リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

米軍の地位協定:ドイツとイタリアの場合

2017-08-17 | 政治
かつて鳩山首相は「最低でも県外」と言って沖縄の米軍の普天間飛行場の移転に意欲を見せたが,実現できなかった.代替地はいろいろ議論に上っているようだが,アメリカ側の同意を得るのは難しいようだ.「ジャパンアズナンバーワン」だったころは私は「日本の要求通りにするのがいやなら米軍は日本から撤退してくれて結構」くらいに思っていたのだが,中国の脅威が高まっている今は,なさけないがアメリカに譲歩は避けられないと思っている.(これも私が「リベラルくずれ」たる理由の一つ.)
だがそれでも納得いかないのが「日米地位協定」というもの.米軍が事故を起こしたり,米兵が事件を起こしたりしたときなど,日本側が捜査の主導権をとることもできず,治外法権みたいな扱いになっている.最近,江崎鉄磨・沖縄北方相が見直しに言及して話題になったが,これは失言ですませるのではなく,やはり本気で取り組んでほしい.
こんな植民地・占領地みたいな扱いを不思議に思っていたが,朝日新聞の朝刊で同じ敗戦国のドイツ,イタリアの事情が紹介されていた.
ドイツでは冷戦終結後に2年の交渉を経て協定を改定し,今では駐留軍の移動にドイツの交通法規が適用されるはもちろん,騒音を規制する国内法にも縛られるという.
イタリアでは米軍基地の管理権はイタリア側にあり,軍用機の発着までイタリア軍司令官が責任をもつという.これは第二次大戦時,イタリアは連合国に敗れたものの,北部では連合軍の協力を得てレジスタンスがナチスドイツの占領からの自力開放を勝ち取ったことが背景にあるという.
記事では米兵が事件を起こした場合の扱いまでは触れていなかったがどうなのだろう.
いずれにせよ記事も指摘するように,日本では基地がある地元以外では当事者意識が薄く,それをいいことに政府も無作為をきめ込んでいる.代替地が必要な基地移転とは異なり,地位協定の改定は国民の支持を背景に政府が本気になればできないことではないのではないだろうか.

関連記事:
「米軍の地位協定問題:ドイツは交渉で自主独立を獲得していた」(2018-5-2)※「追記2」として、米兵が事件を起こした場合についても補足しています。
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