に巨大な経済圏を築くというだけではなく、そのための工事でも中国企業が潤うようになっており、クロアチアでも約380億円相当の架 . . . 本文を読む
自衛隊基地周辺や国境離島などの土地の利用を規制する法案を自公政権は衆院内閣委員会で強行採決した(朝日新聞2021-5-28夕刊)。規制が必要なこと自体は多くの野党も認めているのだから、話し合って最善のものにする余地はあったはずだ。なのに話し合いに応じず強行採決にしたことは嘆かわしい。
きっかけは、外国資本が自衛隊基地周辺や国境離島の土地を購入していることへの不安の声だ。そこで、法案には自衛隊や米軍 . . . 本文を読む
数年前からMMT(現代貨幣理論)なるものが注目を浴びている。自国通貨をもつ政府はインフレさえ抑えられれば政府債務があっても問題ないとするもので、日本政府には歓迎されている向きがあるが、経済学の主流派からは批判されていると聞く。だが莫大な政府債務があっても破綻しないという理論はほかにもあるそうだ。
「重要なのは国債の残高より、必要な資金調達ができるだけの国力があるか否かであり、経常収支の黒字がその目 . . . 本文を読む
福島の事故原発では原子炉内で溶けて固まった燃料が熱を放出し続けるので、それを冷やすために使う大量の水に放射性物質が混入し汚染水となる。建屋が壊れているためそこに地下水が流入するのでその量はさらに増える。放射性物質を除去する処理をした汚染水(処理水)でもトリチウムという水によく似た放射性物質は分離できずに残るので軽々に捨てるわけにもいかず、タンクに貯蔵することになるのだが、処理水は毎日約170トンた . . . 本文を読む
いくらきれいごとを言っても政治は力関係がものをいう。辺野古埋め立てや米軍機の超低空飛行など、日本政府の対米従属ぶりはひどいものだが、中国の脅威が増す一方、国力が低下する一方の近年、アメリカの軍事力に頼らざるを得ない日本はどうしても強い態度に出られない。
もちろんアメリカが日本に基地を維持することはアメリカの世界戦略の上で重要なのであって、安保条約は日本がアメリカに守ってもらうばかりの「安保ただのり . . . 本文を読む
安倍政権は株高をアベノミクスのおかげと誇っていたが、その実は日銀などが株の買い支える株価操作のおかげでしかない。
企業の業績がいいから株高になるというのはわかる(その業績がいいというのも、金融政策のおかげでは困るのだが)。
株価は企業の業績(予想)に連動して上下するのが当然であり、「株価が下がってはいけない」という政治的理由で株を買い支えるのは本末転倒だ。投資家は日銀の介入を見越していて、午前中に . . . 本文を読む