リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

保育士の待遇改善:自治体はどうやってる?

2018-07-02 | 待機児童
待機児童解消のために保育士の確保が待ったなしの課題になっている.今日の朝刊でも保育士不足のために定員を減らしている保育園が204園もあったことが報じられていた(朝日新聞2018-7-2).かといって定員を減らすなとは言えない.保育士に余裕がなくなり「自分の子も預けたくないような」環境になってしまう事例も残念ながらめずらしくないようだ(同4面).そのような環境では保育士を増やしても離職者が絶えない状況になる.

対策として保育士の待遇改善が叫ばれているが,具体的にどうすればいいのだろうか.
保育士らを対象とした調査によれば,改善すべき点として挙げられたのは,「賃金」に次いで,「残業や持ち帰り」や「職員一人が受け持つ子どもの数や業務の量」が多かったという.このうち後2者は保育施設に配置される保育士の数が十分であれば改善されるだろう.そのためもあって,多くの自治体では国が定める基準を超えた保育士を配置する基準を設けている.政府はこれを国基準並みに引き下げさせようとしているようだが,目先の定員を増やさせるための小細工でしかなく,現場の窮状を悪化させるものであることは明らかだ(過去ブログ「保育園数も保育士の待遇も,国の想定が甘すぎる」も参照).

以前読んだ記事によれば,兵庫県明石市では,新たに働く保育士に最大30万円の一時金を支給するほか,家賃や給料も補助しているという(過去ブログ「子育て支援で人口増と経済活性化を実現した明石市の「無償化」とは?」).今日の記事によれば大阪も奈良より待遇がいいようだが,大阪は具体的にはどうやっているのだろう.他の自治体で参考になるよう事例を集めてほしい.
また,園長らの人件費が異常に多い施設の場合,配分を見直すだけでも保育士の賃金改善ができそうだ(過去ブログ「限られた予算で保育士の待遇を改善する」も参照).

問題は,ある自治体が待遇を改善すると,近隣の自治体で保育士不足に拍車がかかるということだ.ここはやはり国レベルでの底上げが必要だ.そうすれば,保育士資格をもちながら他業種に流れた人たちを呼び戻すことができるだろう(政府もそのことは目標として掲げていたように思うが,具体的に何かやっているのだろうか?).

政府は待機児童の保護者には何のメリットもない(それどころか需要増で待機児童問題を悪化させかねない)幼児教育無償化に何千億円もの予算をつぎ込もうとしているが,これはやはり保育士の待遇改善を含めた待機児童対策に振り向けるべきだ.政府は無償化を実行しても待機児童解消は可能と言い張っているようだが,保育士不足にどう対処するのか,具体的な政策は聞こえてこない.

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