リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

ウソをつかずに質問をすり替える「ご飯論法」

2018-05-31 | 政治
森友・加計問題で次々に新事実が明らかになるなか,安倍首相は否定を続けている.だがあとから新たな事実が出てきて否定がウソだったとわかるとまずいので(実際に,そういう場面が何度もあった),できるだけウソにならないよう論点をすり替えたり,否定する対象を強く限定したりする.追及する側はそこを見逃さないようにすべきなのだが,首相がはぐらかすことに専念しているので,押し問答になってしまうのがもどかしい.

だが,活字だけで見ていると微妙な点がわかりにくいことがある.「私から指示を受けたという方は一人もいない」(asahi.com)との安倍首相の発言を見たとき,首相は「首相から指示を受けた人」がいるかどうかという問いを,「首相から指示を受けましたと言っている人」がいるかどうかとねじ曲げて否定したのだと思っていた.だが日テレNEWS 2018-4-11のビデオを見ると,「前川前次官も含めて、私から指示を受けたっていう方は一人もいないわけであります」のような発音(「っていう」の部分は短い)になっており,首相が「と言う」とすり替えたわけではないようだ.現にこの直後に「プロセスにおいても問題がない、または私から指示を受けた方もいないわけでございます」と続けている.

「と言う」については私の誤解だったようだが,首相の論点すり替えは広く指摘されているらしく,「ご飯論法」という語までネットで広まっているそうだ.朝ごはんは食べたかとの質問に,「(パンは食べたが)ご飯(米の飯)は食べていない」と答えるようなものだ,という趣旨の用語だ.働き方改革関連法案をめぐる厚労省の答弁について法政大学の上西充子教授がツイートで使ったのが広まったという.(朝日新聞2018-5-29

野党も国民も,「ご飯論法」でごまかされないよう,目を光らせていなければならない.

関連記事:
「ウソではない曖昧答弁を見逃すな」

追記:今日の社説の主題も,党首討論で見られた,論点をすり替える「安倍論法」だった(朝日新聞2018-5-31).挙げられている例を見ると,質問を完全にねじまげており,「ご飯論法」にすらなっていない.

追記2:首相の答弁を「信号無視話法」と分析した個人ブログが話題になっているという(朝日新聞2018-6-20).国会での議論がかみ合っていないのに驚いた会社員が首相討論を分析したところ,立憲民主党の枝野氏の持ち時間19分のうち安倍首相の発言は約12分を占め,その内容を文字ベースで「青」(質問にきちんと答えた),「黄」(質問の内容を繰り返した),「赤」(質問と無関係)に分類すると青4%,黄41%,赤34%と,7割以上が意味のない答弁だったという.



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