勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

拾ったお金で夢を買う

2006-05-18 | 映画のお喋り
 『チャーリーとチョコレート工場』 2005年・アメリカ
   監督:ティム・バートン
   出演:ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、クリストファー・リー

マットの次に好きなジョニデの映画なので、期待感はあった。
ジョニデを世に出した『シザーハンズ』の監督との競演も楽しみ。
そう言えばこの二人『スリーピー・ホロウ』でも組んでいた。
手馴れた相手と組んだ二人が、どう言う引き出しで楽しませてくれるのだろう。

出だしは無難だった。
『ネバーランド』でジョニデを食ったと言われる子役のフレディくん演じるチャーリーの家族は6人。
両親はわかるが、祖父母4人って!今の時代を象徴する逆ピラミッド家族だ。
この貧しさが優しさに溢れる家族愛はお約束だがうるさくはなかった。
ゴールドチケットが当たるまでの気の持たせかたも。

少々ストーリーに触れると、チョコレート作りの天才ウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)は、ある街に馬鹿でかいチョコレート工場を建てた。
彼のチョコレートは大人気だったが、ライバル会社がそのレシピを盗み、次々とパクリ商品を売り出してしまう。
人間不信に陥ったウォンカは、工場を封鎖してしまう。
やがて工場は再開されるが、ウォンカは誰一人雇おうとせず、工場の中の様子は誰にも知ることが出来なかった。

チャーリーの祖父の一人は、かつてその工場で働いていた。
先が短い祖父は、もう一度だけ工場の中に入りたいと夢見ていた。
そんな時、ウォンカはコールドチケットの入ったチョコレートに当たった5人を、工場見学に招待すると言う広告を出した。
(以後完全なネタバレ!)

それからはこの5枚のゴールドチケットを求めて、世界中が大騒ぎ。
チャーリーは祖父の為にゴールドチケットをと考えたが、その日の食事にも事欠く貧しい家庭にチョコレートを買う余裕はない。
やがて1人、2人と当選者が現れる。
両親はチャーリーの気持ちを察して、彼の誕生日にチョコレートを送る。
だがこのたった1枚のチョコレートの中には、ゴールデンチケットは入っていなかった。

工場に勤めていた祖父は、自分のへそくりをチャーリーに渡す。
だがこのへそくりで買ったチョコレートも空振り。
そしていよいよ問題のシーンだ。
4枚のゴールドチケットがすでに他の人に当たってしまった。
失望するチャーリーの目の前に、半分雪に埋もれた10ドル札が・・・。

これはダメだろう。拾ったお金で買ったチョコレートが当たりだなんて。
当然家に帰ったら、両親に「そのお金はどうしたの?」と問い詰められるのかと思ったら、家族揃ってただ喜ぶだけ。
これまで散々、当選した子供とその親がTVに映るたび、ろくな子じゃないとか、親が甘やかしすぎとか批判していたのに。
(実際他の4人の子供は、揃いも揃ってアホばかりだが)
これじゃ、チャーリーも両親も他のところと変わらない。

誕生日で外れ、拾ったお金で外れ、おじいちゃんのヘソクリで当たれば、こんな感覚にならなかったのに。
チャーリーに大きな罪はない。この場合、大抵の子供はチョコレートを買ってしまうだろう。
問題なのは親の態度。
せめて両親が問い質し、子供をしかり、祖父が庇い、両親はこの祖父の為に目を瞑ることにした、なんてエピソードが欲しかった。
お陰でこれ以降、私はこの家族にどうにも共感を持てなくなってしまった。

褒めるとこはもちろんある。
ウォンカ=ジョニデの、白塗りにしてもきれいな顔と、ちょっと悲しげな表情はいい。
ディズニーをホラーにしてしまうとこはかなり好き。
英語のダジャレ、映画のパロディ、ウンバルンバのどこをとっても金太郎飴、セラピーの皮肉。
笑いどころ満載だ。

でもチャーリーが何もしないで、安手のライバルの自滅だけで幸運を手に入れるってどうなの?
せめて罠に落ちた他の子供を助けようとしたとかないの?
それともこれが全部皮肉で、いい子ぶってれば大人なんて簡単に騙せるよねえ…ってオチ?
もっともウォンカだって子供のまま大人になったような人だから、いたずらを楽しんでるだけみたいだし。

悪い子が罠に落ちて、酷い目にあって、それを楽しめれば面白いのだろうか。
少なくとも帰っていく子供はともかく、親の方は大分変化があったようだし。
それでもやっぱりチャーリーの見せ場がまったくないことに変わりはない。
夢の工場ではなく、家族を選ぶのだって、あの年の子供なら当たり前だし。
ま、ウォンカのトラウマ解決には一役買ったけど。

結局拾った(ネコババした)お金で買った宝くじが、見事特等!おめでとう!ラッキーってあるんだね!ってことで納得するしかないようだ。
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『品川庄司』バトン

2006-05-17 | TVや舞台やスポーツのお喋り
K太さんのブログからいただいてきました、指定型バトンです。

**バトンと言うのは指定されたテーマの中で、あたかじめ決められた質問に答え、ブログ仲間に次のバトンを渡す遊び**

K太さんの指定は『品川庄司』でした。

*******************************************************

■■■〔指定型バトンのルール〕■■■

◆廻してくれた人から貰った『指定』を『』の中に入れて答える事。
◆また、廻す時、その人に指定する事。

Q01.最近思う『品川庄司』

   薄いお笑いブームの中では、ちょっと浮いた存在。
   だからこそ、ブームが終わっても生き残れる存在。

Q02.この『品川庄司』には感動!!!!

   やはり最初に見た単独ライブ「maturi」の中の二人。
   コントでありながら、新しい分野の「演劇」か?!とさえ思わせた。

Q03.直感的『品川庄司』

   陰と陽のバランスが絶妙。
   
Q04.好きな『品川庄司』

   ショックなことを言われて落ち込んでいる品川さん。
   それを見て大笑いしている庄司さん。

   頑張りすぎて少し浮いちゃった庄司さん。
   それを見てニコニコしている品川さん。

Q05.こんな『品川庄司』は嫌だ!

   互いのことが思いやれなくなった品川庄司。
   コンビ仕事よりピン仕事の方が楽だと思っている品川庄司。
   上っ面でしか相手を見なくなり、喧嘩もしなくなった品川庄司。
     (こうなったら嫌だということです)

Q06.この世に『品川庄司』がなかったら。

   お笑いをTV番組の一部だと思っていた。
   ダウンタウンより下の世代って、たいしたことないのねと思っていた。
   ルミネに行くことは生涯なかった。
   本当の笑いを知らずに生きていた。

Q07.次に廻す人!!(指定付きで)

   やってみたい方はどなたでも。指定は引き続き『品川庄司』で。
   あるいはYさん、『B'z』なんてどう?
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このメッセージが伝われば

2006-05-16 | 映画のお喋り
お友達Mちゃんが去年の夏に絶賛していたので、久しぶりに邦画を見た。

 『星になった少年』 2005年・日本
   監督:河毛俊作
   出演:柳楽優弥、常盤貴子、賠償美津子、高橋克美、蒼井優

実話だそうだが、原作は未読。
象が出るのと(動物ものでも滅多にない)、柳楽くんに興味があった。
残念ながら河毛監督はTVドラマ時代、可もなく不可もなくの印象。
私が木村拓哉さんのドラマの中でもっとも好きな『ギフト』のメイン監督さんなのだが、ゲスト監督の中江さんの回がベストだった。

話はそれるが、『ギフト』はいいドラマだったのに、例の事件で木村さんの黒歴史みたいに葬り去られているのが残念でならない。
木村さんドラマでは、中江功監督の『眠れる森』と並ぶ秀作と、私は思っている。

さて映画のほうだが、題名がすでにネタバレしている。
スターになって引っ張りだこ・・・なんて風には誰も思わないから、まずお空のお星さまになりましたって話しだという覚悟は出来る。
そこ入りなのは、原作で知っていると言うお約束のせいだろうが、なんかちょっと残念。

この映画、語る部分は3つしかない。
まず柳楽くんの、これぞ思春期と言う微妙な時代の危うさの魅力だ。
自分で自分を持て余す時代。
その思春期独特の暗さと、未成熟なゆえの無限の可能性。
光と影を併せ持つ複雑な彼の存在そのものに、私はしばし圧倒されてしまった。
このまま大人にならずに、と言うより俳優を続けずに思い出だけを残して欲しいと思ってしまったほどだ。

2つめはタイのロケーションの素晴らしさ。
そこでの人間関係は、日本でのそれより遥かにわかりやすい。
ポーの言葉から、タイの貧しい子供たちが確実に収入を得られる「象使い」の養成所に、金持ちニッポン人がやってきたのが気に食わないことは容易に察しられる。
あんた、国に帰れば家庭があるんだろう?金になる仕事にも就けるんだろう?だから帰れ、と言う彼らの気持ちは痛いほどわかる。

それでも'テス’は頑張る。
初めは弱音を吐いたり、食べ物も食べられなかったり、通じると思った象の気持ちがつかめなかったり。
でも頑張り続けた結果、彼は大切な真実を手に入れて帰国するのだ。

3つめは、もうここだけでこの映画は見る価値がある。
帰国した哲夢は、ちゃんとしつけを受けていない小象のランディの調教を始める。
もともと像使いになろうとした切っ掛けがランディだったので当然だ。
だがプロの像使いであるテツの調教は厳しい。
見かねた母親(常盤貴子)が止めようとする。

「可哀想じゃない。これまでだったうまくやってきたんだから、そんなに厳しくすることはないわ」
(台詞は正確ではないけど、意味はこういうことだと考えてください)

そして哲夢はこう言い返すのだ。

「ランディが仕事をするようになってから、抑えられなくなったらどうするんだ。
人を傷つけてしまったら?場合によっては殺してしまうかもしれないんだ。
その時にどうやってランディを助けてやれる?今やるしかないんだよ」

この時の柳楽くんは、完全に大人の目をしていた。
そして観客にこう訴えかけたのだ。

ー可哀想だと言って、子供の頃に甘やかしたらどんな人間に育つと思う?
 何でも言うことを聞いてやって、叱りもしないで、守ってやって、
 辛いことも経験させなかったら、どんな大人になると思う?
 困るのは社会に出てからなんだよ?
 もし社会に適応できなかったら?
 万が一犯罪者になってしまったら?
 その時、いったい親に何が出来るって言うんだ。
 守ってもやれないし、罪を代わりに償ってもやれない。
 だから本当に子供の為を思うなら、厳しくしつけてやらなければダメなんだ。

このメッセージが少しでも伝われば、映画は報われる。
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第2回・イスー1・グランプリ開催

2006-05-15 | TVや舞台やスポーツのお喋り
『遊戯のススメ・千原ジュニアと愉快な仲間たち』を観て来た。
前回の遊戯がメチャ面白かったので、今回も楽しみ。

始まる前にYさん(品庄とジュニアさんファン)とお食事。
YさんはB'zファンでもあり、何かと共通点が多いから話題も尽きない。
でも楽しすぎて結構時間が押してしまい、開演前に化粧室に行ったら長蛇の列。
席に着くのが7時ぎりぎりになってしまい、焦った。

席と言えば、ルミネの座席が体育館の椅子から映画館の椅子に変わっていた。
これまで散々文句を言われていた座り心地もよくなり、さらに後部座席の前に通路が出来ていて、後ろの方だとまるで見えないと言う部分も改良されていたようだ。
儲かってるんだから(多分)、このくらいのことはやってもらわないとね。

いよいよ開演。
まずMCのジュニアさんが登場。ゲストを次々呼び込んでいく。
POISON GIRL BAND、カリカ、Bコース、山本吉貴、サバンナ、品川庄司、ジャリズムの総勢14人だ。
元チャイルドマシーン・山本吉貴さんには1月のチハラトークで見た時、あまりの体型の変化に(まん丸)驚かされたが、今回は元に戻りつつあった。

MCのジュニアさんはタキシードだが、他の芸人さんはみなお揃いのピンクのTシャツと青のジャージ姿。
ジュニアさんは庄司さんに「今回は庄司のおしゃれを封印してしまって悪かった」と振る。
庄司さんは袖口を折っており、そこの違いを強調。(腕の筋肉強調?)
するとすかさず品川さんも「庄司がしてるのを見て、慌てて真似しました」
仲良しなのか、負けず嫌いなのか。

最初のコーナーは『第2回イスー1・グランプリ』
要はイス取りゲームで、出演者14人に対してイスは13個。
座れなかったものが消えていく・・・わけではなく、ここからが本番。
イスにはそれぞれプラカードがついていて、それがお題になっている。
「大喜利」「ものまね」「替え歌」「あだ名」「写真で歌おう」「一発ギャグ」「あるある」と言う感じ。
イスに座れなかったものは、得意分野のお題、もしくは勝てそうな相手を指名する。
審査員であるジュニアさんの定めた勝者が生き残れるのだ。

ゲームが開始され、マイムマイムの曲に乗って、14人の芸人さんがイスの周りを走る。
一番ノッていたのは庄司さんで、両手を振り上げたりジャンプしたり、すっごく楽しそうだった。
ここで真性Mと言われるジュニアさんがどSに変身。
ストップのホイッスルをなかなか鳴らさないのだ。
いったいイスの周りを何周したことだろう。
半数の芸人さんがギブアップ寸前の状態になっていた。(もう爆笑ですわ)

品川庄司の二人は順調にイスを確保していたが、何回目かでポイズンの吉田さんが庄司さんを指名。
お題は「王将の店員のあるある」ドロー再戦「マジシャンのあるある」

このゲームは決定的にTV向きではない。
答えの制限時間がないのだ。(制限時間を設ければTV向けにもなるが)
芸人さんが必死になって考えているのをずっと待っている。
この間で脱落する人がいるかもしれないが、私は芸人さんの悩み苦しむ表情が結構楽しかった。

庄司くんは考えている間、とにかく動き回る派だ。
お題は舞台の横に置かれたモニターに映っているのだが、途中でそれを長いこと覗き込んでいる。
「答えが見えてくるのかな」と、他の芸人さんたちも笑っていた中、品川さんが一言。
「庄司、ジャージがローライズになってる」
確かにジャージを腰履きしてるので、その辺がすっかり露出していた。

吉田さんの挑戦を退けた庄司くん、どうにか戦線に復帰する。
だがサバンナの八木さんに指名された品川さんは・・・。
お題はテニスラケットを使った一発芸。
答えを待ってる間ジュニアさんが、ラケットを顔に当て「出してくれ~」とかといったら、八木さんはそれに乗っかって「出してくれ~、阪神ファンや~」
(ラケットのフレームが黄色と黒の阪神カラーになっていた)
品川さんも乗ってくるかと思ったが、普通に考えていた回答を。
面白いと言うより、場の雰囲気で八木さんが勝利してしまった。

実は後のコーナーで、品川さんはもう1週間も風邪が抜けず、昨日は39度の熱があったことを告白。
どう見ても元気がなかったし、多分薬で熱を下げたにしろ、かなりだるい状態だったのではないか。
それなのに、あの冒頭の地獄の合宿のようなイス周りのマラソンだったとは・・・。
八木さんの「こんなところにいないで家帰れ!」に思わず頷く。

その後、庄司さんもポイズン・阿部さんの相方の敵を討たれて退場。
お題は大喜利で、「初めて日本に来た外国人が千原兄を見て言った一言」
庄司さんが何回かに一回、とてつもなく面白い回答を出すのだが、アベレージヒッターではない。
打率は2割そこそこだけど、当たると怖いホームランバッターって感じだ。
この敗戦、納得の答えだったが、名誉の為に内容は伏せておく。

「第2回イスー1・グランプリ」の名勝負は、ディフェンディング・チャンピオンであるカリカ・家城さんと、サバンナ・八木さんの「マニアック物まね」
家城さんのマニアックぶりも面白かったが、八木さんの最後の妙な溜め息に負けた。
この余勢を駆って、第2回優勝は八木さんに決定!

ここまでが長い。1時間20分くらいやっていた。
もちろん飽きはしないのだが、疲れてしまったことは確かだ。
その後の「最後の言葉」は、お葬式と言う設定がなんだかなので、私はここで一休み。
「八木さまの一言」も、イスー1の後だけに、もういいかなって感じだった。

時間も押していたので、この辺を飛ばして最後の「なにをやってるんでしょうか」のコーナーを長くやって欲しい気がした。
ひとりひとりの芸をもっと生かせたと思う。
カリカ・家城さんの「千手観音」の熱演良かった。

簡単に説明すると、お題を熱演する芸人のヒントから回答者が答えを出すゲーム。
例えば問題が「誰といちゃついてるんでしょうか?」答え「黒柳徹子」の場合、NGワードは「人物の名・部屋・玉ねぎ頭」と言う感じ。
それ以外なら、言葉を発してもいいジェスチャーゲームのようなものだ。
上記の「千手観音」の問題は「誰とケンカしてるんでしょうか?」
千手観音とケンカして、勝てる人はいないよね。

ここに庄司さんと、Bコース・ナベさんが登場。
「何を燃やしてるんでしょうか?」
ふたりでなにやら高いビルを見上げる様子。
さらにその建物にガソリンをまく様子。
最後に回転ドアをくるくる回る様子。
ここで答えを知っている客席から大きな拍手。
回転ドア=六本木ヒルズってことで、回答が出るのが一番早かった。
(芸人としてはおいしくないかも)

すっかりお腹が一杯になったところで全員が揃ってお別れ。
時間押しにもかかわらず、最後まで頑張ってくれたジュニアさんと芸人さんたちに感謝したい。
2500円のチケット代、それぞれの価値観があるにしても、私にはとても安いものに思えた。
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夢と現実、どちらも大切

2006-05-13 | 映画のお喋り
映画三昧週間に突入した。
実は前回4作品の感想が欠けているのだが、とりあえず新しいものから。

 『ブラザーズ・グリム』 2005年・アメリカ映画
    監督:テリー・ギリアム
    出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ、ピーター・ストームメア

監督のギリアムについてはまったく知らない。
マット・デイモンの主演作だから見ただけの半可通だ。
とにかくマットが出れば何でも見るので、中身も殆ど知らなかった。
題名から、有名なグリム童話の作者兄弟の話だってことはわかるけど。
『ネバーランド』みたいに、『ピーターパン』が生まれるまでの作者裏話かなと思っていた。
(そういえば『ネバーランド』のレヴューも書いてない。面白かったのに)

イントロは兄弟がまだ幼い頃の話。
妹が病気で寝ているところへ、薬を買うために牛を売りに行ったジェイクが戻ってくる。
母親が「牛は高く売れたかい?」と聞くと、ジェイクは「魔法の豆と交換した」
まんま、『ジャックと豆の木』だ。
御伽噺では、豆から木が育って、巨人の城から見事金のたまごを生むニワトリを奪ってくるのだが・・・現実はそんなもんじゃない。
どうやら妹は薬も買えずに死んでしまうらしい。

残された兄弟、ウィル(マット・デイモン)とジェイク(ヒース・レジャー)は成長し、本筋が始まる。
ちょっと待って!
グリム兄弟はジェイク(ヤーコブ・兄)とウィル(ウィルヘルム・弟)じゃなかったか?
作品中、それが気になって仕方がなかった。
英語では「兄さん」とかがなく、普通に互いの名を呼び合っているが、字幕ではジェイクがウィルに「兄さん」と呼びかけてる。
意図的なのか、字幕間違いなのか・・・。
 
それはともかくとして、二人は有名な「妖怪退治」?専門家と言う設定が面白い。
依頼を受けては出向いていって、奇奇怪怪な出来事の話を聞く。
ジェイクはそれをメモして、ウィルが料金の交渉。
作戦を練り、妖怪退治が始まるのだが・・・。
ここで私はあまりのうそ臭さに爆笑していた。 
当然この二人、詐欺師なのだ。

実際グリム兄弟はドイツ各地を回って、伝承民話を書き止め、それをまとめて本にした。
一般人が文字を書けないのが当たり前の時代では、伝承民話は大切な文化遺産だ。
それを文字に残し、後の時代に伝えるのは立派な仕事。

だがこの映画はその辺を茶化して、と言うか、薬も買えない貧乏な家で育った兄弟が、各地を旅して伝承民話を聞き集めるような資金を持っているはずもない。
「妖怪退治しますよ」って看板で、詐欺をしながら資金集めって言うのは、妙に説得力がある。

さて、上手いこと村人を騙して金を巻き上げ、ジェイクはまた新しい話のネタを仕入れ、意気揚々としていた二人だったが・・・。
この地はその時代フランスの統治下にあり、そのフランスの将軍に捕らえられ、グリム兄弟はある村の事件を解決するよう命じられる。
詐欺を見逃してやる代わりに、ただ働きしろってことだ。

その村では、女の子ばかりが次々とさらわれ・・・。
それが『赤頭巾ちゃん』だったり『ヘンゼルとグレーテル』のグレーテルだったりする。
この辺りから、雲行きが怪しくなって、本物の魔女や狼男の登場となる。
二人は空想に近い民話と現実的な詐欺の世界から、いやいやながら魔法の世界へと足を踏み込まなくてはならなくなる。

この映画のマットは金髪だ。(多分ジェイクと色を変える為に染めた)
その金髪が、この映画のマットをある意味象徴している。
これまでのマットなら、絶対ジェイク役だったと思う。
ジェイクは「魔法の豆」を信じてしまう、空想好きで現実に対処することが出来ない夢見がちな男。
対するウィルは詐欺を計画し、仲間を集め、金儲けをすることが目的の実際的な男。
なんかマットに合わないのだが、見てるうちにウィルもいいかと思った。

「おまえのせいで妹は死んでしまった」
「おまえにはうんざりだ、もう離れたい」
と言うような台詞を吐きながら、民話を集めることが使命だと思い込んでいる夢見がちなジェイクをずっと助けている。
実際ウィルがいなかったら、ジェイクはどこかの空の下で行き倒れになっていたろう。
夢を見ることが出来ない、現実しか頭にないウィルにとって、ある意味ジェイクは羨ましい存在なのだ。

この兄弟の関係は、ラストの山場で生きてくる。
ドイツの暗い森の中にそびえ立つ塔。
そこに住む孤独な乙女は『ラプンツェル』を思わせる。
だが本当は鏡に映る自分のことしか興味のない女王。
「鏡よ、世界で一番美しいのは私に決まってるわよね?」
そう、『白雪姫』の魔女(モニカ・ベルッチ)なのだ。

この魔女に剣を突きたてられると、男は例外なく彼女の僕になってしまう。
彼女の目的を阻止しようと乗り込んだ兄弟も、この罠に落ちかける。
そこでウィルが・・・。

やっぱりこの先は言えない。
かなりグロなシーンもあるが、この映画のユーモアは好きだ。
決してファンタジーではない。
決して冒険アクションストーリーではない。
グリム兄弟はまったくの無力で、魔法の力に対抗する術もない。

だからこそ笑えるのだ。
どっちもどっちの兄弟の、ケンカしながらも仲がいいやり取り。
散りばめられた細かなギャグ。
単純に笑いたい人には決してお勧めできない種類のユーモア。

久しぶりにたっぷりと笑った映画だった。
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やっと『殴られる女』

2006-05-12 | TVや舞台やスポーツのお喋り
2月15日放送『ミラクルタイプ・ドラマSP』を、今頃やっと見た。
実に3ヶ月遅れだ。
忙しかったとかじゃなく、実は見るのが怖かったのだ。
品川さんだと安心して見られるんだが、正直庄司くさんのマジ芝居は・・・怖い。

重箱の隅をつつくような目では見たくないと思った。
単独ライブでのコント芝居(悪い意味ではなく、そもそも舞台とドラマの芝居は違う)でもいいと思った。
芸人なんだから、そこまで緻密な演技は求めるべきじゃないと思った。
要は話を楽しめばいいのだ。
でも結局内容より、演出と演技ばかり見ていた。

私は庄司さんの声が好きなので、冒頭の夕焼けとかぶさるモノローグはいい感じの入りだ。
このドラマの為にゆるくパーマをかけた髪形も素敵。
品川さんが「20歳の約束」を思い出す「ひゅーひゅーだよ」の台詞で盛り上げてくれた。
(でも何で今頃この台詞?)

庄司さんの台詞回しも思ったよりずっといい。
何より私の好きな俳優さんの一人である小木さん(上司の役)が出てくれてることにも感動。
こういう渋い俳優さんがいい仕事してくれると、ドラマがぐっと引き締まる。
良かった、心配したほどでもなかったと一安心していた。

が、ついにやってしまった!
帰宅したとたん、散らかった部屋に呆然とする庄司さん(タカシ)。
そして小西さん(ミク)に詰め寄っていく大事なシーン。
そのシーンで庄司さんは、足元の邪魔な雑誌を見事に足で蹴って踏まないように退かせていく。
それも二度・・・。
逆上してたら、足元のものに目なんか行かないよ、普通。
運動神経良すぎるのが仇になってしまったのか。

その後の怒鳴るシーン。これが一番の難関だ。
動きが面白すぎるのだ。
庄司くんが芸人としてもっとも‘面白’を発揮するのは、ツッコミでなくこの動き。
これじゃコントだよ。。。
直後の表情と台詞が秀逸だっただけに、腰を振りながらの怒鳴りが、なんとも残念だった。

でも最悪の場面を切り抜けたら、あとはスムーズに進んだ。
自分の仕事を取られ、壁に寄りかかりながらそれを見てる庄司くん、表情もビジュもめちゃくちゃいい。
この影の作り方、ドラマ班のようで、GJ!
ラストの雪上のベンチもいいね。
まっさらな二人の未来を暗示してて。

声が詰まって台詞が言えないシーン、これが演技だったら最高なのだが・・・。
多分演技ではないと思う。
その後で、無理矢理作ろうとする笑顔、これはいい演技だった。
最高の演技だった。
この演技ですべてが救われた。

で、結論。
その辺の若手イケメン俳優よりずっと使える。
CXのドラマ班P、これ見てたら声掛けてくださいませ。
と、今更言っても3ヶ月前の放映だっけ。

それに庄司くんがドラマなんか出てしまったら、私はやっぱり3ヶ月遅れでそれを見ることになるんだろうな。
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花便りー初夏編ー

2006-05-10 | Pluviaの窓(写真のお喋り)
去年の秋に、体調を崩してしまった。
春に咲く花の球根は、前の年の秋に植えなければならない。
だがあの体調では、球根を購入しても無事植え終わるか自信がなかったので、仕方なく諦めた。

水仙、フリージア、ヒアシンスなどの球根は丈夫なので、植えっぱなしでも肥料さえ与えれば翌年も咲いてくれる。
だがチューリップは梅雨時に弱いので、翌年に期待は出来ない。
今年はチューリップのない春になるなと思っていた。

そう思っていたのに、葉が出始めた。
蕾をつけ始めた。
そして4月の末に、数輪のチューリップが花開いた。
一昨年に植えたバレリーナ咲き(先端が尖っているもの)だ。
50の球根のうちの数個だが、2年通して咲いてくれた。

元気を出せよと言っている様な妖精からの贈り物。
お陰で元気なGWを過ごすことができた。
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「いただきマッスル」を「スナック薫」で

2006-05-07 | TVや舞台やスポーツのお喋り
仲間内で「スナック薫」オフ会が開催された。
今回はGWと言うこともあり、総勢13人が参加。
本来はお休みだった「スナック薫」だが、この時期だから遠征して来られるメンバーもいると言う事情を話したら、庄司パパもママも快諾してくださった。
少し早めの集合で、長々とお世話になってしまう。

念の為知らない方へ。
「スナック薫」は地元蒲田にある、品川庄司の庄司さんのご両親が経営するお店だ。
ちなみにこのエビフライはメニューに載っていない。
予約して初めて、庄司さんの大好物でもあるママの美味なエビフライを食せる。
今日も熱々を頂いた私たちはほっこり。

集合時間が早かったので、一通り飲み物を注文し終えた頃、ちょうど「いただきマッスル」の時間になった。
「マスター、4CHにしてぇ~」と言う私たちの要望に、首を捻るパパ。
どうやら庄司さんがこの番組のレギュラーであることを知らないようだ。
リモコンでチャンネルを切り替えたとたん、庄司さんのどアップ。
どうしてかか知らないが、そのとたん全員から大爆笑が巻き起こってしまった。
パパは庄司さんの出ているTV番組が、恥ずかしくて見られないらしい。
そんなものなんだろうか。

メンバーの中には初顔の人も何人かいたので、いろいろ話をしに回った。
年齢も下は19歳(当然お酒はNG)から、上は○歳(品川さんと同年代)までと幅広い。
でも全員が品庄とお笑いが大好きなので、話題には事欠かない。
実に話しやすくて和やかな雰囲気。

しばらくすると、いつもの地元の常連さんたちも集まってきて、カラオケ大会開始。
自分の得点を当てれば見事ボトルをゲットできると言うのがこの店のルールだ。
今日は見事にMくんが大当たり~~!

ちょっと嬉しかったのは、パパさんが私に「ちょっと痩せたんじゃない?」と言ってくれたこと。
「わぁ、お世辞でも嬉しいです」と言ったら、「お世辞じゃないよ、すっきりしたよ」だって。
もう、商売上手なんだから~。

その後、お笑いの舞台を見てきたK太さんとYさんも加わる。
Yさんは今回の遠征組で、会うのは去年の品庄単独以来。
さらには前回に引き続き、薫お兄様(庄司さんの実兄)も来てくださった。
ネットが趣味(の一つ)の薫お兄様は、前回「ブログを見てます」と言って、私たちをあたふたさせたのだが、実に気さくな方だ。
(笑顔が庄司さんにそっくり)

だけど残念ながら終電の関係で、私とMくんとOちゃんはここで引き上げることに。
もうどこかで始発までの時間を潰すことになっても、ずっといたかった。
ママさんの美味しいエビフライや焼きそば。
パパさんがコンビニで買ってきてくれたおにぎり。
常連さんが差し入れてくれた柏餅。
「後でイチゴも出してあげるよ」と言う約束通り、パパさんが持ってきてくれた甘いイチゴ。
そのすべてがなんか温かくって、いつまでもその温かさに浸っていたかった。

また来よう。
幹事のNさん、ご苦労様。(支払い忘れたけど、今度必ず払います←ってこの状態食い逃げ)
前回の参加者、久しぶりに会えた仲間たち、新しく知り合えたお友達、これからもよろしく。
それからいつも優しく歓迎してくれるパパさん、ママさん、お兄さん、どうもありがとうございました。
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検索ちゃんを検索

2006-05-06 | TVや舞台やスポーツのお喋り
昨年の10月からEX(テレビ朝日系列)で始まった‘爆笑問題の検索ちゃん’
もともと爆笑問題は好きだったし、もちろん品庄が(ほぼ)レギュラーで出ると言うので初めから見ている。

実を言うと、始まるまではまったく期待していなかった。
「深夜の雑学」と言う謳い文句で、クイズ番組と言う話だったからだ。
今でもそうだが、品庄はクイズ番組のゲスト出演が多い。
品川さんはともかく、庄司さんにとっては馬鹿キャラを弄られるだけ。

だが始まってみると、印象はまるで変わってしまった。
ご存知と思うが、この番組はクイズ形式を用いたトーク番組だったのだ。
MCが爆笑の田中さんならこうはならなかったろう。
太田さんにしたところが企画力の勝利。

地域によっては放送していないところもあるだろうが、番組HPの更新が早くて、その日のうちに主なトークが網羅されている。
これだけでもかなり楽しめるかもしれない。
番組HPはこちら

この番組にはすでに数々の伝説が生まれている。
収録はいいとも終わりの水曜日に行われるのだが、30分番組1本の収録になんと2時間半かかる。
3本撮りの頃(今は2本撮りらしい)は、3本目になると全員が疲れきってやつれてしまう。
番組を見てても妙なハイテンションで、今日は3本目だなとわかってしまうほど。

理由は爆笑・太田さんの「どうでもいい話」
面白いのだが、たまにまったくオチがなかったりする。
もちろんレギュラー芸人もどんどん絡んでくるから、余計話が長くなるのだろう。
カットされた部分だけで、トーク番組が何本作れるのか。
(思い切り見たい)

さらに春クール前にゴールデンで3時間のSPが放映された時のこと。
通常は深夜24:45~25:15に放映されるのだが、その時間で視聴率が10%近い。
多分スタッフはゴールデンで数字を取って、レギュラー化できると期待していたのだろう。
だが結果は7.2%の惨敗。
原因は通常番組とは関係ないゲスト部分が長すぎて面白くなかったから。

だってこの番組を面白いと思ってみてる人たちは、MC太田さんと小池栄子さん、レギュラー回答者の田中さん、伊集院さんor土田さん、品庄・次課長、そしてゲスト芸人たちのやり取りが好きなのだ。
ある意味、TBSのリンカーンよりも‘芸人の芸人による芸人の為のバラエティ番組’なのだ。
出演者の数が少ない分、それぞれの絡みが洗練され、成長し、完成していく。
番組冒頭のお祭り騒ぎはまさしく深夜ノリから産まれた傑作シーン。

マンネリ化という敵は待っているかもしれない。
だがいつまでも続いて欲しい番組だと思える、数少ない番組の一つであることは確かだ。
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GWってなんですか?

2006-05-05 | TVや舞台やスポーツのお喋り
 木瓜(ボケ)
  バラ科(枝に棘がある)
  花言葉はー指導者、先駆者
  写真の木瓜は源平咲き(赤と白の2色咲き)のもの

世間はGWらしい。
私がGWにそれらしいことをしたのはいつ以来だろう。
箱根にテニス旅行に行って、芦ノ湖畔のバス停でライブ会場のような混み具合に呆気に取られたのが最後のようだ。
(結局バス会社が臨時便を増発して、無事帰る事ができたが)

今年も(去年もだが)世間から身を隠すようにして過ごすGW。
天気がいいので、せいぜい庭の手入れに精を出す、まるで年寄りのような隠遁生活が続く。
ああ、海外にでも行きたい!
ヴェネチアでしょう?ライン地方でしょう?白夜の北欧でしょう?
でもいまのところ、それは夢・・・。

しかたがないのでドラマ観賞。
近頃は映画を少しお休みしてる。
立て続けに見すぎて、かなり目が疲れていたからだ。
日本語の、しかもドラマは見ていて疲れないところがいい。
前のクールは「西遊記」と「夜王」だけ見ていた。
今期は「ブスの瞳に恋してる」「医龍」「クロサギ」を見ている。

そう、私は男優、主にジャニーズ主演のドラマを選択する傾向にある。
だってやっぱりカッコいい男のドラマのほうが、見ていて楽しいじゃないか。
「ブス恋」の稲垣さんは、久々に、と言うより初めて当たり役を得たようだ。
独特の雰囲気を持つ彼には、普通の恋愛ものやサスペンスより、こうした企画ものが似合う。
森三中の村上さんが、ドラマのヒロインって言うのも夢があっていい。

「医龍」は「夜王」の‘聖也’北村さんつながりで見てしまった。
スポットCMの坂口さんの台詞に思わず爆笑してしまったのでどうなることかと思っていたが、ドラマの中で言われると、そこまで不自然な台詞ではない。
あのスポットCM作った人、これはコメディですって言ってるようなものなんだが、狙いなんだろうか。
内容はそこそこシリアスで面白いのに、なんだかもったいない。
このドラマ、3週続いて視聴率が14.1。(不動の視聴率)
上がれないのはスポットCMのせい、のような気がする。

「クロサギ」はもちろん山ピー目当て。
中学生の頃から見ているから、なんだか親戚の子みたいに気になってしまう。
初回の電車が迫ってくるシーンが余りに馬鹿馬鹿しかったので、期待感が薄らぐ。
しかもラストの盛り上がるシーンで、「俺は詐欺師、ダァ↑」の台詞回しに脱力感。
もっとも詐欺師と言う題材が面白いのと、山ピーの為にいまだに見続けている。

このドラマの中で、ヒロインである氷柱(堀北真希)の役割がかなり観念的だ。
TVドラマで、しかもアイドル起用のドラマで、詐欺師と言う犯罪者を主役に据えたことで、彼女の存在の必要性が出てきたのだろう。
たとえ命の恩人であろうと、おじさんが危機に瀕してようと、正論を吐き続ける氷柱は、まさに主人公・黒崎の良心の声の象徴になってる。

もしも持ち金が百円きりしかなく、丸一日何も食べていなかったとする。
その時に1万円の入った財布を拾ったとする。
「やった、これで飯が食える」と思う。
だが良心の声は「拾ったものは警察に」と言い始める。
この声はかなりうざいが、それは正論だからだ。
空腹は悪魔のささやきを呼び、正論を無視しろと唱える。
たかが1万円じゃないかと。

黒崎は父親や家族を騙した詐欺師を憎み、復讐と言う悪魔のささやきに身を委ねてしまう。
だがどんな理由があろうと、人を騙すことは悪なのだ。
(被害者が犯罪者の為、届出をしないので犯罪にはならないが)
悪を懲らしめる悪というドラマは時代劇によくあるが、やはりアイドルドラマでこれはまずい。
そこで氷柱が登場する。

多分視聴者からもうざいと思われる氷柱役の堀北さんには災難だ。
が、良心の声と言う役割は続けて欲しい。
黒崎の過去を知って同情・・・なんかこれじゃ安易過ぎる。
もっとも彼女自身もアイドルなので、いつまで敵役は演じさせられないのかもしれない。

GWにドラマの考察をしている私って、本当に暇だよね。
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