4月14日から16日まで、富山県の大猫山へ行ってきた。
馬場島から入山、初日は大猫山東面尾根上で幕営、翌日に大猫山をピストンして3日目下山。
今回、このプランをたてて下さったのはいつも山でお世話になっているK氏とH氏だ。
さて、剱岳や毛勝三山ならばよく聞く山名だが大猫山はまったく知らなかった。
地図を見ると、この大猫山は剱岳北西面の大展望と記されているではないか!
大猫山はいったいどんなに素晴しい眺望を見せてくれるのだろう・・・
ワタシは久々の雪山登山と未知の山への期待を胸いっぱいにして出発する。
14日は朝から雨。剱岳への登山口でもある馬場島はG.W前とあって、
誰も居ない。ここから、私たちは川沿いに進む。雨で雪が柔らかくズボ足になるのでワカンを付ける。
途中で、橋を渡りまた進むと今度は道が崩れていて川の向こう岸に渡れない。
仕方なく、戻り返して渡れそうな所を探す。そして思い切って水の流れる中をザブザブ一気に進む。
もし、水量がもっと多かったら渡れなかっただろう。
そして、いよいよ尾根に取り付く。
ここからはアイゼン装着だ。雨降りの中、急登が延々と続く登りはキツイ。
途中からは、新雪の上に降った雨で雪がグサグサに腐って何回も身体がはまって往生させられる。
しかも急登で思うように先に進めず時間がかかり15時に行動終了。
15日5時起床。前日の雨雲は何処へやら、見渡す限りの青空と太陽がキラキラと眩しい。
そしてビバーク地からは白銀の山々の大展望!こんなに素晴しい場所にテントを張っていたなんて
昨日まで何も見えなくて気付かなかった。
卵雑炊とお餅を焼いた朝食を食べ、準備を済ませて7時15分に出発する。
荷物をテントにデポして、登攀用具と行動食をザックに詰めて大猫山を目指す。
風もなく、穏かな天候だが太陽の光が雪に反射するのでサングラスなしでは歩けない。
出発から30分程で、剱岳が目の前に見える展望台まで来る。
大猫山まで行かなくても、これだけの素晴しい景色が見えるからスゴイ!
この大猫山東面尾根は、とにかく急斜面がずっと続く。これでもか、これでもかという具合。
登りより帰りの下山が気になるワタシ・・・
思わずK氏に「帰りはコンテでお願いします」と頼んでしまう。
後半からは、ワタシがトップで登らせて頂いた。いつもセカンドでは、ルートファインディング
力がいつまでたっても身に付かない。
トレースの無い雪壁にクレバスがあちこちにパックリ口を開いている。落っこちないように、
どのルートで進むかを見極めねばならないトップにずっと緊張しながら登る。
11時前、大猫山(2070m)に到着。山頂からは剱岳北西面の全景が大きく立派に望むことが出来た。
また、後立山連峰の五竜岳や唐松岳までもすっきり見渡せた。
記念撮影をして、休憩をとってから12時に下山開始。猫又山が目の前に見えているが
この雪の状態であと標高300m登るのは厳しいので次回のお楽しみにとっておくことになる。
急斜面を下るのは苦手なワタシは、足元を気にしながらゆっくり確実に降りる。
途中、ロープを2回出した。懸垂下降で降りるのはまだそれほどでもないが、
登りでも苦労した切れた斜面のトラバース20m程の箇所は緊張感いっぱいだ。
ロープがなければ、きっとワタシは渡りきれなかったはずだ・・・
緊張感いっぱいのトラバースを終了した地点で、H氏と合流。
H氏は、この日は写真を撮る為にシャッターチャンスを待って過ごされていた。
山岳写真の撮影は、この重い機材を担ぐだけでも相当体力が要りそうだ・・・
15時、無事にビバーク地へ戻ってきた。テントが見えてやっと、緊張から開放される。
ワタシはもっと精神を鍛えねばならない。
山の楽しみといえば夜の宴会だが、この日はいつにもまして盛り上がる。
持参したお酒は、日本酒・バーボン・スコッチ・焼酎と飲み放題(飲みすぎ・・・)
自宅から持参したペミカンでカレーを作る。やはりフリーズドライより手作りに限る。
食後は、K氏とH氏からサーモン塩焼きと明太子で酒盛りは続く。
山の上でこんなにいろんなものを食べられるなんて、
すごく贅沢で下界で食べる何倍も美味しく感じる。
最終日は8時半に下山開始して、約2時間で馬場島へ到着。
下りはかなり早く降りることが出来る。
日ごとに雪解けが進み、アルプスにも春がゆっくり訪れていることを感じる。
今回の大猫山縦走は、トレースの無い雪深い急登や雪屁にクレバスと厳しい雪山だ。
でも頑張った分、登った者でしか見ることの出来ない景色とその喜びを堪能することが出来る。
そして不思議と、苦労したことは忘れ、楽しかったことだけ記憶に残り、また山へ登りたくなる。
私にとってはハードすぎて
目が点ですわ(・_・;)
でも大絶景は素敵です。
大猫山って低山みたいな名前ですが(?)
そこそこの高さがあるんですね~
私も初めて聞きました!