リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

自由主義的な「無償化」と社会主義的な「無償化」

2017-12-09 | 待機児童
このところ幼児教育無償化に使う財源があるなら待機児童解消に向けるべきだとの考えを続けて投稿しているが,兵庫県明石市では先に無償化をして成功した(12月6日)と聞いて驚いた.どういうことなのだろう.
だが明石市が「2人目以降の保育料無償化」を含む子育て支援によって人口増や経済活性化をわずか数年で達成したことは,周辺でやっていないことをやったおかげによる先行者利益というべきだろう.国レベルで一斉に無償化したら,周辺からの子育て世代の流入効果はない.
私も若いころは国を挙げて全国平等に公共サービスを無料化するといった社会主義的な施策を理想と考えていたし,「日本は最も成功した社会主義国」と呼ばれたことも誇りに思っていたが,今の日本の財政事情はそれを許さない.しかも,競争原理が社会の活性化のために必要であることを自覚した今では,全国一律に無償化して,先行した自治体の特徴を帳消しにしてしまうことがいいのかどうか迷っている.
安倍政権が掲げる全国一律の幼児教育無償化は「社会主義的」な無償化だ.
対して,個々の自治体が地元の活性化を考えた子育て支援策としての無償化は競争原理に基づく「自由主義的」と言ってもいいだろう.そのほうが今の日本には合っているのではないだろうか.自治体は,高額な返礼品でふるさと納税を奪い合う競争をするのではなく,子育て政策で競い合ってほしい.保育士の待遇改善に関し近隣自治体で奪い合いになるなど,自治体間の競争にも問題はあるが,保育士が待遇のいい仕事として定着すれば資格取得者も増える.今でも保育園の設置基準を国の基準より高くして保育の質を高めている自治体があると聞く.無償化についてはもう少し各自治体の自主性にゆだねて,国は待機児童解消に注力してほしい.

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 保育園新設で地元とトラブル... | トップ | 待機児童問題は「神の見えざ... »
最新の画像もっと見る

待機児童」カテゴリの最新記事