憲法改正に向けて執念をむき出しにする安倍首相だが，９条２項を維持したまま自衛隊の存在を明記するという改憲なら「何も変わらない」ことをことさら強調しているようだ．いわく，「現行の２項の規定を残したうえで，自衛隊の存在を明記することで，自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」と．「何も変わらない」のになぜそうまでして改憲したがるのか．その理由として今のままでは自衛隊が違憲だとの疑問が残るということらしい．だが，歴代政権はみな自衛隊を合憲とみなしてきたし，国民の多くもそう思っているだろう．だから憲法を改正して自衛隊の存在を明記したいということらしい．だが憲法改正を発議して国民投票で否決されたら，自衛隊は違憲ということになるかという疑問に対し，首相は改憲が成立してもしなくても自衛隊の合憲性は「変わらない」と言い切る．いよいよわけがわからない．
いや，首相の本音は明らかだ．内容は何でもいいからとにかく改憲して実績を作りたいということなのだろう．そして国民に改憲慣れさせておいて，本当にやりたい憲法改正をするのだろう．
では本当にやりたいこととは何か．それは安保法制とか，特定秘密保護法とか，「共謀罪」法案といった安倍政権のこれまでの流れや，自民党の憲法草案を見れば明らかだ．９条への加憲では「何も変わらない」が，その先の，国民を「お国のため」に駆り立てる改憲こそが本命だ．
何度も言うように，「リベラルくずれ」の私は実はもはや９条にはこだわっていないのだが，それでも安倍政権に憲法改正をさせてはならないと思う．
関連リンク：
朝日新聞社説（2018-2-9）
関連記事：
「改憲「緊急事態条項」は「国難」による首相の終身化に道を開く」
「日本人には改憲はそぐわない」
いや，首相の本音は明らかだ．内容は何でもいいからとにかく改憲して実績を作りたいということなのだろう．そして国民に改憲慣れさせておいて，本当にやりたい憲法改正をするのだろう．
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